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*十六 変わってしまった日の変わらない夜
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まぐわいの話を聞いた後、精通、というものを海璃がした日から、一変したのは湯あみの件だけではなかった。
毎晩寝る前、海璃はいつも渡津海に夜伽話を聞かせてもらっている。渡津海は博学なので、洋邦問わず様々な物語を知っていて、毎晩違う物語を聞かせてくれる。今宵は、砂漠の国の貧しい商人の青年が、様々な困難を乗り越えて一国の姫と結ばれる恋物語だった。
『――そうして、ふたりは結ばれた、ということだ』
幼い時分から、海璃はこの夜伽話が大好きで、もう充分に大きくなっているいまでも、毎晩欠かさず聞かせてくれとせがむし、渡津海もそれを拒まない。
話を終えると、渡津海は寝台の脇の台に置かれていた灯りを手に取り、蝋燭の火を吹き消す。それを合図にして渡津海は海璃の横たわる寝台に滑り込み、海璃が渡津海にしがみつくようにして眠りにつく。それが、暗黙の決まりになっていた。
それなのに、灯りを消しても、渡津海が滑り込んでくる気配がない。
海璃が、「渡津海?」と、暗くなった辺りを見渡して呼んだが、返ってくるのはそっと頭を撫でてくる手のひらの感触ばかり。
「寝ないの? 渡津海」
『眠るが、儂は儂の部屋へ行く』
「え……なんで? 一緒に寝ようよ」
海璃が熱を出した夜でも、些細なことで言い合いをして気まずくなった日でも、渡津海は必ず添い寝をしてくれた。一つの寝台で寄り添って眠り、朝は必ず渡津海の声で目覚める。それが海璃のすべてだった。
それなのに――海璃は、夜闇に眼が慣れてきても、目の前に渡津海の気配を感じることができないほどの衝撃を受け、呆然としている。
海璃の様子に気付いているのかいないのか、渡津海は特に何も言わず、ただ海璃の頭を撫で、やがてぽんぽんと布団を口許まで引き上げて立ち上がる。
『また明日だ、海璃。よく眠るのだぞ』
そんなこと、出来ない! そう、海璃は跳ね起きて寝台を飛び降り、渡津海の背に縋りつきたかった。置いていかないで、と訴えたかった。二人は同じ屋敷の、そう遠くない隣り合った部屋で眠るだけなのに、まるでこの世の果てと果てに置かれてしまうような気分がしたのだ。
でも、ともう一方で海璃は考える。海璃は、大人になろうとしている、と渡津海は言っていた。ならば、こうされるのは、大人になった証しだと言うのだろうか、とも。
(それとも……俺が書庫であんなことして、白いので汚しちゃったから、怒ってるのかな……)
本当のところはどうなのだろうか、と確かめたい意味もあって、やはり身を起こそうかどうか迷ったのだが、そうしているうちに渡津海は海璃の部屋を出て行ってしまい、海璃はひとりで寝台に眠る羽目になってしまった。
寝台にひとりきり――こんなこと、竜宮に来てから初めてだ。寝台は渡津海がいないととても広く、あまりに静かだ。
寂しい、と海璃は思った。寂しくて、心細い、と。だけれど、これが大人になること、であるなら……成熟ということになるのなら、我慢するほうがいいのかもしれない。
海璃ぎゅっと枕の端を握りしめ、目と硬くつぶる。怖くない寂しくない……大丈夫……呪文のように唱えながら眠りに就こうとしていたが、結局、何時間経っても海璃は眠りの淵に立つことすらできなかった。
竜宮には、水で動くからくり時計がある。漏刻と呼ばれるそれは、寝殿の中央の広間にあり、階段状に置かれた箱に挿し込まれた細い筒から絶え間なく水が流れ、正確に時を刻んでいる。時刻を知らせる屋の先につけられた鈴が、小さく震えて音がする。
その音が、今夜はやけに耳につき、海璃は寝台の上で何度も寝返りを打つ。
(……いま、何時だろう……まだ暗いから、夜かな……)
渡津海が出て行ってから、どれくらい経っただろうか。海璃に眠気が訪れる気配はなく、目は冴え冴えとしている。どうしても、海璃は渡津海が一緒に寝てくれないのかが気になって仕方ない。大人になった証しとかではなく、あの書庫や湯殿を汚してしまうような行いのことがあるのではないかと、一層気がかりで眠れないのだ。
まだ起きていることを咎められそうだが、部屋でじっとして至って眠れずに起きていることに変わりはない。それならば、いっそ叱られる覚悟で渡津海の許を訪ねて一緒に寝て欲しいと言えばいい。なにせ、海璃としては何も理由を承知していないのだから、それくらい言う権利があるだろう。
