沢田くんはおしゃべり

ゆづ

文字の大きさ
144 / 160
第6章 沢田くんと夏の恋花火

沢田くんとざまあ

しおりを挟む


「ええええええええ~~~⁉︎ ヤダあ、あの人ヒロシの4000倍はイケメンじゃない⁉︎【なんであんなモブ女をこのイケメンが抱きしめてるのお⁉︎ 理解できないんだけど~~!!】」
「ふ、ふざけるな! よし子こそ、よく見りゃあの子の6000倍はブサイクじゃねえか!【俺なんでこんな女と付き合ってんだろ? なんか目が覚めたわー】」


 外野がうるさい。沢田くんとのせっかくの再会が台無し。
 すると沢田くんが私から手を放し、二人の前に進み出た。
 黒地にグレーの細い縦縞が入ったカッコいい浴衣を彼が着ていることに今頃気づく。


「あなたたちですか? 佐藤さんをさらった変質者は」
「あっ……違うよ、その変質者は沢田くんの──」

 お父さんだよ、と言いかけた私を背に、沢田くんがビシッと強く言い放つ。



「佐藤さんは俺の大事な人ですが、何か?」



 きゃあああああああ~~~!!!
 大事な人って、大事な人って!!
 勘違いして全然関係ない人に啖呵たんか切ってるけど、沢田くんカッコいいよ~~!!



【ギャフン!!!Σ(´༎ຶོρ༎ຶོ`)】
【ひでぶ!!!!Σ_:(´ཀ`」 ∠):】


 通りすがりの残念カップルが、そろって沢田くんのイケメンオーラにぶった斬られた。
 ギャフンって言ってる人初めて見たし、ひでぶって言ってる人も初めて見たなあ。

「ふ、ふん! もう行こ、ヒロシ!」
「あ、ああ! 行くぞ、よし子!」


 二人は吐き捨てるセリフもヨボヨボになってトンズラしていった。
 あー、スカッとした。


 ……というわけで、改めて。



「沢田くん……っ!」
 私が呼ぶと、沢田くんは無表情で振り向いた。

【佐藤さあああああああああんっっ!!!*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*】


 ああ、これよこれ。このギャップ!!! 
 懐かしすぎて、涙が出ちゃう。


「佐藤さん、ごめん!」
 沢田くんは私に向かって突然頭を下げた。彼は絞り出したような声で言う。

「来るのが、遅くなっちゃって……【顔が怖い小野田って人にハメられて、たまごみたいな頭の人の家に連れて行かれて危うく長居させられそうになったけど、二人がすーぱーぷよぷよ2で遊び始めたからこっそり『おんみつ』で抜け出して来たんだっていうことをどうやって説明したらいいんだ。゚(゚´Д`゚)゚。】」

 なんだか沢田くんは沢田くんでいろいろあったらしいということだけは分かった。

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

さようなら、お別れしましょう

椿蛍
恋愛
「紹介しよう。新しい妻だ」――夫が『新しい妻』を連れてきた。  妻に新しいも古いもありますか?  愛人を通り越して、突然、夫が連れてきたのは『妻』!?  私に興味のない夫は、邪魔な私を遠ざけた。  ――つまり、別居。 夫と父に命を握られた【契約】で縛られた政略結婚。  ――あなたにお礼を言いますわ。 【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる! ※他サイトにも掲載しております。 ※表紙はお借りしたものです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...