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Ⅳ セブンリーフ新北中同盟女王選定会議
反撃! 中 ウェカ王子覚醒 え?
しおりを挟むジェンナとカレンのSRVはウェカ王子からの明け渡し要求を拒否し、駐機場にSRX二機が放置されていると教えた。
「どうせ脱走するなら何故これを明け渡さなかったのカレン?」
「脱走するにしてもコレがある方が走って逃げやすいでしょ、売る事も出来るし。それに蛇輪が完全に破壊されてからでも遅く無いわ。脱走が早過ぎると反逆罪に問われるかも知れないし……」
「それもそうね……カレン結構ずる賢いのね」
「余計よ、でも今の男の子おっぱいが大きなメイドさん担いでたけどいいのかしら??」
「……戦利品じゃない?」
二人は冷や汗を流しながら顔を見合わせた。
「やっぱり止めてくれないかな? あれは砂緒くんとセレネくんの大切な思い出の機体なんだ」
ふわふわと浮遊して蛇輪に接近する金輪の操縦者貴城乃シューネに、猫弐矢がすがる様に最後のお願いをしていた。その後ろではフゥーが冷めた目で猫弐矢を見ていた。
「だからこそ潰すのだ。それだけ重要な機体、この機会に潰さない手は無い。もう良い貫けっ光剣っ!!」
「あっ馬鹿野郎!」
シューネは妙に引っ張る事無く、もはや直上に到達する迄も無くあっさり魔ローダースキル金輪の光剣を発射した。
スパパパパパ……
後光の光輪からおびただしい数の光の剣が飛び出し蛇輪に突き刺さった……
カキンカキンカキン……
が、何故か光剣は突き刺さったかと思った次の瞬間、蛇輪の銀色の装甲で全て跳ね返り雲散霧消して消えて行く。
「何だこれは!? どういう事だっ!! ええい刺され光剣!!」
「無駄の様だね……じゃっ帰ろっか!」
駄目押しで何度かシューネがスキルを発動しても蛇輪には無効だった。どうやら海と山とに挟まれた小さき王国の国宝、真実の鏡を半分に割って装甲材料に溶かし込んで造られている日蝕白蛇輪は鏡の加護で光剣が偶然通じない様だった。
「ちっ仕方が無い実剣で物理的に破壊するか」
「案外しつこいね……」
金輪は光の輪を小さくして地上に舞い降りた。ガシャーンガシャーンとゆっくりと横たわる蛇輪に歩いて近付くが、駐機場のSRV達は動く事も出来ずに指を咥えて眺めるだけだった。
『アホーーッ三毛猫、お前はボクがやっつけてやるっ!!』
ガシャンガシャンガシャン……
その時突然林立するSRV達の背後から高性能試作機SRXが飛び出して来て、金輪目掛けて斬りかかって行く。ウェカ王子とメアだった。
『むぐーーむぐーーっ!!』
(まだ死にたくないです、私だけでも助けてっっ)
メアの叫び声も魔法スピーカーで外部に流れた。
『ハハハ、まだまだ恐れを知らないバカが居たかっよろしいスキル金輪で一撃のもとに葬り去ってやろうっ!』
そう言うと再び金輪はふわりと浮かび上がり、輪からおびただしい数の光の剣を生やした。
「はぁあああああ、魔法剣二刀流!!」
駐機してあった二機のSRXの剣を奪い、二刀流で斬り掛かるウェカ王子は突然聞きかじっていた魔法剣を見様見真似で突然発動させた。二本の剣が炎を纏い金輪の光の輪と同じくらい激しく輝いて目立った。
「なんと魔法剣!?」
「凄いセレネくんみたいじゃないかっ」
「しかしだから何だっ!!」
シューネは叫び、上空から見下しながら光の剣を放出した。
シュパパパパパ……
(いやーーーーー!? 死ぬぅううう)
「むぐううううううう」
メアが泣き叫びながら首を振った。
カキンカキンカキン……
がしかし、何故か光剣は全てウェカ王子の魔法剣で跳ね返されて行く。光の剣は魔法剣でも跳ね返す事が出来る様だった。
「馬鹿なっ!?」
シューネは思わず座席から立ち上がった。
『どうしてっ!? 跳ね返せるとして、どうしてその面積の狭い魔法剣で全ての攻撃を防ぐ事が出来るの?? 貴方予言者とか??』
ジェンナが思わず魔法秘匿通信で聞いた。
『アホーッ! 君達魔呂の残骸を良く見ろ! あの三毛猫の攻撃は全てバイタルを外して攻撃してるぞ。つまり首と両肩と両脚付け根しか攻撃してないんだよ。だから最初からそこだけ防げばヤツの攻撃は防げるのダッ!!』
『えっ?』
言われてジェンナは破壊されたSRVの残骸を良く見た。すると王子の言う通り操縦席近くのバイタルは破壊されておらず、それ処か操縦者達は皆生存してハッチを開けて脱出したりその場でうな垂れたりしていた……
「ふははは、雑魚の中にも鋭い観察力を持ち冷静な判断が出来る勇者が居た様だなっ! 若君の機体ゆえ若君に倣って殺サズを実行していたが……良いだろう、君の魔力が持つ限り私も殺サズを貫いてやろう」
猫弐矢が冷や汗を掻く中、シューネは再び光の剣を放った。
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