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2章天鬼鶏
社畜 代償
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叶は地面に倒れ伏す
「どうした!?」
葉一は駆け寄り抱える
血が流れていく
口からだけではない
手足や胴体からも血が出ている
身体中に切り傷のような傷が出来ている
魔物との戦闘で負った傷では無い
「何をした」
「……異能で作った薬を使っただけの話だ」
「なんだと」
葉一は一つの考えに辿り着く
この現象は薬の副作用
叶の異能で作り出された高倍率の身体能力強化の薬に副作用が無いとは考えづらい
そして今の状況を加味すれば間違いなく薬の副作用による効果だと
それは正解であり効果を優先した結果副作用度外視の設計となっている
薬の名は自壊の毒薬、自分専用の最悪な切り札
「調和薬を使えば副作用も消せるだろ」
「……この薬には効かない……これは特別性だから……秘薬も効果は無い」
一鬼が救急車を呼ぶ
血が止まらない、このままでは叶は死ぬだろう
異変に気づいた二人も駆け寄る
「月神さん!」
「早く止血しないとこのままじゃ」
「……こうでもしなければ死ぬだろ。こうなるのは覚悟の上だ」
バックから道具を取り出して止血を試みる
しかし、傷が多すぎる
手元にある道具ではほんの一部しか止血出来ない
天音が必死に止血する
「何を言って」
「四人が無事なら良い……あぁ、しまった薬は殆ど残ってないな。あの薬も折角副作用を消せたのに」
「諦めるな」
「意識を保って!」
「救急車が来ますから!」
現代医療でどうにかなるか分からないが現状頼れるのはそれだけ
ここには治癒系の異能者は居ない
その上祈りの秘薬も効果がないのならやれる事は応急処置のみ
経験の多い天音と葉一が応急処置をする
蓮二は叶が意識を保つように声を掛け続ける
「大丈夫ですから、すぐに救急車も来ます」
「私も……あれを使う事になるとは思わなかったがな」
血を大量に吐く
「喋らないで」
「死に際だ……話くらいさせろ」
「死なせない」
「これは無理だろう」
一鬼は知り合いの治癒系の異能者に呼び掛ける
十分程度で救急車が来て運ばれていく
葉一が付き添う
救急車を見送る
「今日は解散にしよう」
「そうですね。疲れましたし二人は傷を負いましたから傷が治ってもしっかりと休みましょう」
「……そうだね。流石に疲れた」
「次のダンジョンアタックは他のダンジョンだ」
「……分かった」
あの魔物と対峙した以上あのダンジョンを攻略するのは難しいと経験の低い蓮二でも理解出来る
蓮二単体では蜘蛛の魔物にも勝てない
これが3級ダンジョン、探索者の上澄みでも苦戦するダンジョン
(あの魔物が中ボスでもなきゃ3級以上って認定しなきゃならんな。最も四人で戦って敗北……本当に精鋭を揃えて戦わないと攻略なんて不可能)
3級ダンジョンでも滅多に見ないレベルの強さ
最低でも中ボスクラスの強さを持つ
場所が中ボスのエリアでは無く通路であった事も響いたがどちらにしても被害は出ていただろう
勝った方法も命を顧みない手段
三人は解散して真っ直ぐ家に帰る
蓮二は家に帰ってベットに寝転がる
「殆ど戦えてない」
ほぼ後衛援護をしていた
前衛に入ったのは戦闘の一部
それも早々に攻撃を受けて暫く戦線離脱していた
それでも炎による攻撃でダメージは与えている
貢献はしている
「弱いな」
4級のダンジョンの主や再生持ちの触手の魔物に勝って自信を持っていた
だがそんなに甘くはなかった
上には上が居た
攻撃を受け戦線離脱して自分の弱さを理解する
4級のダンジョンの主に勝てたのも相手が同じ土俵に立って戦っていたから
その気が無ければどうなっていたか分からない
「次のダンジョンアタック……」
痛みを思い出す
尋常ではないほどの激痛、あれ程の痛みは感じた事がない
恐怖があった、致命傷を受け自分よりも経験の多い探索者が次々とやられていった
死を感じた、叶が居なければ全滅しかねなかった
「取り敢えず寝るか」
色々思う事はあるが疲れていた蓮二はすぐに眠りにつく
~~~
「何も出来てない」
家に帰った天音はそう呟く
異能が役に立ったのは最初、途中から殆ど役に立たなかった
風の短剣による一点突破の弾丸
これもダメージにはなっていない
活躍は最後に救助の時に動けたくらい
「私は強くない……3級ダンジョンだって援護だけ」
天音は戦闘能力が殆ど無い
攻撃を凌ぐ技術は磨いた
ダンジョンに潜った経験は多いので掘り出し物の武器を駆使すれば戦えはする
それでもしっかり戦えるのは4級がギリギリ行けるかどうか
「私は……不要では」
グループに入れたのは蓮二の会社が配信者を求めていたから
そしてグループメンバーの二人、一鬼や蓮二の善意による物
配信者としての実力があり蓮二よりもダンジョンの経験が多いから入れているだけで
一番弱く強い魔物相手ではほぼ役に立てない
「グループを抜ける……?」
グループ結成してまだ一つしか動画しか上げていない
まだ始まったばかりだがそれでも今回の件は響いている
