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*三 名をもらう
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「いいえ、わたしは反対ですよ、ご主人様」
暗い凍える冬の海で男に抱きあげられた坊は、気が付けば辺り一面が薄っすらと青くゆらゆらと揺れる、不思議な場所に連れてこられていた。
そこは朱塗りの大きな木の観音開きの扉がそびえたち、ぐるりと白磁色の漆喰の高い壁で扉の向こうの建物が囲まれている場所だった。
中は、坊がいままで見たどの家々よりも大きく広い、頑丈そうな造りの建物で、窓には透明な玻璃が、見事な細工を施されてはめ込まれている。
しかしそこで待ち構えていた、明るい黄金色の髪を後ろで一本にまとめ、色白の真ん丸で少し小柄な体格の若い男が、男から連れられてきた坊を見るなり、そう言い放ったのだ。
『面倒なら儂がみる。ムツに迷惑はかけぬ』
「そんな野良の蛸や烏賊と同じように言わないでください! この子、人間の子でしょう?」
ムツ、と呼ばれたその黄色い髪の若い男は、彼が主人と呼んだ大柄な男に、呆れたように溜め息交じりに問い、更にこう続ける。
「人間の子は、特別な術をかけ続けないとこの海底の竜宮では生きていけないんですよ? そして、人間でなくならせなくてはいけない。海の神・渡津海であるご主人様がそれを知らないわけではないですよね?」
『……無論だ』
「だったらなおさらですよ。この子、どう見たって赤ん坊に毛が生えたようなもんじゃないですか! そんな子にあんなことなさるんですか? それに、この子にだって親が……」
ムツから親がいるだろう、と坊の方を指して言われ、坊がびくりと体を震わせる。その言葉が出てくると、村の大人たちはいつも渋い顔をし、そして自分を殴ろうとしてきたからだ。
ここでも、自分はやはりこの大人たちに殴ったり蹴られたり、化け物と呼ばれるのだろうか? 親がいないとわかれば、一層ひどいことをされるのだろうか? たった四~五年の短い人生の間に蓄積して染みついた恐怖に、坊は渡津海というらしい、自分をここに連れてきた男の足にしがみついて震える。
「……ごめ、なさ……ごめん、なさい……」
「え? どうしたの? 震えて……」
蒼ざめて震えだした坊に頭に触れようと差し出されたムツの手のひらに、坊はびくりと大きく体を震わせ、悲鳴を上げて駆けだす。出口を捜そうにも、気が昂っているのか冷静さに欠き、連れてこられた広間のような場所をぐるぐると駆けまわるばかりだ。
『待たぬか! どこへ行く!』
「こら! 待ちなさい!」
ムツと渡津海が二手に分かれて坊を追いかけてくる。その様が村での折檻の始まりを彷彿とさせ、坊の呼吸が逸り、乱れていく。
やがて部屋の一角の隅に行き着き、渡津海とムツが追い付いた。隅に追いやられるような格好となり、坊は絶望的な思いで立ちふさがる二人を見上げる。
(――こわい。このひとたちは、オレを、ぶったりけったりするの? だから、ここにつれてきたの?)
蘇る漁村での日々に、坊は脚が震え、動けなくなって蹲る。「ごめんなさい、ごめんなさい」そう、うわ言のように呟きながら。
「ごめ……ごめんなさい……もう、ごはんとらない……ごめんなさい……ぶたないでぇ……」
坊のその姿にムツは何かを察したのか、差し出した手を引っ込め、渡津海が代わりに屈みこんで歩み寄り、坊の震える肩を抱き、背を撫でてくる。手つきはこわごわとしているが、決して坊に害を加える悪意はないのはわかる。
『ムツ、頼む。この通り、こやつをここ以外の場所に置くわけにはいかぬのだ』
「……でも、ご主人様……」
『海の神の務めは滞りなく行う。こやつの世話なら儂がする』
頼む、と海の神自ら頭を下げられ、ムツは困惑して閉口してしまったらしく、唇を尖らせて考え込んだのち、溜め息交じりにこう返した。
「……わかりました。渡津海様に頭まで下げられて、ダメだとは言えませんもの」
『すまぬ、ムツ』
不承不承という感じではあるが、いますぐに出て行けと追い出されるわけではないと察した坊が、そっと二人の顔を窺っていると、渡津海が背に触れていた手で頭を撫でながら微笑みかけてくる。普段笑い慣れていないと思われる者特有のぎこちなさがあるそれだったが、内に秘められた坊への慈しみに偽りはないように思われた。
「じゃあ、早速湯あみをいたしましょうか。ちょっとあまりに汚い格好ですからね、この子」
『うむ。では儂がやろう』
