社畜探索者〜紅蓮の王と異界迷宮と配信者〜

代永 並木

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2章天鬼鶏

社畜 脱出

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魔物を倒して進んでいく
イレギュラーは起きず一階層まで着く

「警戒するのは入口だったか」
「一応本体は倒したし戻ってる」
「確か中ボスのエリアのようになっていたと言っていたな」

一階層の見た目は通路型、巨体と戦った時の姿はしていない
四人は警戒しながら入口付近を通るが何も起きない
そのままダンジョンを出る

「流石にもうイレギュラーは無いか」
「思っていたより時間がかかったな」
「レイ、依頼の報酬だ」

中ボスの魔石と素材を渡す

「もう魔石を貰った。報酬としては充分だ」

恐らく4級のダンジョンの主の魔石、魔石一つでもかなり高額な代物
(本当に充分なんだが)

「せめて二体の魔物のは貰ってくれ」
「お願いします」
「なら主の素材を貰う、それと貸し一つだ。何か助力を求めるかもしれないからな」
「その時はぜひ頼ってくれ」
「何でもします」
「その時が来たらな」

レイは剣を返して帰っていく

「鶏くん魔石と素材」
「良いのか?」
「これで防具や魔道具買え」
「……良いのあるかな」
「それは運次第だな」
「そういえば指輪どうしたんですか?」
「あれは使ってない。貯めた分の炎は時間経っても戻らないらしくて貯めると必要な時に使えないと思って結局使ってない」

一度に使用出来る炎の量が決まっている、最も量は状況次第で変動する
指輪に貯めると溜めた分の炎の量が使えなくなる

「あの指輪の効果なのか……貯めれるのは便利だと思ったがそれは使いづらいな」
「一回に限り溜めた炎と同等の炎を即座に放てる利点はあるけどね」
「蓮二さんの異能は炎の量が結構重要ですしね」
「僕の攻撃は炎を多く使うのが多いから減ると厳しいんだよね」
「そういえば宝箱はなかったのか?」
「僕は確認してないな」

(そういえば宝箱あるって言ってたね)
蓮二が持つ指輪は宝箱には入っていなかった

「レイが回収してるか無かったのか。もしくは崩れた瓦礫に埋まってたかもな」

ボス部屋の一部に瓦礫が溜まっていた
蓮二は宝箱を確認していない
レイは攻略している経験がある為こっそり開けているか見つけられなかった可能性はある
瓦礫はダンジョン製、崩れているとはいえかなり頑丈で埋まっていたら取り出すのは困難を極める

「確認するにはもう一度行く事だけど……巨体は再び戦うことになるかも」
「有り得るな。次は三人……攻撃は通じたから倒せるとは思うがかなりキツイな」
「獅子神、今回の動画どうする?」
「音声だけで映像取れてないから無理だな。そろそろ投稿しないと不味いよな? そのために動画撮ったんだけどなぁ」

イレギュラーが連続で起きた
配信をしていれば良かったが今回は動画用だった為巨体戦後の蓮二とレイの戦闘は映像が残っていない
中ボスも二人が参加した時は戦闘途中

「事情を話せば大丈夫だと思う。そもそも会社側の要求自体は満たしてるから文句を言えない筈」
「一先ず雑談配信でどうにか誤魔化して次ですね」
「次はどうする?」
「あの3級ダンジョンで行けるところまでだな」
「再生の魔物の?」
「そこだ。復活しているかも気になるしあそこは3級ダンジョンだからな」
「中ボスは一度戦っているので分かります。まぁ弱い……正確には蓮二さんなら余裕で倒せる相手でしたし」

(そういえばこのダンジョン4級だとしたらあそこより弱いはずなんだよな……)
蓮二が最初に入ったダンジョン
3級ダンジョン、本来なら4級ダンジョンより難易度が高い
あのダンジョンの中ボスを一撃で倒しているが4級ダンジョンの中ボスは魔物の耐性の関係で時間がかかり今回も苦戦した

「あのゴリラか」
「はい、そうです」
「どのくらいの強さなんだ?」
「溜めた炎で一撃、あのゴリラと戦ったのはもう一ヶ月前?」
「もうそのくらいですね」
「3級中ボスを一撃だったのか」
「おそらく力が強い魔物ですが再生する魔物よりは弱いと」
「その中ボスは置いといてあいつ復活してたら面倒なんだよな」
「再生と分身だからね」
「不意打ちには気をつけないと」
「正直あの時不意打ちを受けたのが私でよかった。私では勝てる気がしない」

柩という武器は形状変化するが決定打となりうる形状は突き刺した時に使っている物
しかし、あの図体相手では使ったとしても致命傷にはならない
そして槍ではコアに届かない
その上再生するし触手も硬い
一鬼では勝ち目が薄い魔物

「確かに属性型の異能もしくは突破力の高い異能持ちでないと難しいかと」
「触手も硬い」
「本体も硬いか、もし戦うなら触手の数本を引き付ける役か」
「私も引き付けます。鎖も増えましたからかなり楽になるとは思います」
「前回戦った時より異能の精度は上がってる。一度倒しているし勝てる」

自信ありげに言う
一度倒した魔物、三人で戦うとなればあの時よりも有利

「どうだろうな」

一鬼が疑問を呈する

「炎の出力が下がっているだろ?」
「……確かに」
「もしかしたら再生を上回る事は出来ないかもしれない。同じところにコアがあるとも限らないしな」
「確かにそうだね」

(獅子神さんの言う通りだな……出力が足りない可能性はある)

「今日は解散しましょう。いつ行くかは明日決めましょう」
「そうだな」
「わかった」

三人は解散してそれぞれ家に戻る
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