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レイナ・アーミー
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レイナ・アーミーはプラチナブロンドの髪が特徴的な超絶美少女だ。
廊下を歩くとき、そのブランドの髪がなびくだけで、皆心を奪われてしまう。
学校内でも街中でも、彼女を見かけたものは皆、彼女を二度見してしまう。いや、二度見なんてもんじゃない。自分のしていたことを忘れて、動きを止め、彼女が視界から消え去るまで、見つめ続けてしまうのだ。
レイナは実は自分の美しさに気づいていない。
だから、なぜルドルフが自分に執着するのかも分かっていない。
レイナは生徒の視線を一心にあびながら、校舎の隅にある植物園に向かった。植物園は校舎の端ということもあって、人があまり寄り付かないので、人に聞かれたくない話をするには適している。
「ねえ、ユーリ」
「何?レイナ?また、一段と暗い顔をしているわね」
「分かる?」
ユーリはレイナの幼馴染で、レイナの愚痴をいつも聞いてくれる。
「なんだか、全体的に元気ないもんねー。まーた、あいつとのことで悩んでるんでしょう?」
あいつとはもちろん、ルドルフのことだ。
「はあーーーー」
「どうした?何があったか、このユーリ姉さんにドーンと話してごらん」
ユーリが胸を拳でドンと叩く。
レイナの方はユーリのわざとらしい仕草に突っ込む余裕もないようだ。
「私達、ついこないだ進級して最上級生になったじゃない?」
「そうだね。ありがたいことに留年しなかったからねー」
「まあ、私はユーリと違って留年するような成績ではなかったけれど…」
レイナはそこでいったん言葉を切る。
「そうよ、留年すれば良かったんだわ。そうしたら、卒業だって一年のびるんだし、あいつとの結婚だってのびたはずだわ。いや、でも待って、そうしたら私退学させられていたかしら。それで、結婚を早められていたかも…。いいえ、それでも留年なんてした落ちこぼれなんて嫁にもらいたくないはずだし、婚約破棄されたかもしれないわ」
レイナは自問自答を繰り返していく。
「おーい、ちょっといったん落ち着こうか」
ユーリが声をかけるがレイナの耳には全く届いていないようだ。
「おーいってば、レイナ」
ユーリがレイナの顔の前で手を大きく鳴らす。
それで、ようやくレイナはユーリの存在を思い出した。
「あっ、ユーリ。ごめん」
「もう、ごめんじゃないよ、ごめんじゃ。私の存在、きれいさっぱり忘れやがって」
ユーリが不貞腐れたふりをする。
「それで、まあ、あいつのことで悩んでいるみたいだけど、婚約破棄したいの?」
「そうよ、もちろん。あんな奴と結婚したら私ん人生が終わってしまうわ」
「まあ、そうだよね」
「そうなのよ。けれど、身分的に私から婚約破棄することなんて到底できないわ。だから、向こうから婚約破棄してもらうしかないの」
レイナがまくしたてる。
「確かにねー。けれど、あいつ、レイナにぞっこんだもんね」
ユーリはレイナの顔をまじまじと見つめながら言う。内心では、この美しさならわかるわーと思っていた。
「もう、他人事みたいに」
レイナは口をとがらせ言う。その顔すら可愛いとユーリはぼんやり考えていた。事実、レイナの悩みはユーリからしたら他人事なのだ。けれど、レイナがあいつのものになって傷つくのは幼馴染として、そしてレイナの一ファンとして耐えられないのだ。
「もう、このユーリ様が人肌脱いでやろうじゃないか」
レイナは顔を満開の桜のようにぱっとパッと輝かせる。この顔を見てしまうと、もうレイナのためなら、何でもしてあげようという気になってしまう。
「じゃあ、婚約をあいつから破棄してもらうということを目標にして、計画を練ろうか」
廊下を歩くとき、そのブランドの髪がなびくだけで、皆心を奪われてしまう。
学校内でも街中でも、彼女を見かけたものは皆、彼女を二度見してしまう。いや、二度見なんてもんじゃない。自分のしていたことを忘れて、動きを止め、彼女が視界から消え去るまで、見つめ続けてしまうのだ。
レイナは実は自分の美しさに気づいていない。
だから、なぜルドルフが自分に執着するのかも分かっていない。
レイナは生徒の視線を一心にあびながら、校舎の隅にある植物園に向かった。植物園は校舎の端ということもあって、人があまり寄り付かないので、人に聞かれたくない話をするには適している。
「ねえ、ユーリ」
「何?レイナ?また、一段と暗い顔をしているわね」
「分かる?」
ユーリはレイナの幼馴染で、レイナの愚痴をいつも聞いてくれる。
「なんだか、全体的に元気ないもんねー。まーた、あいつとのことで悩んでるんでしょう?」
あいつとはもちろん、ルドルフのことだ。
「はあーーーー」
「どうした?何があったか、このユーリ姉さんにドーンと話してごらん」
ユーリが胸を拳でドンと叩く。
レイナの方はユーリのわざとらしい仕草に突っ込む余裕もないようだ。
「私達、ついこないだ進級して最上級生になったじゃない?」
「そうだね。ありがたいことに留年しなかったからねー」
「まあ、私はユーリと違って留年するような成績ではなかったけれど…」
レイナはそこでいったん言葉を切る。
「そうよ、留年すれば良かったんだわ。そうしたら、卒業だって一年のびるんだし、あいつとの結婚だってのびたはずだわ。いや、でも待って、そうしたら私退学させられていたかしら。それで、結婚を早められていたかも…。いいえ、それでも留年なんてした落ちこぼれなんて嫁にもらいたくないはずだし、婚約破棄されたかもしれないわ」
レイナは自問自答を繰り返していく。
「おーい、ちょっといったん落ち着こうか」
ユーリが声をかけるがレイナの耳には全く届いていないようだ。
「おーいってば、レイナ」
ユーリがレイナの顔の前で手を大きく鳴らす。
それで、ようやくレイナはユーリの存在を思い出した。
「あっ、ユーリ。ごめん」
「もう、ごめんじゃないよ、ごめんじゃ。私の存在、きれいさっぱり忘れやがって」
ユーリが不貞腐れたふりをする。
「それで、まあ、あいつのことで悩んでいるみたいだけど、婚約破棄したいの?」
「そうよ、もちろん。あんな奴と結婚したら私ん人生が終わってしまうわ」
「まあ、そうだよね」
「そうなのよ。けれど、身分的に私から婚約破棄することなんて到底できないわ。だから、向こうから婚約破棄してもらうしかないの」
レイナがまくしたてる。
「確かにねー。けれど、あいつ、レイナにぞっこんだもんね」
ユーリはレイナの顔をまじまじと見つめながら言う。内心では、この美しさならわかるわーと思っていた。
「もう、他人事みたいに」
レイナは口をとがらせ言う。その顔すら可愛いとユーリはぼんやり考えていた。事実、レイナの悩みはユーリからしたら他人事なのだ。けれど、レイナがあいつのものになって傷つくのは幼馴染として、そしてレイナの一ファンとして耐えられないのだ。
「もう、このユーリ様が人肌脱いでやろうじゃないか」
レイナは顔を満開の桜のようにぱっとパッと輝かせる。この顔を見てしまうと、もうレイナのためなら、何でもしてあげようという気になってしまう。
「じゃあ、婚約をあいつから破棄してもらうということを目標にして、計画を練ろうか」
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