2nd Life

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第1章 幼少期

25話 姫6歳の御披露目会の奇跡(後編)

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 [コルラド王国城 謁見室]

そして、国民への御披露目会が大盛況で終わり舞台は謁見室に移り変わる。

先程まで屋上に上がっていた貴族達、来賓の方達やゼム王とイオ王妃も降りてくる。


屋上では各侍女じじょ達が王城から配られていた軽食とお酒(料理内容はマイが指示を出し作ってもらった物)を優雅に楽しんだ後ここに来ている。

何故か、それはマイがただ恥ずかしくない様に、皆に気持ちよくなって聞き流してほしいと言う浅はかな考えだったのだが・・・

「「なんて丁度いい軽食とお酒だったのだ!!」」
「「そうでしたな~味も最高であって~お酒との相性抜群であった!」」
「「そしてマイ姫様の挨拶と守護龍の魔法は、本様に素晴らしいかったですな!」」
「「わたしも心が震えましたよ!」」

貴族達がマイの挨拶と軽食のおもてなしを話題に話していると・・


「がははは!あれはマイが作ったものじゃ!あの子の料理は最高なのだ!!」
「うんうん、私の孫は最高に可愛くて知的だしたまらんの~!」

貴族達の会話にゼムとイオも参戦する。

「「さすがマイ姫様だ!この後の挨拶も素晴らしいものになるのでしょうな!」」

「当然である!!」
「当然だわ!!」
ゼムとイオは即答している。

(おじいちゃん、おばあちゃん・・ハードル上がってるんですけど・・・作戦ミスね)
マイは扉の外まで聞こえるゼム達の声にガッカリしていた。


そしてマイが周りを見渡すと・・・
キラキラとした目で見ているコルラド王達である。

(あ~これは逃げれないな~!!)


ついに貴族達へのお披露目の時間となる。

謁見室に音楽隊の演奏が響き渡りコルラド王国の国歌がゆっくりとかなでられている。

そして扉が開かれマイが先頭を闊歩かっぽする、通常は王から入場か同時が支流なのだが・・・
その中でマイが歌いだす。

その美しく優雅ゆうがな歌声が謁見室に響き渡り、すべての王族・貴族達がマイの歌声に酔いしれる。
これもマイの演出である。

基本国歌を歌う歌い手が呼ばれるのはほとんど無い、呼ばれるのは国同士の特別な行事や国を挙げての行事以外ではあり得ないのだが、マイが自主的に練習しお披露目できるレベル?(マイが納得できるレベル)までっていった。
マイは前世の小学生の時から亡くなる前まで何度も歌唱かしょう美貌びぼうでスカウトされるぐらいだったのだが、本人は無自覚であった為すべて断っていた。


自国の国歌を6歳の姫が貴族達に挟まれレッドカーペットを優雅に歌いながら玉座ぎょくざに向かうその姿に皆天使だと心酔しんすいしきっている。

マイのドレスは白に変更され真っ白のレースをまとっているまさに天使と見間違う出で立ちなのである。
これはマイの演出計画を相談されたアイナとソニアそしてライムが用意した特別なドレスであった。


そして、国歌の最後のフレーズでマイが玉座の前に着き振り返る。
そのタイミングで音楽も止まる。
すると一斉に貴族達が臣下の礼を取ったのだ。

マイの邪魔にならない様に付いてきていたコルラド王とアイナが玉座に座る。
そしてコルラド王が口を開く。
「皆の者!表を上げよ!」

貴族達は、そこでハッとする。
通常は王が玉座に座る時に臣下の礼を取るのだがマイが玉座の前に立っただけで礼を取ってしまったことに皆が気付いた。

貴族達が臣下の礼を解くとコルラド王がマイにそっとどうぞと手でうながす。

マイが貴族達を一斉見渡し、そしてお披露目の挨拶が始まる。


「わたしはコルラド・セイ・マイ本日を持ちまして皆様に挨拶できる事を心より感謝申し上げます」

たった6歳になった少女が綺麗なカーテシーをし冒頭ぼうとうで感謝を表現する。
それは誰も聞いたこともない挨拶の始まりである。

((やはり天使?聖女のようだ!!!))

ほとんどの貴族達がそう思ったと後に語っている。
残りの貴族達は次期コルラド王国をべるのはマイ姫様になると認識した。
それはいい意味でも悪い意味でもであったと。


マイのゆったりとした口調で挨拶が続く。
「いつもこの国と国民を守護して頂き本当にありがとうございます。
そしてこれからも守護して頂ける事を感謝しない日が無い程です。
まだわたしは幼く皆様に教えて頂いたり、助けられていますが、この先皆様をお手伝いできるよう精進しょうじんしていきます。
この国をより良くして行ける事を心から願っています・・・
皆様も同じ気持ちだと信じています」


マイがまたカテーシーをして貴族・来賓の方に挨拶をする。

すると拍手が起こる。
謁見室で王族に拍手をすること等、礼節をを軽視した行動なのだが、皆気付かない内に拍手をしていた。
実は最初に拍手を始めたのはコルラド王達とゼム王達、そしてユリウスである。

コルラド王達とゼム王達はマイの成長に感動して純粋に拍手をし、ユリウスは自分の教え子マイの挨拶の中に聡明そうめいさを見た為だ。

短い挨拶の中に駆け引きとくさびがふんだんに入っていることに気付く者、純粋に受け入れる者様々な考察が渦巻く御披露目会となった。


続いてコルラド王が玉座から立ち上がりマイの前に出てくる。
するとマイはアイナの席の隣の席に移動しチョコンと腰を下ろす。
「マイとても素敵なご挨拶でしたね~」
アイナがコソっとマイを褒める。
マイは深呼吸をして緊張を解きテヘっと満面の笑みでアイナに甘えた。
これを貴族達や来賓の方も皆目で追っていた。
王が皆の前に立っているのに気になってしまうのだ。


「うっほん!」
コルラド王が咳ばらいをする。

皆我に返り王を見た。
コルラド王はアイナの方を見ていいな~と親指でも噛みそうなしぐさだ。

((いや!私達にではなくマイ姫にしたんかい!!!))

貴族達は盛大に心の中で突っ込んでいた。
マイがコルラド王の視線に気付き口パクで伝える。

(パパがんばってね~)

マイにとっても父の仕事姿を見る事は少なく楽しみにしていた。

コルラド王は燃えた事は言うまでもない・・

そしてマイの貴族達への御披露目会もつつがなく終わったのであった。


この後、舞踏会も開かれるのだがマイは参加しない。
コルラド王とアイナは参加したのだが、マイの噂で持ち切りであった。

ソニアとセイドが舞踏会のメイド・黒服として潜り込んで自己的に情報を集めていた。

その情報の中でマイの褒める内容では喜び、自分の子供をマイの婚約相手として画策かくさくする者には冷たい視線と名前の確認をしていき、そして政治に巻き込もうとする者には弱みを握る為に調査する事を計画に盛り込む。

二人はあくまでマイを守る為に行動している。


のちにこの計画がマイに必要となるのは、言うまでも無い。


「マイさまの気持ちを大切にしない人は生かし置く必要あるのかしら」
「マイ様に迷惑を掛ける奴は万死ばんしあたいします」


マイの信仰従者達はマイ以外の事となるとサイコパスになれるのであった。

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