5 / 14
勇士集う
交戦
しおりを挟む
あまりの一瞬の出来事に二人は思わず呆然としていたが、男の悲痛な叫び声を聞いて我に返る。そしてしばらく音が止んだかと思うとふいに右方の草むらが音を立てて動いた。さらにそれに合わせるかのように左方の草も揺れ始める。まるで何かがいるかのような草むらの揺れ方に二人は息を潜める。そして動きが止まったかと思われた瞬間、二人にむかって左右から何かが襲いかかった。二人はそれぞれ前方と後方に避けて攻撃を回避する。
「やっぱり・・・!メタルモンキー・・・!」
「メタルモンキー!?」
二人の襲ったのはメタルモンキーと呼ばれている猿であった。体格自体はサイガ達と同じくらいの大きさであるが、その身体は全身が紫色で尻尾が短く、筋肉質な腕が特徴的である。二匹の内片方は左眼に傷を負っており、もう片方は木でできた棍棒を持っている。
「金属を主食としている猿よ。たしか金属の種類を匂いで見極められるの」
「金属を主食?しかも匂いで種類がわかる?すげぇ猿だな・・・」
「性格は凶暴で金属を見つけたらその持ち主を殺してまでも手に入れようとするらしいよ」
「なるほど、つまり俺たちは今殺されそうなわけだ」
「でも私は目立った金属なんて身につけてないと思うんだけど・・・」
そう言ってアリシアはサイガを見る。明らかに疑いを含んだその目は、お前のせいじゃないのかと訴えていた。
「なんだその目は。金属だったらあんただってちゃんと持っているだろうが。金って言う金属の塊をよ」
見ろと言ってサイガは地面に落ちていた金属貨幣の欠片を指さす。貨幣の種類によって残っている欠片の大きさに差があり、どうやらメタルモンキーは金属の中でも好みがあるらしい。
棍棒を持っているメタルモンキーは片目のメタルモンキーに身振り手振りしながら何か話しかけており、片目のメタルモンキーも何回も頷いている。そしてお互い手をたたき合うと棍棒を持っている方はサイガに、片目の方はアリシアに対して身体を向けて身構えた。どうやらお互い一対一で戦うつもりらしい。
「どうやら一匹はそっちにむかっていくっぽいぞ。大丈夫か?」
「大丈夫、任せてよ」
「きつかったらそこら辺に隠れてても良いんだぞ」
「まだ子供扱いしてるでしょ!心配しなくても大丈夫だってば!するなら自分の心配しなよ」
わかったよと言ってサイガは目の前の相手を見据える。相手もサイガを見据えると、空にむかって跳んだ。そして棍棒を両手で力強く持ち振りかぶると、地上のサイガにむかって思い切り振り下ろした。
サイガは真横に跳んでそれを避ける。振り下ろされた棍棒は轟音とともに思い切り地面に叩きつけられた。あまりの衝撃にサイガは思わず声を上げる。
「メタモンは腕力が強いから気をつけてね!握力は岩を砕くほどだから!」
メタルモンキーの略称が若干気がかりになりながらも、そういうことは先に言っといてくれと心中思いを巡らせるサイガ。アリシアも片目のメタルモンキーと交戦しているのがうかがえた。
メタルモンキーは回避したサイガを眼で捉えると即座に棍棒を横薙ぎに振るった。それに対してサイガは高く跳んでその攻撃を避ける。再度攻撃を避けられたことに驚いたような顔を見せるメタルモンキー。サイガは跳んでいる最中それを確認しながら、メタルモンキーの顔を蹴り飛ばした。メタルモンキーは呻き声とともにそのまま草むらの中に消えた。
メタルモンキーをとりあえず退けたサイガは一息ついていると、前方から片目のメタルモンキーが飛んできた。サイガはそれをさっと軽く避けると片目のメタルモンキーは地面に激突し倒れ込んだ。
「どう?私も結構やるもんでしょ?」
そう言ってアリシアはサイガに対して得意げな顔をしてみせた。たいしたもんだよとサイガは頷く。どうやら戦闘面に関しては心配ないようで、そういう意味ではここまで来れたのにも納得がいく。
倒れていた片目のメタルモンキーは立ち上がると、そそくさと草むらの中に消えていった。地面には先程サイガによって蹴り飛ばされたメタルモンキーの棍棒が転がっている。
「あのメタモンも私の強さに恐れをなして逃げたようね」
「その略称やめろ。色合いと言い別の何かを彷彿とさせる」
何それと訝しげな顔をするアリシアにサイガは何でも無いと呟く。二匹のメタルモンキーを退けた二人は先に進もうとするが、再び草むらが揺れる。草むらの中からはメタルモンキーの鳴き声が聞こえてきており、どうやらまだ二人のことを諦めてないようである。
「まだ懲りてないっぽいよ。面倒くさいなぁ」
「しかし妙だな、いくら凶暴でもあいつら二匹にここまでの被害が・・・」
すると今度は別の草むらが揺れ始め、それに誘発されるように次々と二人の周りの草むらが揺れ始めた。その音は段々と二人に近づいてきており、その動きは一つの意思を持っているかのようであった。
「・・・これはマズいな」
サイガがそう呟いた瞬間、草むらからメタルモンキーの集団が二人にむかって一斉に襲いかかってきた。サイガとアリシアは襲いかかってくる大勢のメタルモンキーの姿を見て思わず叫んでいた。
「やっぱり・・・!メタルモンキー・・・!」
「メタルモンキー!?」
二人の襲ったのはメタルモンキーと呼ばれている猿であった。体格自体はサイガ達と同じくらいの大きさであるが、その身体は全身が紫色で尻尾が短く、筋肉質な腕が特徴的である。二匹の内片方は左眼に傷を負っており、もう片方は木でできた棍棒を持っている。