「え、できます?」
『大事ない。湯だけ張っておいてくれ』
ムツは渡津海からそう命じられ、バタバタと転がるように部屋を出て行く。
二人きりになった坊と渡津海は、その姿を見送りながら、やがて渡津海が坊の顔を覗き込みながら訊ねてきた。
『お前、名は何という?』
「……なまえ?」
耳慣れない言葉に坊が首をかしげていると、渡津海がいぶかしむように眉間にしわを寄せる。
『儂は渡津海と言い、あのさっきの黄色い頭の丸いやつはムツだ。お前にも呼ばれていた名前があるだろう?』
「んーん……ない」
『親がつけてくれた名は?』
「おや、ってなあに? オレね、みんな、ボウ、ってよんでた。それ、なまえ?」
いつも村で吐き捨てられるように呼ばれていた言葉を答えると、渡津海の目が見開かれ、言葉を失ったように黙り込んでしまった。
まるで怒っているかのように見える渡津海の表情に、坊は思わず目を伏せ、「……ごめんなさい」と、小さく呟く。その睫毛の先は、やはり恐怖で震えている。
すると、渡津海は慌てて取り繕うように、『謝ることはない』と、告げてくる。
俯いていた顔を恐る恐る坊があげると、あの海で見た時のように、渡津海の金色の目が薄っすらと濡れていた。
『それは、名前ではない。お前には……名も与えられていなかったのか……』
親がいないのだから、名前もないのも、考えてみれば合点がいくのだが、その当たり前にすら坊は気付けないほど自身のことを知らなかった。ひとりで祠の傍で寝起きし、残飯を漁ってどうにか生きながらえてきた小さな命は、名前もないまま渡津海の腕の中で震えている。
『ならば、儂が名を与えてやろう』
渡津海がそう言いながら、坊の泣き濡れた垢だらけの頬を撫でる。そっと長い髪をかき上げれば、黒い深い闇のような美しい色の愛らしい眼が覗く。あんなに悲惨な生活をしていながら、その瞳に曇りも穢れもない。まるで美しい一枚の玻璃のようだ。
『――海璃。海璃、と名付ける』
「かいり? オレ、かいりなの?」
『そうだ。いまこの時から、お前は海璃だ』
坊――海璃は、初めて誰かに何かを与えられた。それも、神様から賜った名前だったが、その事の大きさを海璃は理解できていない。それでも、吐き捨てられるように、坊と呼ばれるよりうんと胸の中があたたかくなり心地よかった。
だからなのか、海璃は渡津海の方をおずおずと上目遣いで見上げ、呟くようにねだる。
「もいっかい、かいり、ってよんで」
『海璃』
「もっかい!」
『海璃、海璃』
呼ばれるたびに、カラカラに干からびていた体内に甘い水が沁みわたっていくような気がする。それはとても心地よくやさしく、蕩けるような甘露だ。
その甘さに海璃が小さく口許を緩めていると、渡津海もまた小さく口許をほどかせる。浅黒い鱗のような肌の、屈強とも言える渡津海の体に添えられる微笑みはささやかだが、海璃の心許なさを解すには充分と言えた。
「ご主人様ぁ! 湯あみの準備が整いましたよぉ! ……あら、なんだか嬉しそうですね」
何かありましたか? と、湯あみの準備をしていたムツに、広間に戻って来るなりそう言われ、渡津海は少しバツが悪そうに顔を背ける。
「どうかされました?」
『……なんでもない。それより、海璃に湯あみをさせてくる。着替えを用意しておいてくれ』
「はい、かしこまりました。……あ、海璃っていう名前なんですね、この子」
『儂が名付けた。名もなかったらしい』
「そんな……」
『海璃は、儂が育てる』
渡津海の言葉に、ムツが目を見張り、海璃の方を見下ろしてくる。その眼には、先程までの面倒ごとを拒むような邪険さはない。むしろ、慈しむような優しさがにじんでいる。
そうしてムツは海璃の傍に膝をつき、そっと小さな頭を撫でながらこうやさしく囁いた。
「これまでの非礼、お許しください。海璃様、と、これからはお呼びいたしますね。わたくしめは、ムツ、と申します。渡津海様のお世話をさせて頂いております」
「……ムツ?」
「はい。困ったことがあったら、何でも言って下さいね」
ムツの言葉に海璃がこくりとうなずくと、ムツはホッと安堵したように息を吐き、立ち上がって渡津海に湯あみの説明を始める。その間もずっと、渡津海は海璃の小さな肩を抱くようにしていた。その大きな手のあたたかさが心地よく、海璃はそっとそれに頬を寄せてみる。
初めて感じるほっと息をつける安堵感は、先程名前を呼ばれた時のように、ささやかでやさしい甘い味がする気がした。
