社畜探索者〜紅蓮の王と異界迷宮と配信者〜

代永 並木

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社畜 配信名決定

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「前衛と連携を取るにはまず的確で素早い報告が必要ですから用意しておきました」

天音はバックからイヤフォンを取り出して蓮二に渡す

「これはイヤフォン? それも片耳の」
「探索者がよく使っている小型の通信機だ。私も使っている、戦闘中にオンにしておけば離れていても会話が可能だ。他にも細かい機能はあるが今回は個別の機能は使わんだろうから説明を省く」
「激しい戦闘でも取れないような仕組みになっていますが炎には強くないと思いますので注意を」
「ちなみにそれ1つで20万」
「2、20万!?」

慌てて落としかける
武器や防具に比べれば安いが20万は高い
なんとか落とさずに済みホッとする
壊したら洒落にならない

「それ上げます」
「良いの?」
「構いません。投資のような物なので、蓮二さんが探索者として有名になればその分私の知名度も上がりますから」
「続けて天音のチャンネルで配信に参加すればな。他の配信者と組んだ場合は知名度は差程上がらないだろう」
「ぐっ」

天音の知名度に関係するのは現状のまま有名になったらであってもし他の探索者と組んだりすればほぼ関係は無いだろう
(た、探索者の話はしてるから……少しだけど教えてるから……)
蓮二と言う強い異能を使う探索者を見つけたと言う訳では無いのだから

「あくまで今の状態で探索者として有名になれば……あぁそうだ君は配信の名前は決めてないのか?」
「配信の名前?」
「本名でもいいが配信用に別の名前でもいい。身バレを恐れるなら配信用の名前を決めた方がいい」
「身バレは嫌だなぁ……名前かぁ」

配信用の名前を考える、本名を少し変えた名前でも良いがそれではバレる恐れが高い
かと言って特に名前は思い付かない

「探索配信者は天音のように本名も結構居るぞ。名を変えると咄嗟の時に反応出来ないなんて事もある。私も漢字は違うが読みは本名と同じ」
「それは困るな……確かに呼ばれ慣れてない名前で呼ばれると反応出来なそう」
「まぁそれに関しては慣れれば問題無い」
「取り敢えず仮の名前でも大丈夫ですよ」
「適当に付ける奴も居る、その場で目に付いた物だったり好きな食べ物だったり」
「好きな食べ物はやっぱり鶏肉かなぁ」
「では鶏で」
「鶏だな」

蓮二の配信名はニワトリに決まった

「鶏肉そのままではなく鶏……まぁ良いけど」
「それでは行こうか鶏くん」
「鶏さん行きましょう」
「あれまだ配信中じゃないんだけど……?」
「あぁそうだったな。ダンジョン入る前からするか?」
「うーん、中ボスエリアで見つけたら配信しましょう。今回は可能性の話ですし」
「そうだな、ならさっさとダンジョン進もう」

3人はダンジョンに潜る

「連携の練習だ、私が前衛でヘイト引きつけるから援護頼むぞ」
「どちらが倒すとかは?」
「状況次第だが今回は私が倒そう」
「了解」

蓮二は異能を発動させる
燃え盛る炎が周囲を漂う

「おぉ配信で見ても凄いと思ったが迫力あるな。触っていいのか?」

生で初めて蓮二の異能を見た一鬼は興奮して触ろうとする

「ちょっ、燃えるよ!」

炎を動かして触らせない

「そうか、それは残念だ」

本当に落ち込んでいる
(ほ、炎に触れたい人って居るんだ……いや異能だから? いやそれでも)
一鬼という人間に対して少し恐怖をする
好奇心は猫を殺す、正しくそれを体現しているようにも思える

「獅子神、魔物来てる」
「おっと、遊んでる暇はなかったな」

一鬼は剣を抜き構える
紫色で禍々しい剣、4級のダンジョンで入手したという事もあって単純な性能がかなり高いと言う
魔物の攻撃を受けてもビクともしないのは剣も性能もあるのだろう
前衛の一鬼が魔物の目の前に立ち真正面から攻撃を受け止める

「行きます。鎖よ縛って!」

天音の異能が魔物を拘束する

「僕もやらないと……」

一鬼に当たらないようにちゃんと魔物を狙って放つ
放たれた炎は魔物の頭上を通り当たらない

「ビビり過ぎだ」

魔物の武器を弾いて胴体を切り裂き倒す

「すみません」
「お気になさらず最初はそんな物ですから」
「このままだと強みが失われるな。もう何回か試してみるか」

連携して戦うが蓮二は一鬼に当てる事を恐れてしまい本領を発揮出来ない
小さい威力も速度もない炎が魔物に当っても少し焼ける程度
少し大きい炎はあらぬ方向へ飛んでいく
思わず一鬼はため息をつく
(無理か、まぁ性格的にも難しいか)
配信では強気で居たが普段は強気に挑めるような性格では無い
(二重人格か?)
この変貌っぷりは二重人格を怪しむ程の物

「これは余り直接聞くのはあれだが君は多重人格か?」
「いや、違うぞ?」
「違うのか? 配信の時と全く違うじゃないか。あれは演技か?」
「蓮二さんはこっちが素。演技とは違うと思う」
「と言うと?」

天音は機能をオフにして近づいて小声で言う

「詳しくは知らないけどスイッチが入るとあの配信時の性格になる。後僕から俺に変わるんだよね」
「ほほう、多重人格ではないが性格が変わるスイッチがあるのか。何か分かるか?」
「正確な事は分からないけど覚悟を決めた時かと、私を救出する時も中ボスを倒す時も戦う覚悟を決めていたと考えれば状況と合う。後配信も途中までこの状態だった」
「成程、配信中も僕って言ってた時あるが確かにあっちの雰囲気は今に似ているな。あの時はまだって事か」
「恐らくは、あの配信の時はあの変な魔物との戦闘の途中から変わった気がする」
「確かに覚悟を決めた時って感じだな。あのモードに入れば強そうだな」
「ただ意図的には難しいと思う」
「だよなぁ、まぁ無理強いはしない方がいいか」
「必要な時になったらなるから大丈夫だと」
「そうだな」

2人は会話を終える
蓮二は何を話しているのか気になるが聞き耳を立てず待っていた

「よし行こうか」
「行きましょう」
「話は終わったみたいだね」

3人は奥へ進んでいく
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