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2章天鬼鶏
社畜 苦戦
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「当たらない」
炎を放つが命中しない
素早く動いている
「仕方ない」
溜めていた炎を解除する
溜めていた分の炎を戻して使う
(炎の量を増やすだけじゃダメだ……他の手を考えないと)
炎を広範囲に広げる
広がる速度はかなり遅い、ゆっくりと小さな炎が拡散していく
これでは直ぐに範囲外に逃げられる
危険を察した魔物が逃げようとする
「させない」
2つ炎の壁を作り出す
ここは広いが通路、2つの炎の壁があれば囲める
炎の壁に触れれば燃やせる
そして炎の壁から離れていても拡散させた炎がじわじわと襲いかかる
「これで炎は回避出来ないだろ」
遅いがこの狭いエリアでは全体に届く拡散した炎
時間はかかるが確実に倒せる
魔物は逃げ場が無いことに気づき動きを止める
蓮二はその姿を認識する
「大きいな」
動いていたのは蜘蛛のような魔物であった
かなり大きい
魔物は動きを止めた後口から何かを飛ばしてくる
回避する
「なんだ?」
地面を見るとベッタリとドロドロした液体がへばりついている
地面が溶けているという訳ではない
(地面は溶けないが食らったら溶けるなんて事有りそうだなぁ)
当たらないように注意する
「なんか分からないが食らうと厄介そうだ」
今からは炎が届くまでの時間を稼げばいい
蜘蛛のような魔物は素早く動きながら口から先程と同じ液体を飛ばす
回避メインで炎による防御も混ぜて凌ぐ
炎で防ぐが溶かしきれない
「まじか」
避ける
炎を防御に転用しているが炎は固めないと物理的な盾にはならない
高熱で炎に触れた物体を溶かしているだけ
高熱で溶かせない物体、溶かしきれない物体は完全には防げない
天井に居る魔物に剣は届かない
血も使いたくない
(壁と拡散で炎を使い過ぎてる。今使える炎だとギリギリ防御に回す分がある程度、押し切られそう)
一度に使える炎の量が決まっている
炎の壁と拡散する炎はかなりの量を使い尚且つ維持する必要がある
「時間かかるな」
拡散させた炎は広がるのに時間がかかる
魔物が動く、液体で攻撃を加えたあと素早く接近し足で襲いかかる
液体を避けて咄嗟に反応して炎で防ぐ
魔物は足が溶けるが近距離で再び液体を吐き出す
「避けられない」
回避も出来ず液体を足に食らう
魔物は1本の足を犠牲にしたがほぼ変わらない速度で拡散した炎を上手く避けて距離を取る
炎で追撃するが避けられる
「くっそ、何だこの液体、粘着性がやばいなぁ」
服も身体も溶けていない、痛みも無い
魔物の方を向こうとするが足が動かない
「まじかよ」
足が固定化されている訳では無い
重いのだ
かけられた液体が重く素早く足を動かせない
「やばいなこれ」
これでは次の魔物の攻撃に対応出来ない
「蓮二さん!」
「魔物が出たのか」
炎の壁の反対側で天音と一鬼が声を上げる
書き終わり戻ってこない蓮二が気になったのだろう
(ナイスタイミング!)
「壁を解除する! 魔物は天井に!」
炎の壁を解除し拡散させていた炎も戻す
「竜胆さん異能を!」
「蜘蛛型の魔物だと、見覚え無いぞ」
炎の壁が解除されるとすぐに一鬼が天井を見て魔物を確認する
「鎖よ縛って!」
素早くても天音の異能ならば拘束が出来る
蓮二の声に反応して異能を使う
4つの鎖が蜘蛛のような魔物を縛り上げる
拘束された魔物に間髪入れずに炎を放つ
液体を飛ばして炎を防ぐ
段々炎が押されていく
(押されてる!)