改めて見上げた目の前の二人と、これからここでどうしていくのか、海璃には皆目見当もつかない。それでも、村にいた時より少しばかりは良いような気だけはしていた。
暗い凍える冬の海で男に抱きあげられた坊は、気が付けば辺り一面が薄っすらと青くゆらゆらと揺れる、不思議な場所に連れてこられていた。
そこは朱塗りの大きな木の観音開きの扉がそびえたち、ぐるりと白磁色の漆喰の高い壁で扉の向こうの建物が囲まれている場所だった。
中は、坊がいままで見たどの家々よりも大きく広い、頑丈そうな造りの建物で、窓には透明な玻璃が、見事な細工を施されてはめ込まれている。
しかしそこで待ち構えていた、明るい黄金色の髪を後ろで一本にまとめ、色白の真ん丸で少し小柄な体格の若い男が、男から連れられてきた坊を見るなり、そう言い放ったのだ。
『面倒なら儂がみる。ムツに迷惑はかけぬ』
「そんな野良の蛸や烏賊と同じように言わないでください! この子、人間の子でしょう?」
ムツ、と呼ばれたその黄色い髪の若い男は、彼が主人と呼んだ大柄な男に、呆れたように溜め息交じりに問い、更にこう続ける。
「人間の子は、特別な術をかけ続けないとこの海底の竜宮では生きていけないんですよ? そして、人間でなくならせなくてはいけない。海の神・渡津海であるご主人様がそれを知らないわけではないですよね?」
『……無論だ』
「だったらなおさらですよ。この子、どう見たって赤ん坊に毛が生えたようなもんじゃないですか! そんな子にあんなことなさるんですか? それに、この子にだって親が……」
ムツから親がいるだろう、と坊の方を指して言われ、坊がびくりと体を震わせる。その言葉が出てくると、村の大人たちはいつも渋い顔をし、そして自分を殴ろうとしてきたからだ。
ここでも、自分はやはりこの大人たちに殴ったり蹴られたり、化け物と呼ばれるのだろうか? 親がいないとわかれば、一層ひどいことをされるのだろうか? たった四~五年の短い人生の間に蓄積して染みついた恐怖に、坊は渡津海というらしい、自分をここに連れてきた男の足にしがみついて震える。
「……ごめ、なさ……ごめん、なさい……」
「え? どうしたの? 震えて……」
蒼ざめて震えだした坊に頭に触れようと差し出されたムツの手のひらに、坊はびくりと大きく体を震わせ、悲鳴を上げて駆けだす。出口を捜そうにも、気が昂っているのか冷静さに欠き、連れてこられた広間のような場所をぐるぐると駆けまわるばかりだ。
『待たぬか! どこへ行く!』
「こら! 待ちなさい!」
ムツと渡津海が二手に分かれて坊を追いかけてくる。その様が村での折檻の始まりを彷彿とさせ、坊の呼吸が逸り、乱れていく。
やがて部屋の一角の隅に行き着き、渡津海とムツが追い付いた。隅に追いやられるような格好となり、坊は絶望的な思いで立ちふさがる二人を見上げる。
(――こわい。このひとたちは、オレを、ぶったりけったりするの? だから、ここにつれてきたの?)
蘇る漁村での日々に、坊は脚が震え、動けなくなって蹲る。「ごめんなさい、ごめんなさい」そう、うわ言のように呟きながら。
「ごめ……ごめんなさい……もう、ごはんとらない……ごめんなさい……ぶたないでぇ……」
坊のその姿にムツは何かを察したのか、差し出した手を引っ込め、渡津海が代わりに屈みこんで歩み寄り、坊の震える肩を抱き、背を撫でてくる。手つきはこわごわとしているが、決して坊に害を加える悪意はないのはわかる。
『ムツ、頼む。この通り、こやつをここ以外の場所に置くわけにはいかぬのだ』
「……でも、ご主人様……」
『海の神の務めは滞りなく行う。こやつの世話なら儂がする』
頼む、と海の神自ら頭を下げられ、ムツは困惑して閉口してしまったらしく、唇を尖らせて考え込んだのち、溜め息交じりにこう返した。
「……わかりました。渡津海様に頭まで下げられて、ダメだとは言えませんもの」
『すまぬ、ムツ』
不承不承という感じではあるが、いますぐに出て行けと追い出されるわけではないと察した坊が、そっと二人の顔を窺っていると、渡津海が背に触れていた手で頭を撫でながら微笑みかけてくる。普段笑い慣れていないと思われる者特有のぎこちなさがあるそれだったが、内に秘められた坊への慈しみに偽りはないように思われた。
「じゃあ、早速湯あみをいたしましょうか。ちょっとあまりに汚い格好ですからね、この子」
『うむ。では儂がやろう』
「え、できます?」
『大事ない。湯だけ張っておいてくれ』
ムツは渡津海からそう命じられ、バタバタと転がるように部屋を出て行く。
二人きりになった坊と渡津海は、その姿を見送りながら、やがて渡津海が坊の顔を覗き込みながら訊ねてきた。
