2nd Life

seven

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第1章 幼少期

21話 姫初めてのスラム(後編)

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 [コルラド王国城下 北西地区現スラム街 旧教会 孤児園]

床に座り大人数で、床に転がるクロワッサンを食べている集団が居る。
もしここで、この教会に入って来る者がいたら、結構な衝撃映像に見えなくもない・・

「こんな美味しいパン、食べた事ございません!!」
ミラが衝撃を受けている。
子供達は、両手にクロワッサンを持ちながら口にもくわえ、取られない様に必死だ。

「定期的にセイドか、ソニアかわたしが、ここに来る事になると思いますので、その時は美味しい物を持ってくるよ様にしますね」

皆の目がキラキラしている。
セイドも・・

(いやあなたは、こちら側なのに・・慣れて貰わないとな~)

大量のクロワッサンは、一瞬で無くなってしまった。
今は、食後の紅茶をソニアが入れてくれ、皆で飲んでいる。
紅茶もミラ達は飲んだことが無く、ソニアが甘めにして子供でも飲みやすくしてくれている。

(バスケットにどれだけ入っていたのだろう・・細かい説明して無いのに・・ザック達読み過ぎよ!!)
マイは準備をしていた王宮料理人達に驚愕する。
スラム地区に来ることは伝えていない、出かけ先に子供が居る事は言っていたのだが、人数等は分からなかったので任せていた。

皆が丁度よくお腹が膨れるように、美味しかったと思えるように配慮されている事が伝わる。
(わたし位しか気付かない配慮を・・ザックにくいことするわね♪)


そして一息つきマイ達は教会を出る事に、時刻は15時を過ぎた辺りだ。
「ミラ様長居してすみません。
お話を聴いて頂き、そして協力をすると言って頂き感謝しています」
マイが入口前で挨拶をする。

「マイ姫様!ソニア達の様に接して下さい!ここはマイ姫様の味方しかいません・・是非お願いします」
「わたし・・もひめ・さま?と、おともだち?に・・なりたい」

マイは少し下を向き目を閉じ黙って聞いていた。
そしてそっと目を開け満面の笑みで答える。
「よろしくね♪みんなありがとう♪これからはお友達ね!みんなのお名前教えてほしいなぁ~」

教会内では子供達は、委縮してしまって話していなかったのだ。
食事には燃えていたが・・・


「わたしは、ヒル・・マ、た・ぶん、10さい?」
獣人の女の子が答える。

(獣人の子は成長早いのね!もう胸の膨らみも・・しっぽ触ってみたかった・・)
マイは自分の胸を触る。
絶壁だった・・
まだ5歳なので、そこは気にする事は無いのだが、マイの精神年齢が高い為しょうがないのかもしれない。

「僕はデンです!12歳です!」
顔を赤くした男の子が教えてくれる。
少しひょろっとしていて、童顔で髪が茶色く日本人にはモテそうな感じである。

(こっちが12歳かい!!ここの世界はイケメン?多いのかな?あまり気にした事無いからいいか!でも何で恥ずかしがってるのかな?)

マイの笑顔にやられているデンにマイは気付く訳がない。

鼻たれわんぱく坊主の様な赤毛の男の子が出てくる。
「俺はダッチ!6歳!お前かわいいな!」

バシ!!

「イタ!!!」

「すみません!!ダッチは悪気があって言っている訳では!!」
一人の少年がダッチの頭を殴る。

「いえいえ!気にしないで!歳も近いですし、しょうがないですヨ♪」
マイが焦ってフォローする。
それは何故か、後ろから何とも言えない圧が・・
(セイドとソニア子供相手に大人げないわよ!でも我慢してるだけいいか・・前だったらもっと焦ったかも)

「あなたのお名前聞いても?」
知的そうな顔立ち、薄い青髪で片目を隠したの男の子にマイは急ぎ話を逸らす。

急に男の子はひざまず
「私はロンと言います。
歳は8になります。
こんなへんぴな所に来て頂き、そしてお仕事を頂き、感謝しかありません。
このご恩は、この身で・・」

「まってまって!まだ何もしてないから!」

(うは・・この子固いよ・・騎士に憧れてるのかな?)

後ろからはウンウンと好印象の気配がただよう。

(後ろの人たち保護者感強くなってきたな~)
信者化している事には全く気付かない。

一人のおかっぱの女の子がモジモジして前に出てきてペコっと頭を下げミラの後ろにすぐ隠れる。

「すみませんマイ姫様、この子はチナと言います。
実は、この子は声を出せないのです。
両親が目の前で凶暴な動物に襲われて亡くなってしまったって。
その時のショックで・・」

マイはミラの言葉を聞きチナに近づき、そっと両手を出す。

「チナちゃんわたしの手を握ってくれる?」

チナはミラの後ろからコソっと出て来てマイの両手の上に手を乗せる。

マイが目を閉じ精神力をチナに流す。
マイが行っているのはチナの精神力と同調させ触れリラックスさせる。
そして精神的に傷ついた心を和らげていく。
(わたしたちは味方よ、そして、チナちゃんの御両親は天国できっとチナちゃんを見守っているわ)
マイの気持ちが伝わるように、精神力をゆっくり流す。
そしてチナの喉の筋肉を動かす事が出来る様に刺激させる。

チナは目を閉じ・・

「あった・・か・い・・お・おと・・うさ・ん、おか・・あ・・さん・・」

チナは涙を流しながら声を発する。
ミラと子供達は衝撃を受ける。
チナの声を聴いたことが無いからである。

「チナ・・あなた声が・・」
ミラは涙ぐみながらチナに近づき目の高さまでかごむ。

「え?」
チナがマイの手から口に手を運ぶ。

「わたししゃべれてる?」
「ええ・・」

ミラがチナに抱き寄せ涙を流す。
チナもそれに呼応こおうして抱き着き泣く。
子供達も皆涙を流して喜んでいる。

「チナちゃんあまり急いでは、喋らないでね。
今は喉の筋肉が急に動いてる状態なの、疲れるからね」

チナはミラの腕の中からコクっとうなづく。

この世界の回復魔法は、切れた腕を生やしたり治したりする事は出来ない。
あくまで自己治癒力を高めるよう精神力で細胞を刺激し活性化させる。
なので急激に傷を回復させると激痛を伴う。
マイはその痛みもある程度抑える方法を知っているがまだ人体で試していない。
今回はあくまで筋肉に刺激を与えただけなので痛みは無い。

「よし!これでここに来た甲斐が有ったね♪」
マイは振り返りはにかみ笑顔でソニアとセイドを見る。

『はい!!姫さまは最高です!!』

二人はハモる。
マイはふふふと笑い子供達の方を向く。

「みんなのお名前も聞けたし、これからはお友達ね♪」
マイが手を後ろに組み、笑顔と上目使いで宣言する。

ドキューン!!

子供達は全員心を撃ち抜かれた様に感じ、赤面でたじろぐ。

「じゃあ、お城に戻りましょ!」
マイがソニアに抱っこのポーズをする。

「え!!」
ソニアは鼻血が出そうになるのを堪える。

「行はセイドだったけど、帰りはソニアがいいなぁ・・」

「はい!!この身に代えましてお守り致します!」
ソニアが興奮しながらマイを抱っこする。

セイドはバスケットを持たされがっかりしていた。

「またね~みんな~!」
マイが孤児院の面々に手を振る。
子供達もここぞとばかりに手を振る。
 
『ありがとう!!また遊びに来て下さ~い!』

夕日が沈み始めた空をバックにほくほくマイとるんるんソニア、とぼとぼセイドは孤児院を後にした。


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