「獅子神」
「分かってる」
蓮二に向いてる間にジャンプして接近した一鬼が無防備な魔物に勢いよく槍を突き立てる
炎を防ぐ事に夢中だった魔物は回避も出来ず貫かれる
「柩」
一鬼が一言そう呟くと内部から白い棘が複数飛び出して魔物の体を貫く
魔物は力なく地面に落ちる
(鶏君が苦戦する魔物か。恐らく1体1だと私では勝てなかったな)
「苦戦したみたいだな」
「かなり苦戦した」
かけられた液体は本体と一緒に消滅した
重かった液体が無くなり足が軽くなる
「蜘蛛型結構なサイズでしたが何処に潜んでたでしょうか」
「見覚え無いんだよなぁ。なんで私一人の時に来なかったんだろ」
一鬼が一度来た時はこの魔物は見かけなかった
「最初攻撃してこなかったし好戦的じゃないとか?」
「好戦的じゃない魔物?」
「初めて聞きますね」
「素早くそしてあの液体がやばいな」
「溶けた?」
「いや、粘着性が高く何より重い。かけられた足が動かなかった」
「素早く動いてなおかつ重い液体をかけてくる……厄介だねぇ」
「成程」
すぐに紙に書き記す
相性の悪さだろうが蓮二が苦戦するレベルの魔物
「4級だと思ったが3級の可能性あるな。連携すれば楽に倒せたけど炎防いでたし」
(3級として看做すか。3級だとしたら攻略は諦めるべきか)
一鬼は認識を改めこのダンジョンの難易度を3級相当と看做す
4級ならば攻略出来る
ただ3級となると3人では攻略は絶望的、現状では不可能と言っても過言では無い
日本では未だに攻略された3級ダンジョンは無い程の難易度
海外でも攻略されている3級ダンジョンは数個
実力者を十数人集めて挑んで死者を出しながら何とか攻略に成功したケースのみ
「むしろ押されてた。あの液体耐火性能高い」
「それは相性悪いね。鶏君戦える?」
「問題ない」
「それじゃ二階層以降、ただ3級ダンジョンと考えて行動……鶏君に言ってもパッと来ないか」
「……うんまぁそうだね」
蓮二が苦戦したのは再生の魔物であって3級ダンジョンそのものでは無かった
「探索者にとって3級ダンジョンとして考えるは油断を一切しない最大の警戒をって事です」
「成程、了解」
「取り敢えず様子見だから危険なら即撤退、単独行動も禁止」
「分かった」
先程2人の合流が無ければ敗北していた可能性は高い
(油断し過ぎた)
(3級相当なら私も戦闘に参加しないと)
紙をしまって武器を取り出す
階段に戻り二階層へ降りる
炎を放つが命中しない
素早く動いている
「仕方ない」
溜めていた炎を解除する
溜めていた分の炎を戻して使う
(炎の量を増やすだけじゃダメだ……他の手を考えないと)
炎を広範囲に広げる
広がる速度はかなり遅い、ゆっくりと小さな炎が拡散していく
これでは直ぐに範囲外に逃げられる
危険を察した魔物が逃げようとする
「させない」
2つ炎の壁を作り出す
ここは広いが通路、2つの炎の壁があれば囲める
炎の壁に触れれば燃やせる
そして炎の壁から離れていても拡散させた炎がじわじわと襲いかかる
「これで炎は回避出来ないだろ」
遅いがこの狭いエリアでは全体に届く拡散した炎
時間はかかるが確実に倒せる
魔物は逃げ場が無いことに気づき動きを止める
蓮二はその姿を認識する
「大きいな」
動いていたのは蜘蛛のような魔物であった
かなり大きい
魔物は動きを止めた後口から何かを飛ばしてくる
回避する
「なんだ?」
地面を見るとベッタリとドロドロした液体がへばりついている
地面が溶けているという訳ではない
(地面は溶けないが食らったら溶けるなんて事有りそうだなぁ)
当たらないように注意する
「なんか分からないが食らうと厄介そうだ」
今からは炎が届くまでの時間を稼げばいい
蜘蛛のような魔物は素早く動きながら口から先程と同じ液体を飛ばす
回避メインで炎による防御も混ぜて凌ぐ
炎で防ぐが溶かしきれない
「まじか」
避ける
炎を防御に転用しているが炎は固めないと物理的な盾にはならない
高熱で炎に触れた物体を溶かしているだけ
高熱で溶かせない物体、溶かしきれない物体は完全には防げない
天井に居る魔物に剣は届かない
血も使いたくない
(壁と拡散で炎を使い過ぎてる。今使える炎だとギリギリ防御に回す分がある程度、押し切られそう)
一度に使える炎の量が決まっている
炎の壁と拡散する炎はかなりの量を使い尚且つ維持する必要がある
「時間かかるな」
拡散させた炎は広がるのに時間がかかる
魔物が動く、液体で攻撃を加えたあと素早く接近し足で襲いかかる
液体を避けて咄嗟に反応して炎で防ぐ
魔物は足が溶けるが近距離で再び液体を吐き出す
「避けられない」
回避も出来ず液体を足に食らう
魔物は1本の足を犠牲にしたがほぼ変わらない速度で拡散した炎を上手く避けて距離を取る
炎で追撃するが避けられる
「くっそ、何だこの液体、粘着性がやばいなぁ」
服も身体も溶けていない、痛みも無い
魔物の方を向こうとするが足が動かない
「まじかよ」
足が固定化されている訳では無い
重いのだ
かけられた液体が重く素早く足を動かせない
「やばいなこれ」
これでは次の魔物の攻撃に対応出来ない
「蓮二さん!」
「魔物が出たのか」
炎の壁の反対側で天音と一鬼が声を上げる
書き終わり戻ってこない蓮二が気になったのだろう
(ナイスタイミング!)
