社畜探索者〜紅蓮の王と異界迷宮と配信者〜

代永 並木

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社畜 全力

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魔物は素早く移動して斬り掛かる

「鎖よ縛って!」

魔物は鎖に拘束されるがそのまま剣を振るい鎖を破壊する
狙いは蓮二
炎で防ぐ
受け止めれるが悪寒がする
気付いた時には蓮二は飛び退いていた
自分が居たところを見ると炎が斬られていた
あのまま居たら真っ二つになっていた

『あぶねぇ』
『よく避けた!』
『ニワトリ君頑張れー!』
『頑張れー』

「まじか」

炎での防御は破られてはいる、絶対防御では無い
炎を放って攻撃をする
炎を真っ二つにして突っ込んでくる
剣で受け止める
一鬼が背後に回り剣を振るう
背後、見えているはずがないのに首を動かして回避して一鬼の腹に蹴りを繰り出す

「がっ」
「獅子神!」

吹き飛ばされ地面を転がる

「問題ない!」

すぐに立ち上がり戦闘に参加する
心配させまいと大丈夫と言ったがかなり腹が痛む

『獅子神さん!?』
『蹴られただけだから大丈夫だよね?』
『どうだろうな直撃だったからな』
『戦いに参加出来るなら大丈夫だとは思うけど』
『だいぶ無理をするからね』
『無理しないでー』
『頑張れー』

魔物と斬り合う、剣をぶつけ合う
一鬼が奇襲をかけて剣を振るう
一鬼では魔物とまともにやり合えはしない

「斬り合いか、慣れてないんだがな!」

悪態を吐き剣を振るう
戦いは長く続く
やがて2人の斬り合いを邪魔する者は居なくなった
腹に攻撃を食らった事で動きが鈍り一鬼は戦いに入れなくなっていた
探索者の経験の多い天音でも今まで前衛として多くの魔物と戦ってきた一鬼でも攻撃を一度食らっただけで戦闘に参加出来ない程激しい戦い
異能の鎖ではほんの一瞬すら拘束できない

「入らないの?」
「あれは無理だ。あのレベルの戦いに私は入れねぇ、力不足だ」

『あの一撃が響いたのかな』
『かもな』
『激し過ぎて参加出来ないんだろうな』
『あの魔物、主とはいえ本当に4級か?』
『かなり強いよな』
『あれと1対1でやり合えるニワトリくんもやばい』

「鶏さんは素人ですよね?」
「その筈だ、実際剣の腕は私の方が上だろう。これは身体能力の差だな。異能なしの身体能力であれに追い付けるのは鶏君くらいじゃないか? 攻撃を食らってなくても多分押し切られてた」

蓮二との実力差を痛いほど理解する

「身体強化の異能では無いはずなんですが」
「どうなってんだよマジで」

炎を撃ちながら剣を振るう
炎は避けられる
背後に炎を溜めておく、真正面から斬りかかっている魔物には蓮二の背中は見えない
溜めて剣で打ち合うタイミングで一撃を撃ち込む
先程は雷で防がれたが今は杖を持たない
雷は使えない
剣を勢いよく振り下ろす
ガキンッと大きな音を立てる

「ちっ」

魔物は剣だけでなく拳や蹴りを含めて攻撃してくる
弾いて無防備なところに蹴りを
蹴りは炎で防ぎ炎で視界を遮って炎越しに突きを繰り出す
キンッ

「まじかよ」

驚いている隙に拳が振りかぶられていた
剣が動いて拳を受け止める

「ぐおっ」

衝撃が重い
剣を伝って手が痺れる

「助かった」

(剣が動かなかったら腕折れてたな。念の為に動けるようにしておいてよかった)
炎で攻撃して剣を構える
まだ血の斬撃は使っていない、血は溜まっている
魔物は剣を構えている蓮二を見て過去の出来事を思い出す
あの時も同じように戦ったと
素早く接近をして拳を振るう
拳を避ける
本命は二撃目、視界の外から剣を振るう
炎を体に纏い攻撃を防ぐ
すぐに炎から離れる
僅かな時間だが炎で防御すると剣を食い止めれる
(最悪今のでやられてたな。あぶねぇ)
剣と炎で戦う、魔物は剣一本