(むしろ辞めるなら今のうち、今のうちにメンバーを変えた方が支障が出にくい。理由はでっち上げればいいし……って違う。何を考えて……)
ネガティブな意見を振り払う為に一度気分転換にシャワーを浴びる
「どうした!?」
葉一は駆け寄り抱える
血が流れていく
口からだけではない
手足や胴体からも血が出ている
身体中に切り傷のような傷が出来ている
魔物との戦闘で負った傷では無い
「何をした」
「……異能で作った薬を使っただけの話だ」
「なんだと」
葉一は一つの考えに辿り着く
この現象は薬の副作用
叶の異能で作り出された高倍率の身体能力強化の薬に副作用が無いとは考えづらい
そして今の状況を加味すれば間違いなく薬の副作用による効果だと
それは正解であり効果を優先した結果副作用度外視の設計となっている
薬の名は自壊の毒薬、自分専用の最悪な切り札
「調和薬を使えば副作用も消せるだろ」
「……この薬には効かない……これは特別性だから……秘薬も効果は無い」
一鬼が救急車を呼ぶ
血が止まらない、このままでは叶は死ぬだろう
異変に気づいた二人も駆け寄る
「月神さん!」
「早く止血しないとこのままじゃ」
「……こうでもしなければ死ぬだろ。こうなるのは覚悟の上だ」
バックから道具を取り出して止血を試みる
しかし、傷が多すぎる
手元にある道具ではほんの一部しか止血出来ない
天音が必死に止血する
「何を言って」
「四人が無事なら良い……あぁ、しまった薬は殆ど残ってないな。あの薬も折角副作用を消せたのに」
「諦めるな」
「意識を保って!」
「救急車が来ますから!」
現代医療でどうにかなるか分からないが現状頼れるのはそれだけ
ここには治癒系の異能者は居ない
その上祈りの秘薬も効果がないのならやれる事は応急処置のみ
経験の多い天音と葉一が応急処置をする
蓮二は叶が意識を保つように声を掛け続ける
「大丈夫ですから、すぐに救急車も来ます」
「私も……あれを使う事になるとは思わなかったがな」
血を大量に吐く
「喋らないで」
「死に際だ……話くらいさせろ」
「死なせない」
「これは無理だろう」
一鬼は知り合いの治癒系の異能者に呼び掛ける
十分程度で救急車が来て運ばれていく
葉一が付き添う
救急車を見送る
「今日は解散にしよう」
「そうですね。疲れましたし二人は傷を負いましたから傷が治ってもしっかりと休みましょう」
「……そうだね。流石に疲れた」
「次のダンジョンアタックは他のダンジョンだ」
「……分かった」
あの魔物と対峙した以上あのダンジョンを攻略するのは難しいと経験の低い蓮二でも理解出来る
蓮二単体では蜘蛛の魔物にも勝てない
これが3級ダンジョン、探索者の上澄みでも苦戦するダンジョン
(あの魔物が中ボスでもなきゃ3級以上って認定しなきゃならんな。最も四人で戦って敗北……本当に精鋭を揃えて戦わないと攻略なんて不可能)
3級ダンジョンでも滅多に見ないレベルの強さ
最低でも中ボスクラスの強さを持つ
場所が中ボスのエリアでは無く通路であった事も響いたがどちらにしても被害は出ていただろう
勝った方法も命を顧みない手段
三人は解散して真っ直ぐ家に帰る
蓮二は家に帰ってベットに寝転がる
「殆ど戦えてない」
ほぼ後衛援護をしていた
前衛に入ったのは戦闘の一部
それも早々に攻撃を受けて暫く戦線離脱していた
それでも炎による攻撃でダメージは与えている
貢献はしている
「弱いな」
4級のダンジョンの主や再生持ちの触手の魔物に勝って自信を持っていた
だがそんなに甘くはなかった
上には上が居た
攻撃を受け戦線離脱して自分の弱さを理解する
4級のダンジョンの主に勝てたのも相手が同じ土俵に立って戦っていたから
その気が無ければどうなっていたか分からない
「次のダンジョンアタック……」
痛みを思い出す
尋常ではないほどの激痛、あれ程の痛みは感じた事がない
恐怖があった、致命傷を受け自分よりも経験の多い探索者が次々とやられていった
死を感じた、叶が居なければ全滅しかねなかった
「取り敢えず寝るか」
色々思う事はあるが疲れていた蓮二はすぐに眠りにつく
~~~
「何も出来てない」
家に帰った天音はそう呟く
異能が役に立ったのは最初、途中から殆ど役に立たなかった
風の短剣による一点突破の弾丸
これもダメージにはなっていない
活躍は最後に救助の時に動けたくらい
「私は強くない……3級ダンジョンだって援護だけ」
天音は戦闘能力が殆ど無い
攻撃を凌ぐ技術は磨いた
ダンジョンに潜った経験は多いので掘り出し物の武器を駆使すれば戦えはする
それでもしっかり戦えるのは4級がギリギリ行けるかどうか
「私は……不要では」
グループに入れたのは蓮二の会社が配信者を求めていたから
そしてグループメンバーの二人、一鬼や蓮二の善意による物
配信者としての実力があり蓮二よりもダンジョンの経験が多いから入れているだけで
一番弱く強い魔物相手ではほぼ役に立てない
「グループを抜ける……?」
グループ結成してまだ一つしか動画しか上げていない
まだ始まったばかりだがそれでも今回の件は響いている
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