せんせい、僕に描き方を教えてください

てるる

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カケル恋の指南1

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梅雨が明け、いよいよ夏の訪れを感じる今日この頃。
生徒たちは夏服に更衣した。

豆大福も白いポロシャツが爽やかだ。


「この俺のどこにチャンスがあると思う?」


「そこは、創作者の眼で視るべきでしょう」


ポロシャツがレフ板のようになって、
翔の顔がいよいよ眩しい。


「『俺の』じゃなくて、『あるフラれ青年の』と、ね」


そうね、客観性大事。


「僕が言いにくくなりますから」


お気遣い、ありがとう。
で、その「フラれ青年の」可能性とは?


「まず、彼女が独身であることが前提ですが」


俺は前のめりになりそうになるのを辛うじて
こらえ、平静を装って次の言葉を待った。


「例えば、彼女がカレシと別れて寂しいとき」


ふむふむ。
それを敢えて餌に男を釣る女も多いようだがな。
釣られる男が間抜けなんだ。


「あるいは、ふと我に返り『女の幸せ』に悩んだとき」


女子は30前後で、周りが結婚したり子どもを持ったりすると、
焦りを覚えるものらしいからな。
うちの姉たちは恐るべきマイペースでありながら、
すたこら結婚・出産してしまったけど、
彼女は、旧いタイプだから懊悩があるかもしれない。


「男とは逆に、女性は去る者日々に疎いようですが、
年齢的に先がないという自覚が生まれたら、
過去の恋人を思い出すかもしれません」


そうだよ。
男はいつまでも過去の思い出に浸りがちで。


「なんせ、心が弱っているときが、狙い目でしょうね」


なんというドン・ファン!
キミはどこからそんな知識を得てくるんだ???


「恋愛に興味がないから、です。
当事者だからといって、正しい認識ができるとは
限らないでしょう?」


「恐れ入ります」


じゃあ俺のチャンスは、彼女がフリーで、
仕事に疲れ、周りが結婚・出産ラッシュで、
自分の人生について迷いが生じたとき、
ということか。

しかし、俺はそれを知りようが、ない。
いろんな伝手をたどれば、簡単につながるんだろうけどな。
そういう時代だから。


「さらなる別の可能性として」


お、まだあるんかい。


「今現在身近なひとに目を向けること、ですかね」

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