2nd Life

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第1章 幼少期

22話 姫視察を終えて

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 [コルラド王国城 城門前]

三人は無事城に戻ってくる。

ソニアは何故か顔がほくほくしていた。
ずっとマイを抱っこしていただけなのだが・・

城門の衛兵が敬礼しながらお出迎え。
『マイ姫様お帰りなさいませ!!』

「ただいま!」
マイがソニアの腕の中から挨拶する。

衛兵達はいつもの通りメロメロだ・・

「マイ姫様、私はここで、隊舎たいしゃの方に戻ります。
荷物の整理をしないと・・それとマイ姫様が考えてるすばらしい事業計画も整理させてほしいのです。
明日からソニアの隣に移りますので・・」

『え!!セイド移るの!?』

マイとソニアがビックリしている。

「是非!!朝食後の準備の時にすでに異動願いを出しましたから、許可されるかは分かりませんが、
マイ姫様の左手として働きたいのです。
もし叶わないとしたら・・この身を・・」

セイドは急振り向き膝を着く、そして胸の中から短剣を取り出す。

「ちょっと!止めなさい!分かったから!セイドをわたしの側近として取り立てるから!」

「はは!!」

セイドは短剣を置き臣下の礼を取る。

ソニアはやれやれと言う表情でセイドを見ているが、幼馴染と一緒に大好きなマイに仕える事が心なしか嬉しそうに見える。

「でもパパに聞いてからだからね!パパ達が帰って来たらお願いしてみるから、それまではソニアの隣の部屋使っていいよ、一応わたしからも隊長さんに聞いてみるから、それから引っ越ししよ?ね?」

「善処します」

(いやいや!なんでわたしが気を使ってるのよ!!)
マイが何とも言えない表情でいる。

「一つお願いが有るのですがいいでしょうか?」

「うん、ここで話せる事なら・・」
(なんか怖いのよねセイド・・目がマジだし・・)

「マイ姫様はどこまで目指すのでしょうか?
できるのであればこの世界に平和を皆に平和を・・是非そのお手伝いを・・」

(重!!セイドそれは少し荷が!!)

キュっとマイが締め付けられる。

(うん?ソニア?)
マイが恐る恐るソニアを見る。

キラキラした顔でマイを見ながらウンウンと頷いている。

(あー、こっちもか・・)

実は衛兵すらすごい事を聞いていると思い、にこにこしながらもうんうんと頷いている。

「あい、無理しない程度にがんばるね・・」

『はい!!』
ソニア・セイド・衛兵達が盛大に答える。

そして、ソニアとマイは城に入っていく。

(ここってパパの国だよね?頼むならパパだと思うんだけど・・)
マイが一人考え込みながら気付くと部屋の前までソニアに抱っこされ連れて来てもらっていた。

「ソニア、一緒にお風呂入ろ?顔汚しちゃったし」

「はい!!ご褒美です!」

(前までは滅相もみたいな流れだったのに・・最近はめちゃくちゃ喜んでくれるから、私は嬉しいんだけど・・)


コルラドの王城には、お風呂が2つある。
1つ目は王族用、マイが2歳にお風呂と言う物が欲しいとコルラド王に絵を書きおねだりしてから作られた。
大きさはちょっとオーバーサイズになり職人が全力で装飾をし、豪華絢爛になったのは言うまでもない。
2つ目は、マイが王城で働いている人達用にとアイナに頼み作られている。
大きさは2つ目の方が大きく男女に分かれている。
基本ソニアと入る場合はマイが従者用の方に行くのだが、一角だけマイ専用の脱衣場と洗い場が設けられている。
これは配慮と言うか勝手にソニアとマイ信者達が作ってしまっている。

二人はゆっくり湯船に浸かる、夕方の時間は夜のお勤めと昼のお勤めの交代と重なり女性のほうが多い。
マイが来ると分かるとみんな孫を扱うようにちやほやする。
若い女性は、自分の子供のように。

これが従者用お風呂の風物詩だ。


マイのお風呂大作戦は閑話かんわで話します。


「姫さま、例の宝石をどう売るのですか?」
ソニアが率直そっちょくに聞く。
「え~と、まずは事業所を立ち上げるんだけど、何か特別な申請とか要らないみたいだからセイドにやって貰おうかなと、わたしだと何かと問題が起きそうだしね、5歳だとまずいでしょう?」

「歳では無く、姫さまが表に出るのが問題ですから」

「まあ、わたしは気にして無いんだけどな~」
マイが湯船の中で腕組している。
その行動を見て皆ほのぼのしている。

「そうね、セイドにまず工房と契約させて普通の家庭でも気軽に料理出来る様にするのが近々きんきんの目標かな、ユリウスに聞いたらこの王都でも台所が有る家庭はまだ少ないって聞いたから、数家族で共有して料理をする事が多いって、陣で作成した物は大きくて高額だもん」

現在王城や貴族達の家にある厨房や台所は大きい為、陣を装飾した機器が置けるのだ。
しかも、出回っている機器は金貨50枚からと高額である。

精霊が好む陣の作成は、技師も少なく精霊によって装飾材料が変わる為高額になるのだ。

しかしマイが作った玉を使うと溜めた物を放出する為、小さく低コストで作れる。
ただマイの事業が普及すると、陣技師達の仕事が減るので陣には陣の良さを最大限活かせる様に研究は一年ほどしたのである。
精霊達に協力してもらう形にすると高火力、低火力の調整や冷やす能力向上等メリットもあるのだ。
これで、お互いの市場を犯す事無く販売できる。

「まずは王都に普及させながら他の領地まで行き渡ればいいかな~販売価格は金貨15枚程で売りたいのよ・・市場の半額なら大分手の届く範囲かな?もっと大量に作れるようになったら金額を下げていくつもりよ」

ソニアはキラキラした目でマイを見ながらブンブンと首を振っている。
何故か他の女性陣も興味深々でマイの近くで聞いていた。

(みんなどうした?ここに居る人は結構身分の高い方達だった様な?お給金足りなのかしら?)

何故みんな興味深々かと言うと、大きい台所はちょっと使いずらかったり、自分の家に設置できるか検討しているのだ。

「まず手始めに皆に使って貰う?試作だけど・・」

『是非!!マイ姫様!!!』

女性用風呂が一気に沸き立つ。

男性用風呂ではビックリした声が聞こえる。

(お風呂場で騒いではいけません皆さん・・)

と思いつつも騒ぐ女性陣の力に圧倒されるマイであった。

やっとの思いで脱出しソニアがテキパキとマイを乾かし着替えさせ食堂にマイと向かう。

「ソニア今日は一日ずっと一緒だったね~楽しかった~」

「はい!私はご褒美だらけでした・・」

二人は話しながら、笑いながら一日を過ごすのだった。


食事も美味しく頂きそしてレウスと寝るまでマイは今日一日楽しかったーと思いながら眠りにつくのであった。

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