そうと決まれば、海璃は勢いよく起き上がり、寝台を抜け出す。
そっと部屋の引き戸を開け、ムツも眠りについていることを確かめてから、部屋を抜け出す。
忍び足で広間の水時計の横を通り、いまがまだ真夜中の時分であることを知る。
そろりそろりと歩き、辿り着いた渡津海の部屋の引き戸を、そっと開けてみる。部屋の中は廊下よりも一層暗く、寝台の場所さえ見えない。
両手を前方に伸ばしながら、そろそろと部屋の奥へと入り込んでいく。普段渡津海の寝室に入ることは滅多にないのだが、暗がりでも躓くものがないことから、部屋がきれいに整頓されていることがわかる。お陰で、つま先が行き当たったところが寝台だとすぐに気付けた。
そろそろと寝台に手をつき、探るように手を滑らせて盛り上がっている布団に触れる。この先、もっと先へ行けば、渡津海に触れることができるはず――そう思いながら、文字通り手探りで寝台の上を這うようにしていると、突然、その手首をつかまれ引き寄せられた。
辿り着いた先は、熱い眠りの体温をした渡津海の胸の中だった。
『――何をしておる、海璃』
低く少し嗄れた声に、海璃はぞくりと震えそうになるほど痺れる。ただ名を呼ばれただけなのに、それがたまらなく嬉しい。
(――なんで俺、こんなに嬉しくて、ドキドキしてるんだろう……)
一瞬、惚けて忍び込んだ要件を忘れてしまいそうになったが、慌てて取り繕って口を開く。
「眠れない。渡津海がいないから、眠れない」
だから、一緒に寝たい、と訴えてみたのだが、渡津海は握りしめていた手をほどいて溜め息をついた。まるで、海璃が聞き分けのない幼子であるかのように。
『海璃、お前はもう十七だ。儂の添い寝がなくとも、ひとりで寝なくては――』
「でも、眠れないもの。寂しくて、怖い。ねえ、お願い、渡津海……」
海璃がこうしてどうしてもと言ってねだってくることは滅多にない。幼い時から聞き分けが良く、渡津海やムツの手を煩わせるような悪戯さえしたことがないし、我儘も言ったことがない。
そんな彼が、叱られるのを覚悟で部屋に忍び込み、一緒に寝たいとねだる。それだけでもう渡津海が無下にできる理由はないと思われた。
「お願い……渡津海……」
消え入りそうな声で渡津海の名を呼び、窺うような目を向けていると、渡津海は額に手を宛がい考え込み、やがて大きく息を吐いて呻くように呟く。
『まったくお前は……儂がどれほど思い悩んでいるとも知らずに……』
苦悶するような様子で言われ、海璃は申し訳なくなってうつむき、「……俺、悪い子?」と、訊ねてしまう。もしかしたら、とんでもない我儘を言ってしまったのかもしれないと気付いたからだ。
もしそうであれば、早々に部屋を出て、どんなに寂しくても心細くてもひとりで眠らなければならない。そう、海璃が腹を決めかけていた時、つかまれていた手をほどかれ、代わりに腕に抱かれていた。
久方ぶりに感じる、渡津海の熱く温かな胸の感触に、海璃は思わずほっと息を吐いて頬を寄せる。懐かしささえ感じるほど、海璃はこの場所が好きだ。
『海璃は悪い子などではない。儂に、堪え性があれば良い事だ』
「渡津海……」
暗がりにようやく目が慣れてきて、見上げた先にひっそりと困ったように微笑み渡津海の目とかち合う。やさしい眼差しに、海璃はようやく渡津海が起こっていないのだとわかり、安堵する。胸の奥がきゅっと甘く締め付けられて、切なくなる。
その甘さが表情に出ているのか、渡津海がそっと頬を撫でて呟いた。
『そのような目をするでない……決意が揺らいでしまう』
「決意?」
『お前を守ると言う決意だ。――さあ、もう寝るが良い』
「うん……渡津海、明日も、一緒に寝ていい?」
『……その方が眠れるのであれば、そうしよう』
仕方ない、と言いたげではあるが、また一緒に眠れるとわかり、海璃はホッとして渡津海にしがみつく。肌に慣れたぬくもりがゆるゆると眠りに誘ってくる。
「渡津海……好き……ずっと、一緒いる……」
とろとろとした眠りにいざなわれ、ほどけるように眠りに落ちていく海璃の神や頬を、渡津海がやさしく撫でてくれる。その感触が、何よりの入眠剤とも言えた。
海璃が眠りの淵へ飛び込んでいく最中、意識の端で囁く低く甘い声がした。
『まったく……これだから、お前には迂闊に触れられぬのだ――』
