Forever Friends

てるる

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イノダのカシマさん3

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カシマさんは、珈琲を啜りながら、俺から
目を離さず続ける。


「小説ってさ、やっぱり描いたそのひとが
出てしまうもんだよね」


ああ、ね。

小説に限らず、およそアートと名の付くものは
すべからくそうでありましょう。
ポジでもネガでもどんな方向であっても、その人となり
というものを隠し通せるものではない。

俺のことなんかどうでもいいからさ、レモン・パイの
余韻に浸っていたまえよ、キミ。
なんなら追加で注文しようか?
おごるよ?

そんな俺の心の声など届くはずもなく。


「工藤くんの描いたものには、ね」


真直ぐこちらを見据える目は獲物を狩る
フクロウのようだ。
嗚呼、オソロシイ。
聴きたいような聴きたくないような。


「愛があふれてるよね」


ぎゃー。
やめてください、恥ずかしい!!
顔から火が出そうだ。
もう出ているかも。


「でね、ちょっと寂しいの」


俺は顔を覆った手の指の隙間から
カシマさんを見た。


「何かを失う恐れと悲しみに満ちています」


カシマさんは仔細らしく言葉を継いだ。


「そして、祈りが宿っています」


そこが、多分一番いいとこだと思う、とカシマさんは
珈琲をまた口に含んだ。


アーメン。


カシマさんに後光が差して見える。
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