社畜探索者〜紅蓮の王と異界迷宮と配信者〜

代永 並木

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社畜 配信者2人とダンジョンへ

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『獅子神さん、休み取れました』

数分後に返信が来る

『おぉ長かったな。それでいつだ』
『1週間後です』
『1週間後か、分かった。時間はどうだい?』
『時間はいつでも大丈夫です』
『OK、それじゃ8時にしよう。ダンジョンアタックは時間がかかるかもしれんしな。天音にもそう言っといてくれ』
『分かりました』

一鬼との連絡を済ませて天音に連絡する

『成程、分かりました。準備しておきます』

今回はあの魔物と戦う事を想定とした準備、しっかりと対応できるように装備を整える

『僕も何か装備とか買ったがいいかな?』
『そうですね。買った方がいいと思います! 前回は攻撃を防いだり避けたり出来ましたが次もそうとは限りません』

スーツなんて防御力ほぼゼロで挑むより安くても防具を付けた方が安全

『だよなぁ……』
『それに剣を使えるのなら剣も買うのありだと思います』
『あぁ確かに』
『攻撃系の異能なので優先は防具だとは思いますが』

最後剣で攻撃をした、天音が持っていなければその考えにも至らなかった
剣を持つだけでも攻防の選択肢が増える、それなら持っておくのが良いだろう

『成程……ただ高いんだよなぁ』

値段が高い、別に蓮二は金が無い訳と言う訳では無いがそれでも簡単に買うと選択できるほどの金持ちでは無い
中ボスの素材を売れば大量の金は手に入る
ただ不用意に目立つのは辞めておきたい、これが4級の素材などであればそこまで話題性は高くないが現状、人類の限界とされる3級の中ボスの素材、話題にならない方が難しい
話題になれば何があるかも分かった物では無い
スーツだとバレかねないので次取引所に行く時は普段着で向かおうと考える

『確かに高いですね。ただ高い方が性能は高いので探索者を続けるなら少し背伸びして買うべきかと』
『成程……考えてみる』
『近くの取引所で売ってる掘り出し物なら取引所の公式サイトで調べれば値段と能力が分かります。会員登録しておけば欲しい武器や防具は予約出来ます。最も予約から2日以内に買いに行かないと予約取り消しになりますが』
『なるほど、それは便利』

(仕事終わりに調べてみよ)
連絡を終えて仕事に集中する
上司の分の仕事がない、その分早く終わる
最も上司だけではなく獅子神源次郎にビビった同僚も自分の仕事を蓮二の机から回収して仕事を始める
彼らもまたクビにされる可能性があるからこその恐れだろう
自分達は捕食者では無かった……あの獅子に目をつけられていなかっただけの食われる側の存在に過ぎない
仕事を終えて珍しく定時に帰る
仕事を押し付けていたせいで仕事内容がいまいち分かっていない同僚達は悪戦苦闘しながら仕事をしている

「お疲れ様」
「お疲れ様です」

上司も定時に帰る
家に帰ってからパソコンで取引所の公式サイトを見る
天音が言っていた通り装備屋に売っている装備の値段や能力などが書かれている
強そうな能力を持つ掘り出し物は値段が高い
蓮二は頑丈な剣が欲しいので能力はそこまで気にしない
防具も見る

「色々あるなぁ……出力低いと安いのか。炎は要らないなぁ。異能が炎だし」

一先ず良さそうな装備を選び優先順位を決めておく
予約は2日間のみ、今予約しても取りに行けるとは限らない
予約はせずにあったら買う物を武器と防具両方で決めておく

「これと……これと……これくらいかなぁ。値段も程々、性能も程々……能力に関してはあればいいなくらいだし防具は少し値が張るけど……うん仕方ない」

異能をメインとして戦い剣は主に防御か異能が使えなくなった時用
掘り出し物の武器は基本的に人が作った武器よりも頑丈で刃こぼれ、破損がしづらい
翌日の会議は上司が丸暗記してきていてしっかりと質問に答えられ戸惑ったら蓮二がフォローする
現状を上にキチンと伝えられミスも無く会議が終わった

「いやぁ助かったよ」
「ミスなく終わって良かったです」
「……次はしっかり仕事覚えておこう」
「それが良いかと」

会議には獅子神源次郎が居た
威圧感が半端ない
そんなこんなで仕事をこなし武器を買い1週間が経った
集合時間の10分前にダンジョンに行くと天音と一鬼が先に来ていた

「あれ? もしかして時間間違えた……?」

スマホで確認するが8時集合なのも今の時刻が7時50分なのも間違っていない

「あぁ間違えていないさ。少し早く来ていただけだ」
「防具と武器買ったんですね」
「サイトで確認して良さそうなのを選んだ。値は張ったけど」
「金など使う物だろ、探索者は命懸け金なんていくら掛けても足らないくらいだ」
「それはそうですね」

命懸け、どれだけ準備をしても死ぬ危険があるのがダンジョン
探索者はいつも入念な準備をする

「そのくらいの値段なら3級ダンジョンの魔物倒せるならすぐ取り戻せます」
「確かに魔石や素材は高いから」
「そろそろ向かう。連携は私が前衛、2人が後衛で支援だな」
「僕も前衛やる」
「君が異能は攻防一体、だが防御に炎を回す場合攻撃の手数が減る、それなら後ろで攻撃に集中した方が良い」

1人だけを前衛という危険に晒したくないというのと異能の精度は高いが連携はほぼした事が無い
一鬼に炎が当たってしまうかもしれない
炎の火力は高い人に当たれば殺してしまう
前衛ならその心配は無く尚且つ炎の防御も使える

「君が心配しているのは私に当ててしまうかもしれないってところかな」
「!?」
「驚く事は無い。よく攻撃系の異能者にある悩みだ。配信を見た限り自在に操れていた、精度は高いようだが」
「それでも人が前に居る状態では……」
「連携の経験は積んでおいた方がいい、いずれ君のような異能者は駆り出されるかもしれないからな」
「駆り出される?」
「あぁ、いやこっちの話だ。気にしなくていい。まぁ組むか分からないがパーティを組むのなら君は後衛の方が力を発揮出来る。その練習だと思えばいい」
「いやでも……」
「さすがに当ててもいいとは言わんが少なくとも君は天音と組んでいるんだ、味方の動きにはもう少し注意した方がいい」
「……分かった。常に味方の位置に気を配ってみる」

ダンジョンの前で打ち合わせをする
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