どうして? いつも口付けたり頬に触れたりしてくれるのに? 問い返したくても意識が眠りと混濁して言葉が出てこない。はくはくと口を動かしている内に、海璃はすっぽりと眠りの中に堕ちてしまった。
毎晩寝る前、海璃はいつも渡津海に夜伽話を聞かせてもらっている。渡津海は博学なので、洋邦問わず様々な物語を知っていて、毎晩違う物語を聞かせてくれる。今宵は、砂漠の国の貧しい商人の青年が、様々な困難を乗り越えて一国の姫と結ばれる恋物語だった。
『――そうして、ふたりは結ばれた、ということだ』
幼い時分から、海璃はこの夜伽話が大好きで、もう充分に大きくなっているいまでも、毎晩欠かさず聞かせてくれとせがむし、渡津海もそれを拒まない。
話を終えると、渡津海は寝台の脇の台に置かれていた灯りを手に取り、蝋燭の火を吹き消す。それを合図にして渡津海は海璃の横たわる寝台に滑り込み、海璃が渡津海にしがみつくようにして眠りにつく。それが、暗黙の決まりになっていた。
それなのに、灯りを消しても、渡津海が滑り込んでくる気配がない。
海璃が、「渡津海?」と、暗くなった辺りを見渡して呼んだが、返ってくるのはそっと頭を撫でてくる手のひらの感触ばかり。
「寝ないの? 渡津海」
『眠るが、儂は儂の部屋へ行く』
「え……なんで? 一緒に寝ようよ」
海璃が熱を出した夜でも、些細なことで言い合いをして気まずくなった日でも、渡津海は必ず添い寝をしてくれた。一つの寝台で寄り添って眠り、朝は必ず渡津海の声で目覚める。それが海璃のすべてだった。
それなのに――海璃は、夜闇に眼が慣れてきても、目の前に渡津海の気配を感じることができないほどの衝撃を受け、呆然としている。
海璃の様子に気付いているのかいないのか、渡津海は特に何も言わず、ただ海璃の頭を撫で、やがてぽんぽんと布団を口許まで引き上げて立ち上がる。
『また明日だ、海璃。よく眠るのだぞ』
そんなこと、出来ない! そう、海璃は跳ね起きて寝台を飛び降り、渡津海の背に縋りつきたかった。置いていかないで、と訴えたかった。二人は同じ屋敷の、そう遠くない隣り合った部屋で眠るだけなのに、まるでこの世の果てと果てに置かれてしまうような気分がしたのだ。
でも、ともう一方で海璃は考える。海璃は、大人になろうとしている、と渡津海は言っていた。ならば、こうされるのは、大人になった証しだと言うのだろうか、とも。
(それとも……俺が書庫であんなことして、白いので汚しちゃったから、怒ってるのかな……)
本当のところはどうなのだろうか、と確かめたい意味もあって、やはり身を起こそうかどうか迷ったのだが、そうしているうちに渡津海は海璃の部屋を出て行ってしまい、海璃はひとりで寝台に眠る羽目になってしまった。
寝台にひとりきり――こんなこと、竜宮に来てから初めてだ。寝台は渡津海がいないととても広く、あまりに静かだ。
寂しい、と海璃は思った。寂しくて、心細い、と。だけれど、これが大人になること、であるなら……成熟ということになるのなら、我慢するほうがいいのかもしれない。
海璃ぎゅっと枕の端を握りしめ、目と硬くつぶる。怖くない寂しくない……大丈夫……呪文のように唱えながら眠りに就こうとしていたが、結局、何時間経っても海璃は眠りの淵に立つことすらできなかった。
竜宮には、水で動くからくり時計がある。漏刻と呼ばれるそれは、寝殿の中央の広間にあり、階段状に置かれた箱に挿し込まれた細い筒から絶え間なく水が流れ、正確に時を刻んでいる。時刻を知らせる屋の先につけられた鈴が、小さく震えて音がする。
その音が、今夜はやけに耳につき、海璃は寝台の上で何度も寝返りを打つ。
(……いま、何時だろう……まだ暗いから、夜かな……)
渡津海が出て行ってから、どれくらい経っただろうか。海璃に眠気が訪れる気配はなく、目は冴え冴えとしている。どうしても、海璃は渡津海が一緒に寝てくれないのかが気になって仕方ない。大人になった証しとかではなく、あの書庫や湯殿を汚してしまうような行いのことがあるのではないかと、一層気がかりで眠れないのだ。
まだ起きていることを咎められそうだが、部屋でじっとして至って眠れずに起きていることに変わりはない。それならば、いっそ叱られる覚悟で渡津海の許を訪ねて一緒に寝て欲しいと言えばいい。なにせ、海璃としては何も理由を承知していないのだから、それくらい言う権利があるだろう。
そうと決まれば、海璃は勢いよく起き上がり、寝台を抜け出す。
そっと部屋の引き戸を開け、ムツも眠りについていることを確かめてから、部屋を抜け出す。
