沢田くんはおしゃべり2

ゆづ

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第3章 沢田くんと別荘の愉快な仲間たち

沢田くんと意外な援護

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「まあ、お前が空のこと見た目だけでカッコいいとか思ってるミーハー女じゃねえことはわかった」


 他にもいくつかの好きポイントを言わされた後、陸くんがそう言った。私はどうやら陸くんから合格をもらったようだった。ラクダから落とされなくて良かった。軽く1メートル以上の高さがあるしね。


「それじゃ、本題だ。今、空とギクシャクしてんのは何でだ?」
「えっと……それは……」


 私はちょっぴり目を泳がせる。
 脱衣所で忍者に蹴られた沢田くんとはずみでキスして気まずくなったなんて、恥ずかしくて言えない。


「正直に言わねーとお前の偽乳のことを空に……」
「ああああーっ! わ、分かりました、言います言います!」


 偽乳という弱みを握られた私に選択肢はなかった。
 仕方なく洗いざらい白状すると、陸くんは──。


「なるほど。忍者のせいで、か……【お、俺のせい⁉︎Σ(゚д゚lll)】」


 内心の動揺を隠すためか、ピヨピヨ~と陸くんは下手な口笛を吹いた。
 いまどき口笛って。それ、サザエさん一家のごまかし方だよ!
 

「まさか俺の家に本当に忍者がいたとはな……後で捕まえて処刑しよう【ごめん、空(´;ω;`)】」


  自分を⁉︎ どうやって⁉︎
 

「でもお前らも恋人同士なんだからいちいちキスくらいで恥ずかしがってんじゃねーよ。本当は毎日やってんだろ?【実はラブラブだろヽ(*^ω^*)ノ】」

 陸くんの言葉に、私のほっぺがジュッと熱くなった。

「そんなわけ、ないじゃないですかっ! 相手はあの沢田くんですよ⁉︎」
 私の魂の叫びは、陸くんの胸を抉ったようだった。


「……!【そうだ……相手はあのビビリの空だ。猫を相手にしても恥ずかしがって「に、肉きゅう触らせてください!」って敬語を使う空だ。それを言い出すために一ヶ月ポケットに煮干しを入れ続け、母ちゃんにハリセンでどつかれた空だぞ? この子と次にキス出来るのはおそらく一年後……ヘタすりゃ次の金環日食までチャンスはないかも……】


 えっ、そんな長い周期を待たないとキスのチャンス来ないの⁉︎
 それは困る!


「あ、あの! 沢田くんと今すぐ仲直りしたいんですけど、ラクダから降りていいですか⁉︎」

 こんなところでグラグラ揺れてる場合じゃない。私がおばあちゃんになる前に、沢田くんとラブラブにならないと!


 降りようとして暴れると、陸くんが私の肩を掴んだ。

「待て。慌てんな。空をその気にさせるなら、偽乳パットに頼るだけじゃダメだ。あいつは乳には興味ねえぞ⁉︎」


 いや、別にそんな乳パット頼みなわけでもないですが。
 すると陸くんは白い歯をキラリと見せて笑った。


「俺に作戦がある。まかせとけ!【今度こそ空にちゃんと青春させてやる!】」
「えっ⁉︎」


 私は驚いてラクダから落ちてしまった。イタタ。
 それにしても、ここへ来て意外な援護者が。
 果たして、陸くんの作戦とは……⁉︎ アイタタタ。



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