「異能は持たないのか?」

問うが魔物は喋れないのか一言も発さない
素早い突きを剣で防ぎ逸らす

「あの魔物腕が良いな」
「そうなんですね」

剣の素人には分からない
比較的に無駄がない、達人クラスかと言えば疑問は浮かぶが少なくとも一級品ではある
それに自身の反応速度と偶に剣の意志に寄る防御で対応出来ている蓮二は異常と呼ばざるを得ない
剣が動き攻撃を防ぐ
圧縮した炎を放つが爆発する前に両断される
炎と蹴りを同時に放つ
炎を捌き蹴りは鎧で受ける
鎧は少し欠けたがそれでも硬いことには変わりない
ひたすら斬り合う
時間にして30分以上斬り合っている
蓮二は複数の切り傷を負っている、防御や回避がし切れていない

『長っ』
『かなり拮抗してるな』
『ニワトリくん凄っ』
『一瞬の判断のミスも反応の遅れも許されない極限状態だぞ』
『ニワトリくんマジで人間?』

「集中力と体力やばいな」

命をかけた戦い、一分一秒として油断は許されない
その極限状態で30分以上斬り合っている
その集中力は桁外れ、それだけでなく素早い攻撃に対応して捌き斬り返す
その動作に人は体力を使う
蓮二は今日休憩を挟んだとはいえダンジョンの入口から主部屋まで来ている
その間に魔物と戦ってきている、体力は減っている筈なのにまだ戦い続けている
魔物は過去の敵と蓮二を重ねる
勝負が付かなかったあの日の決着が付けられると魔物は心の底から感情が湧き上がる
戦いは更に激しさを増す
魔物が本気を出したのだ
雷鳴が鳴り響き降り注ぐ
業火が降り注ぐ雷を焼き払う
(使えるのか!)
今まで使っていなかっただけ
剣で打ち合い異能で撃ち合う
一鬼と天音は近付くことすら出来ない
血の斬撃を放つ
すると魔物の剣が燃え上がり血の斬撃を真正面から受け斬る
接近して炎を纏った剣を振るう
血を纏って防ぐ、血が炎で蒸発する

「本気か!」

蓮二は笑みを浮かべる
命をかけた全力のぶつかり合い、心が踊っている
血には限界がある
纏った血を解除して戦う
剣の炎の熱を間近に感じる

「倒すぞ」

蓮二と剣の動きが一致する
意思のある剣、故に噛み合うと一撃はさらに重く早く鋭くなっていく
ガギンッ
金属音が響き渡る
雷鳴は鳴り響き剣のぶつかる音が響き炎が燃え上がり熱を感じる
2人は見ている事しか出来ない
リスナー達も息を呑んで静かに観戦している
戦いの行く末を見守る
雷の一部が体に掠る、皮膚が焼かれ跡が出来る
魔物にも炎が当たる、鎧を超え皮膚を焼く
互いに痛みはもう感じない
剣を強く握る
この拮抗を破るには一撃
魔物と蓮二の思考は一致した
そして選択したのもまた同じ
血を吸わせて血を纏わせる
出力を最大にして炎を纏わせる
異能は拮抗している、ならば武器で
全身全霊の一撃を持って眼前の敵を仕留める
深呼吸をして整える
負けた時の事なんて考えない
望むは勝つ事のみ
全力で振るわれた剣がぶつかる
炎が血を蒸発させる
蒸発し切る前に押さないとならない

『行けぇ!』
『頑張れー!』
『勝てー!』
『ぶちかませ!』

「鶏君行け!」
「負けないで!」

観戦している人々は理解する
この一手で決まると
そして戦いの決着は付いた
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