「壁を解除する! 魔物は天井に!」
炎の壁を解除し拡散させていた炎も戻す
「竜胆さん異能を!」
「蜘蛛型の魔物だと、見覚え無いぞ」
炎の壁が解除されるとすぐに一鬼が天井を見て魔物を確認する
「鎖よ縛って!」
素早くても天音の異能ならば拘束が出来る
蓮二の声に反応して異能を使う
4つの鎖が蜘蛛のような魔物を縛り上げる
拘束された魔物に間髪入れずに炎を放つ
液体を飛ばして炎を防ぐ
段々炎が押されていく
(押されてる!)
「獅子神」
「分かってる」
蓮二に向いてる間にジャンプして接近した一鬼が無防備な魔物に勢いよく槍を突き立てる
炎を防ぐ事に夢中だった魔物は回避も出来ず貫かれる
「柩」
一鬼が一言そう呟くと内部から白い棘が複数飛び出して魔物の体を貫く
魔物は力なく地面に落ちる
(鶏君が苦戦する魔物か。恐らく1体1だと私では勝てなかったな)
「苦戦したみたいだな」
「かなり苦戦した」
かけられた液体は本体と一緒に消滅した
重かった液体が無くなり足が軽くなる
「蜘蛛型結構なサイズでしたが何処に潜んでたでしょうか」
「見覚え無いんだよなぁ。なんで私一人の時に来なかったんだろ」
一鬼が一度来た時はこの魔物は見かけなかった
「最初攻撃してこなかったし好戦的じゃないとか?」
「好戦的じゃない魔物?」
「初めて聞きますね」
「素早くそしてあの液体がやばいな」
「溶けた?」
「いや、粘着性が高く何より重い。かけられた足が動かなかった」
「素早く動いてなおかつ重い液体をかけてくる……厄介だねぇ」
「成程」
すぐに紙に書き記す
相性の悪さだろうが蓮二が苦戦するレベルの魔物
「4級だと思ったが3級の可能性あるな。連携すれば楽に倒せたけど炎防いでたし」
(3級として看做すか。3級だとしたら攻略は諦めるべきか)
一鬼は認識を改めこのダンジョンの難易度を3級相当と看做す
4級ならば攻略出来る
ただ3級となると3人では攻略は絶望的、現状では不可能と言っても過言では無い
日本では未だに攻略された3級ダンジョンは無い程の難易度
海外でも攻略されている3級ダンジョンは数個
実力者を十数人集めて挑んで死者を出しながら何とか攻略に成功したケースのみ
「むしろ押されてた。あの液体耐火性能高い」
「それは相性悪いね。鶏君戦える?」
「問題ない」
「それじゃ二階層以降、ただ3級ダンジョンと考えて行動……鶏君に言ってもパッと来ないか」
「……うんまぁそうだね」
蓮二が苦戦したのは再生の魔物であって3級ダンジョンそのものでは無かった
「探索者にとって3級ダンジョンとして考えるは油断を一切しない最大の警戒をって事です」
「成程、了解」
「取り敢えず様子見だから危険なら即撤退、単独行動も禁止」
「分かった」
先程2人の合流が無ければ敗北していた可能性は高い
(油断し過ぎた)
(3級相当なら私も戦闘に参加しないと)
紙をしまって武器を取り出す
階段に戻り二階層へ降りる
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