「金属を主食としている猿よ。たしか金属の種類を匂いで見極められるの」
「金属を主食?しかも匂いで種類がわかる?すげぇ猿だな・・・」
「性格は凶暴で金属を見つけたらその持ち主を殺してまでも手に入れようとするらしいよ」
「なるほど、つまり俺たちは今殺されそうなわけだ」
「でも私は目立った金属なんて身につけてないと思うんだけど・・・」
そう言ってアリシアはサイガを見る。明らかに疑いを含んだその目は、お前のせいじゃないのかと訴えていた。
「なんだその目は。金属だったらあんただってちゃんと持っているだろうが。金って言う金属の塊をよ」
見ろと言ってサイガは地面に落ちていた金属貨幣の欠片を指さす。貨幣の種類によって残っている欠片の大きさに差があり、どうやらメタルモンキーは金属の中でも好みがあるらしい。
棍棒を持っているメタルモンキーは片目のメタルモンキーに身振り手振りしながら何か話しかけており、片目のメタルモンキーも何回も頷いている。そしてお互い手をたたき合うと棍棒を持っている方はサイガに、片目の方はアリシアに対して身体を向けて身構えた。どうやらお互い一対一で戦うつもりらしい。
「どうやら一匹はそっちにむかっていくっぽいぞ。大丈夫か?」
「大丈夫、任せてよ」
「きつかったらそこら辺に隠れてても良いんだぞ」
「まだ子供扱いしてるでしょ!心配しなくても大丈夫だってば!するなら自分の心配しなよ」
わかったよと言ってサイガは目の前の相手を見据える。相手もサイガを見据えると、空にむかって跳んだ。そして棍棒を両手で力強く持ち振りかぶると、地上のサイガにむかって思い切り振り下ろした。
サイガは真横に跳んでそれを避ける。振り下ろされた棍棒は轟音とともに思い切り地面に叩きつけられた。あまりの衝撃にサイガは思わず声を上げる。
「メタモンは腕力が強いから気をつけてね!握力は岩を砕くほどだから!」
メタルモンキーの略称が若干気がかりになりながらも、そういうことは先に言っといてくれと心中思いを巡らせるサイガ。アリシアも片目のメタルモンキーと交戦しているのがうかがえた。
メタルモンキーは回避したサイガを眼で捉えると即座に棍棒を横薙ぎに振るった。それに対してサイガは高く跳んでその攻撃を避ける。再度攻撃を避けられたことに驚いたような顔を見せるメタルモンキー。サイガは跳んでいる最中それを確認しながら、メタルモンキーの顔を蹴り飛ばした。メタルモンキーは呻き声とともにそのまま草むらの中に消えた。
メタルモンキーをとりあえず退けたサイガは一息ついていると、前方から片目のメタルモンキーが飛んできた。サイガはそれをさっと軽く避けると片目のメタルモンキーは地面に激突し倒れ込んだ。
「どう?私も結構やるもんでしょ?」
そう言ってアリシアはサイガに対して得意げな顔をしてみせた。たいしたもんだよとサイガは頷く。どうやら戦闘面に関しては心配ないようで、そういう意味ではここまで来れたのにも納得がいく。
倒れていた片目のメタルモンキーは立ち上がると、そそくさと草むらの中に消えていった。地面には先程サイガによって蹴り飛ばされたメタルモンキーの棍棒が転がっている。
「あのメタモンも私の強さに恐れをなして逃げたようね」
「その略称やめろ。色合いと言い別の何かを彷彿とさせる」
何それと訝しげな顔をするアリシアにサイガは何でも無いと呟く。二匹のメタルモンキーを退けた二人は先に進もうとするが、再び草むらが揺れる。草むらの中からはメタルモンキーの鳴き声が聞こえてきており、どうやらまだ二人のことを諦めてないようである。
「まだ懲りてないっぽいよ。面倒くさいなぁ」
「しかし妙だな、いくら凶暴でもあいつら二匹にここまでの被害が・・・」
すると今度は別の草むらが揺れ始め、それに誘発されるように次々と二人の周りの草むらが揺れ始めた。その音は段々と二人に近づいてきており、その動きは一つの意思を持っているかのようであった。
「・・・これはマズいな」
サイガがそう呟いた瞬間、草むらからメタルモンキーの集団が二人にむかって一斉に襲いかかってきた。サイガとアリシアは襲いかかってくる大勢のメタルモンキーの姿を見て思わず叫んでいた。
0
あなたにおすすめの小説
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
自由を愛する妖精姫と、番にすべてを捧げた竜人王子〜すれ違いと絆の先に、恋を知る〜
来栖れいな
ファンタジー
妖精女王と精霊王の間に生まれた特別な存在――セレスティア。
自由を愛し、気ままに生きる彼女のもとに現れたのは、竜人族の王子・サイファルト。
「お前は俺の番だ」
番という名の誓いにすべてを捧げた彼は、王族の地位も未来も捨てて森に現れた。
一方のセレスティアは、まだ“番”の意味すら知らない。
執着と守護。すれ違いと絆。
――これは、ひとりの妖精姫が“特別”に気づいていく物語。
甘さ控えめ、でも確かに溺愛。
異種族の距離を越えて紡がれる、成長と守護のファンタジー。
レオナルド先生創世記
ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる