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第一部 嫉妬と情愛の狭間

第176話 成人の儀 其の四十二★       ──熱楔と指──

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「──っ……ぁ、ああぁぁっっ……!!」 


 それは己の上で、竜紅人りゅこうとと繰り広げられていた香彩かさいの痴態に耐えられなかったと言わんばかりの、紫雨むらさめの激しさだった。
 たった一突きで結腸の蕾を強く刺激されて、頭の芯が痺れたようになる。先端からは先走りが幾重にも滴り、紫雨むらさめの腹に蜜溜まりを作った。
 やがて押し開かれた場所が、熱い猛りの形までもはっきりと感じ取れるほどに、不規則に収縮を始める。
 くつりと紫雨むらさめが喉奥で笑った。


「……いい、締め付けだ。かさい…」
「はぁ……あ、んんっ…、 んんっ」


 抽送が始まれば香彩かさいの喉が、甘い嬌声を紡ぐ。時折その声がくぐもるのは、香彩かさい竜紅人りゅこうとの雄に舌を絡め、離そうとしないからだ。


「んんっ…はぁ…んっ……ああっ、や…ぁ…… 」


 だが猛り勃った雄で奥深くまで突き立てられ、結腸の蕾を捏ねるように腰を回されて、香彩かさい竜紅人りゅこうとの雄から口を離し、甘い艶声を上げる。それでも香彩かさいの手は、竜紅人りゅこうとの剛直から離さず上下に扱いた。
 不意に胸の頂きを悪戯に弄ぶ紫雨むらさめの指先に、香彩かさいはびくりと身体を跳ね上げる。紫雨むらさめの手によって育てられた成熟した濃桃色の漿果を、つねるようにくいっと引っ張られながら捏ねられて、香彩かさいはついに竜紅人りゅこうとの雄から手を離した。


「ああっ……!」


 同時に堪らないとばかりに、ひくつく後蕾。胎内なかは歓喜するようにうねり、捕らえた雄をきつく締め上げる。


「……かさい……っ」
「いや、ぁ…んんっ…んっ……や…ぁ……あ…、ああっ、だめ……ぇはぁ…… 」


 もっとこちらに目を向けろと言わんばかりの紫雨むらさめの下からの強い突き上げに、香彩かさいはあられも無く淫らな嬌声を上げて、悦がり狂う。
 だがやがて今度はまるで、淫らに熟れた身体をじっくりと味見をするかのように、紫雨むらさめはゆっくりと腰を揺らし始めた。
 あまりの焦れったさに、香彩かさいは強請るように紫雨むらさめの胸の上に頽れる。
 それを見計らったかように、紫雨むらさめの腰の動きが止まった。


「…あ……っ!」 


 後蕾に引き攣るような僅かな痛みを感じて、香彩かさいは思わず突声を上げる。
 紫雨むらさめの熱楔の他に感じる、馴染みのある指。


「あ……あ……」


 いつの間にか紫雨むらさめの極太の肉刃と共に、竜紅人りゅこうとの三本の指が後蕾に挿入いれられ、胎内なかを開けろとばかりに掻き回され拡げられる。
 痛みはすぐに別の快楽へと変わっていったが、香彩かさいは戸惑いの声を上げずにはいられなかった。
 
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