社くん家は居心地がいい

ゆづ

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鬼龍院の秘密

再び、夜神神社

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 美彌子さんが壊れた家の様子を見に行きたいと言ったので、僕らは夜神神社に向かうことになった。
 そろそろ暗くなっている。美彌子さんは陽が落ちる前に、家の中に残った貴重品やまだ使えそうなものを探して持ち出したいのだという。
「通帳などもありますから、探してきますね」
「分かりました。お気をつけて」
 
 美彌子さんの家は屋根に大穴が空いていたが、柱などは無事だったのでかろうじて家の体裁を保っていた。しかし屋根の残りがいつ崩れるか分からない。

「やっぱり、僕も一緒に中に入りましょうか。美彌子さんだけでは危険です」
「だ、ダメですっ! 散らかっていて、恥ずかしいので……!」

 美彌子さんは真っ赤になって僕の申し出を拒んだ。
 散らかっているどころじゃないと思うのだが、乙女のハート的な問題があるらしい。

 仕方なく、僕は外側から家の様子を見守り、危険があれば知らせることになった。

 美彌子さんの家は平屋で、僕のアパートの居住空間とほぼ同じくらいの広さしかなかった。じいちゃんと二人暮らしなのか、彼女だけ一人暮らしだったのかは分からないけど質素な暮らしをしていたに違いない。

 早く建て直しの工事をしてあげなくちゃな、と改めて思う。
 しかし、土建屋に頼むとなるとまた工事費がかかるだろうし……頭が痛い。最悪、手作りで屋根だけでも修復できないだろうか。あとでぬらりひょんに相談してみよう。
 
 静かだ。
 鳥の声が聞こえる。
 木漏れ日が夕陽の色に染まっている。昼と夜の狭間だけに見える景色はまるで異世界だ。

 一人で森のような場所に佇んでいると、どこかホラーめいた気分になってくる。木々の隙間に異形なものが潜んでいる気がして首筋が薄ら寒い。

 こんな時だからなのか、うたた寝の間に見た夢を思い出してしまう。
 白装束の着物で、蝋燭を頭につけ、トンカチを持った女の亡霊だ。彼女が今、この森のどこかにいる。
 ありえない妄想がただの妄想と笑えなくなる。
 耳を澄まし、神経を研ぎ澄ませて闇を見つめていると見えてくる。
 あの白い着物の影が──。

「おい」
「わあ!」

 いきなり背後から声をかけられ、僕は思わず竦み上がった。

「何びびってんだ? お前」

 
 振り向くとそこには、虎のスカジャンを着た金髪の男──鬼龍院がいた。



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