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プロローグ
しおりを挟むAM 4:30
耳の冷たさを感じながらはっと目を覚ます。
サラは小さな音で鳴っている目覚ましを止め、一度目をつぶる。
ここから一日、また勝負が始まる。ふるいにかけられる一日が、今日もまた、スタートしたんだ_____。
サラはぐっと眠さと寒さをこらえながら、素早くジャージに着替え、静かに部屋を出た。他の部員はまだ寝ている。そりゃそうだ。今から朝食まで2時間もある。昨日だって練習試合が長引いて、寮に帰って寝たのは12時を過ぎていた。しかもこんな寒い冬に、誰だって朝早くなんて起きたくない。それはサラ当人もまったく同じ気持ちだった。
だけど、、、
冷たい水で顔を洗い、険しい顔をしている自分を鏡越しにみつめながらサラは毎日同じことを考える。
今日の自主練一回が、一本に繋がるかもしれない。ここ最近ずっと打てていない一本が、もしかしたら出るかもしれないんだ、それならやるしかない。
休みたいのは山々だった。五分でも多く寝ていたかったし、体の節々が硬くなっていてゆっくりとストレッチもしたかった。
しかしそれらは全てサラにとっては甘えでしかなかったし、それを振り切って素振りやランニングを終えた時、安心感のようなものを感じていた。
しかしサラは心の底ではわかっていた。
自分が誰よりも自主練をするのは、苦しくて何かから目を背けたいと思っているからだということを_____。
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