『お前、名は何という?』
「……なまえ?」
耳慣れない言葉に坊が首をかしげていると、渡津海がいぶかしむように眉間にしわを寄せる。
『儂は渡津海と言い、あのさっきの黄色い頭の丸いやつはムツだ。お前にも呼ばれていた名前があるだろう?』
「んーん……ない」
『親がつけてくれた名は?』
「おや、ってなあに? オレね、みんな、ボウ、ってよんでた。それ、なまえ?」
いつも村で吐き捨てられるように呼ばれていた言葉を答えると、渡津海の目が見開かれ、言葉を失ったように黙り込んでしまった。
まるで怒っているかのように見える渡津海の表情に、坊は思わず目を伏せ、「……ごめんなさい」と、小さく呟く。その睫毛の先は、やはり恐怖で震えている。
すると、渡津海は慌てて取り繕うように、『謝ることはない』と、告げてくる。
俯いていた顔を恐る恐る坊があげると、あの海で見た時のように、渡津海の金色の目が薄っすらと濡れていた。
『それは、名前ではない。お前には……名も与えられていなかったのか……』
親がいないのだから、名前もないのも、考えてみれば合点がいくのだが、その当たり前にすら坊は気付けないほど自身のことを知らなかった。ひとりで祠の傍で寝起きし、残飯を漁ってどうにか生きながらえてきた小さな命は、名前もないまま渡津海の腕の中で震えている。
『ならば、儂が名を与えてやろう』
渡津海がそう言いながら、坊の泣き濡れた垢だらけの頬を撫でる。そっと長い髪をかき上げれば、黒い深い闇のような美しい色の愛らしい眼が覗く。あんなに悲惨な生活をしていながら、その瞳に曇りも穢れもない。まるで美しい一枚の玻璃のようだ。
『――海璃。海璃、と名付ける』
「かいり? オレ、かいりなの?」
『そうだ。いまこの時から、お前は海璃だ』
坊――海璃は、初めて誰かに何かを与えられた。それも、神様から賜った名前だったが、その事の大きさを海璃は理解できていない。それでも、吐き捨てられるように、坊と呼ばれるよりうんと胸の中があたたかくなり心地よかった。
だからなのか、海璃は渡津海の方をおずおずと上目遣いで見上げ、呟くようにねだる。
「もいっかい、かいり、ってよんで」
『海璃』
「もっかい!」
『海璃、海璃』
呼ばれるたびに、カラカラに干からびていた体内に甘い水が沁みわたっていくような気がする。それはとても心地よくやさしく、蕩けるような甘露だ。
その甘さに海璃が小さく口許を緩めていると、渡津海もまた小さく口許をほどかせる。浅黒い鱗のような肌の、屈強とも言える渡津海の体に添えられる微笑みはささやかだが、海璃の心許なさを解すには充分と言えた。
「ご主人様ぁ! 湯あみの準備が整いましたよぉ! ……あら、なんだか嬉しそうですね」
何かありましたか? と、湯あみの準備をしていたムツに、広間に戻って来るなりそう言われ、渡津海は少しバツが悪そうに顔を背ける。
「どうかされました?」
『……なんでもない。それより、海璃に湯あみをさせてくる。着替えを用意しておいてくれ』
「はい、かしこまりました。……あ、海璃っていう名前なんですね、この子」
『儂が名付けた。名もなかったらしい』
「そんな……」
『海璃は、儂が育てる』
渡津海の言葉に、ムツが目を見張り、海璃の方を見下ろしてくる。その眼には、先程までの面倒ごとを拒むような邪険さはない。むしろ、慈しむような優しさがにじんでいる。
そうしてムツは海璃の傍に膝をつき、そっと小さな頭を撫でながらこうやさしく囁いた。
「これまでの非礼、お許しください。海璃様、と、これからはお呼びいたしますね。わたくしめは、ムツ、と申します。渡津海様のお世話をさせて頂いております」
「……ムツ?」
「はい。困ったことがあったら、何でも言って下さいね」
ムツの言葉に海璃がこくりとうなずくと、ムツはホッと安堵したように息を吐き、立ち上がって渡津海に湯あみの説明を始める。その間もずっと、渡津海は海璃の小さな肩を抱くようにしていた。その大きな手のあたたかさが心地よく、海璃はそっとそれに頬を寄せてみる。
初めて感じるほっと息をつける安堵感は、先程名前を呼ばれた時のように、ささやかでやさしい甘い味がする気がした。
改めて見上げた目の前の二人と、これからここでどうしていくのか、海璃には皆目見当もつかない。それでも、村にいた時より少しばかりは良いような気だけはしていた。
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