遠い記憶、遠い未来。

haco.

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夕日の情景

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山口県は、下松駅まで歩き続けていた。

2階建ての駅内の形跡が線路にガラクタとして転がっていた。
2階建てが倒壊していることがものがっていた。

線路から上がると改札口まで向かった。

目の前に広がるのは、どこでも同じでしかない。

人ひとりもいない・・・

それでも生きる者たちもいる。

澄み渡る空を見上げてみると。スズメたちが群れで木から木に移り変わっていく光景を見ていた。

空はどこにいっても変わらないままだ・・・

ずっとそうだった。

この世界を見送るようにずっと見続けていたんだ。

何千年か何億年かずっと・・空だけは変わらないままだ。

ただ人の生きる文明だけは変化していった。

争いながらも、空だけは平和だった。

たまに、空は排気ガスを吸い込むと、空から膨大な涙が流れていくこともあった。

空を汚さないでくれと言わんばかりに。

「よし!久しぶりに・・・」

とセイカは、この地に思い出があった。

ミユと訪れたことがあったからだ。

下松駅から歩いて20分ほどの距離に「茶臼山第一展望台」がある。

アウトドアだった蓮だった時代によく行ったことがあった。
度々、ミユとともに展望台の夕日の景色を見にいっていた。

地図を広げなくともすでにいくルートは把握をしていた。

どれだけ崩れていようが、感覚でわかっている。

市内を進んでいくと、交差点にさしかかってきた。平面になった町並みを見ながら、交差点を4つほど抜けていくと、山間にたっている、民家が所々、残っている。

崩れた民家の床の下で小動物の影が見えてきた。

「チュチュチュ・・・」

ネズミだ。

「ひい・・・」
思わず、ネズミを見て怯んでしまった。

冷静になってネズミを離れた距離から見てみると

「そうか・・・ネズミは水に強いからか」

大量の海水の中でもネズミは耐久性を持っている。

それでも人のいない街を巣にして子供も持っていた。

「あなた達も生きてたのね。」

「こんな世界でもずっと生きていてね」

願いを込めた。生きるものたちに願いを。


有料だった道路を横切ると、森林に繋がっている。

森林の合間にある、小道から「茶臼山第一展望台」に抜けれるからだ。

一旦は、線路から離れてあの展望台はまだあるのか確認したかった。

「白砂青松」の美しい海岸線が見えて、穏やかな海に浮かぶ島々が一望できていたが、今ではあの景色は見れないだろう。

少し、山歩きにはなるが、小道を潜りぬけていくと、展望台が見えてきた。

あのときのままだ。
「茶臼山第一展望台」のプレートが石垣に貼っていた。
周りは、あのときのまま。石垣と雑草があるだけだから。崩れることもないだろう。

この場所から見る、あの頃の夜景はほんとにキレイだった。
町並みの暮らしの明かりが灯り、街全体の明かりが海に照らされていた。
だが、崩壊してしまった世界に明かりは存在しなかった。

夕方にも近くなってきた。
今日は、ここでテントを張ろう。
折りたたみテーブルとチェアを組み立て、テントを準備した。

リュックからレトルトのカレーを出して、バーナーで湯を沸かした。白ごはんを炊いて、ポリ製の皿で夕日で沈んでいく海の景色を
眺めながら、食べていた。

沈んでいく、夕日に一言言った。

「おやすみなさい」

今日もずっと照らしてくれた世界に思いをこめて。

「明日もまた歩かなきゃね」


その時、幻を見た、セイカの隣にミユが横で座っていて、一緒にこの景色を見ていた。

変わらないあの頃のままで。
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