忍び足で広間の水時計の横を通り、いまがまだ真夜中の時分であることを知る。
そろりそろりと歩き、辿り着いた渡津海の部屋の引き戸を、そっと開けてみる。部屋の中は廊下よりも一層暗く、寝台の場所さえ見えない。
両手を前方に伸ばしながら、そろそろと部屋の奥へと入り込んでいく。普段渡津海の寝室に入ることは滅多にないのだが、暗がりでも躓くものがないことから、部屋がきれいに整頓されていることがわかる。お陰で、つま先が行き当たったところが寝台だとすぐに気付けた。
そろそろと寝台に手をつき、探るように手を滑らせて盛り上がっている布団に触れる。この先、もっと先へ行けば、渡津海に触れることができるはず――そう思いながら、文字通り手探りで寝台の上を這うようにしていると、突然、その手首をつかまれ引き寄せられた。
辿り着いた先は、熱い眠りの体温をした渡津海の胸の中だった。
『――何をしておる、海璃』
低く少し嗄れた声に、海璃はぞくりと震えそうになるほど痺れる。ただ名を呼ばれただけなのに、それがたまらなく嬉しい。
(――なんで俺、こんなに嬉しくて、ドキドキしてるんだろう……)
一瞬、惚けて忍び込んだ要件を忘れてしまいそうになったが、慌てて取り繕って口を開く。
「眠れない。渡津海がいないから、眠れない」
だから、一緒に寝たい、と訴えてみたのだが、渡津海は握りしめていた手をほどいて溜め息をついた。まるで、海璃が聞き分けのない幼子であるかのように。
『海璃、お前はもう十七だ。儂の添い寝がなくとも、ひとりで寝なくては――』
「でも、眠れないもの。寂しくて、怖い。ねえ、お願い、渡津海……」
海璃がこうしてどうしてもと言ってねだってくることは滅多にない。幼い時から聞き分けが良く、渡津海やムツの手を煩わせるような悪戯さえしたことがないし、我儘も言ったことがない。
そんな彼が、叱られるのを覚悟で部屋に忍び込み、一緒に寝たいとねだる。それだけでもう渡津海が無下にできる理由はないと思われた。
「お願い……渡津海……」
消え入りそうな声で渡津海の名を呼び、窺うような目を向けていると、渡津海は額に手を宛がい考え込み、やがて大きく息を吐いて呻くように呟く。
『まったくお前は……儂がどれほど思い悩んでいるとも知らずに……』
苦悶するような様子で言われ、海璃は申し訳なくなってうつむき、「……俺、悪い子?」と、訊ねてしまう。もしかしたら、とんでもない我儘を言ってしまったのかもしれないと気付いたからだ。
もしそうであれば、早々に部屋を出て、どんなに寂しくても心細くてもひとりで眠らなければならない。そう、海璃が腹を決めかけていた時、つかまれていた手をほどかれ、代わりに腕に抱かれていた。
久方ぶりに感じる、渡津海の熱く温かな胸の感触に、海璃は思わずほっと息を吐いて頬を寄せる。懐かしささえ感じるほど、海璃はこの場所が好きだ。
『海璃は悪い子などではない。儂に、堪え性があれば良い事だ』
「渡津海……」
暗がりにようやく目が慣れてきて、見上げた先にひっそりと困ったように微笑み渡津海の目とかち合う。やさしい眼差しに、海璃はようやく渡津海が起こっていないのだとわかり、安堵する。胸の奥がきゅっと甘く締め付けられて、切なくなる。
その甘さが表情に出ているのか、渡津海がそっと頬を撫でて呟いた。
『そのような目をするでない……決意が揺らいでしまう』
「決意?」
『お前を守ると言う決意だ。――さあ、もう寝るが良い』
「うん……渡津海、明日も、一緒に寝ていい?」
『……その方が眠れるのであれば、そうしよう』
仕方ない、と言いたげではあるが、また一緒に眠れるとわかり、海璃はホッとして渡津海にしがみつく。肌に慣れたぬくもりがゆるゆると眠りに誘ってくる。
「渡津海……好き……ずっと、一緒いる……」
とろとろとした眠りにいざなわれ、ほどけるように眠りに落ちていく海璃の神や頬を、渡津海がやさしく撫でてくれる。その感触が、何よりの入眠剤とも言えた。
海璃が眠りの淵へ飛び込んでいく最中、意識の端で囁く低く甘い声がした。
『まったく……これだから、お前には迂闊に触れられぬのだ――』
どうして? いつも口付けたり頬に触れたりしてくれるのに? 問い返したくても意識が眠りと混濁して言葉が出てこない。はくはくと口を動かしている内に、海璃はすっぽりと眠りの中に堕ちてしまった。
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