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Ⅳ セブンリーフ新北中同盟女王選定会議

反撃! 中 共闘、セレネ復活

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 カカカカカカカ、カキンカキン!!
 金輪こんりんの放つ光の剣が機関銃の様に連続で発射され、それをウェカ王子のSRXの魔法剣が機械的に受け止めて跳ね返して消えて行く。お互い割と必死なのだが、傍から見るとシュールな場面であった。

「むぐーむぐー!!」
「なんだメアーもう暴れないか? だったら外していいゾ?」

 ほぼほぼ犯罪者みたいな事を言うウェカ王子にメアは涙ながらにウンウンと頷いた。

「仕方ないナ約束だゾ?? よっこらしょっと」

 操縦桿を握りながら、王子は裸足になって器用にメアの猿ぐつわを外した。

「はーっはーっ高度な信頼関係がある私達だからいいですが、普通に犯罪ですよ!」
「分かった分かった! なんか用か?」
「何か用かって、あの敵の光の矢、あれって当たらないんですか?」

 会話する間もカキンカキンと跳ね返し続けている。

「安心しろ、敵の気が変わらない間はずっと同じ所に当たり続けるだけだハハハ」

 王子は気軽に笑った。

「あ、あの敵の気が変わったら?」
「……その時の為にメア、一緒に乗ってるんだゾ?」

 王子は冗談とも本気ともつかない天使の様な顔でにこっと笑った。

「いやあああああ、私だけ降ろして!?」

 やっぱりメアは首を振って泣き叫んだ。


(はぁはぁ……良く持つなこの敵。割と強敵なのか? ミスったとか言って操縦席に直撃させちゃおうか?? 急に方針転換したら格好悪いかな??)

 実は貴城乃たかぎのシューネは既に疲弊していた。もともと人間離れした強さの若君、紅蓮アルフォードが乗るのに丁度よい高性能機である。その高度な魔ローダースキルを連続して使用し続けた結果、シューネは魔力の限界に近付きつつあった。彼は猫弐矢ねこにゃをちらりと見た。

「猫弐矢くん、少し魔力を融通してくれないか? 操縦桿を握ってくれるだけで良いんだ」
「断るっ!」

 猫弐矢は下手に出たシューネの要請を無下に断った。

「割とはっきり言うね」
「ご主人様、私が……」
「ああ頼む」

 フゥーは言って、恥ずかしそうに操縦桿を握った。すると直ぐにシューネが片手でフゥーの肩を抱いた。

「あっ恥ずかしいです」
「嬉しくてつい。こんな風にこれからも私を助けて欲しい」

 フゥーは赤面して俯いた。二人のやり取りを見て猫弐矢は目を細めて横を向いた。

(完全にロリコンやないか)


 シュパパパパパパ……
 カキンカキンカキン……
 宙に浮く金輪と地上で魔法剣を構えるウェカ王子のSRXのシュールな戦いは永遠に続くかと思われた。

「ハハハハハなかなか終わらないナァ」

 パアァンンッッ!!
 王子が呟いた瞬間、SRXの標準剣の一本が魔法剣のエネルギーと光剣を跳ね返す衝撃に耐えられずに弾け飛んだ。
 スパパパッッ
直後、SRXの片方の肩に光剣が突き刺さり、遂に腕が一本飛んだ。それを確認してシューネの攻撃が一旦止んだ。

「ぐっぐああああああああ」
「王子!?」
「だ、大丈夫サッ」

 ウェカ王子のSRXは刃が弾け飛んだ剣を捨て、魔法剣一本だけとなってしまった。

『おやおやどうするのかね? 一本しか無くなれば次の攻撃から体全体をカバーする事は出来ないぞ? ハハハハハハ』

 シューネは勝利宣言をした。

「メアごめん……本当は駄目だと分かってたけど、いつも一緒にいるメアに来て欲しかったんだ……不安で、でもこんな事になってしまって」

 いつも強気な王子が初めて弱気を見せた。

「お、王子! 最後まで諦めないで下さいよ! なんとかなりますからっ!!」

 本当は王子以上に不安なのにメアは思わず励ましてしまった。

(あああ~~帰りたい……うぅ)

 そしてそのまますっと王子に寄り添った。

『馬鹿目っ!! 仕方が無いあっさりと引導を渡してやろう!』

 猫弐矢が睨む横で、シューネはぐっと操縦桿に力を込めた。
 バンッッ!!
 光の剣というくらいだから実際非常に速い。だからシューネが発射した直後に空中で爆発は起きた。

「やらせるかーーーっっ!!」

 ウェカ王子に直撃するかと思われた光剣は、復活したセレネのSRXが投げた魔法剣状態を維持した剣に直撃して爆発して消えた。

『交代だっ!!』

 さらにセレネは蛇輪の周囲から拾った本家の魔法剣とSRVから奪った剣で魔法剣二刀流を発現した。
 シュバッ!!

『キミは……フルエレ女王の従者の砂緒の彼女のセレネ王女か??』
『え、ええ? まあそうだが……』

 颯爽と駆け付けた割には感動の薄い言葉が並んだ。

『よし、ボクもSRVから剣を投げてもらってまだまだ加勢するゾ! 聞こえてるかアホー、こっちにもっともっと剣を投げろっ!!』

 こうして下手にシューネが殺サズを決めた所為で、どっちの魔力が尽きるかのチキンレースになってしまった……

「貴方達だけに苦労はさせないわっ!」

 しかしそこに空気を読まない少女が現れた。メランは自慢のトンガリ魔導士帽を床に投げ捨てると、さらに黒い魔導士服を脱ぎ捨てた。その下には割と大きめの胸が目立つ黒いタンクトップ姿が現れ、さらに彼女は額に漆黒のハチマキをキュッと巻いた。
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