無色の君

代永 並木

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2話

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学校に着き茉耶姉と別れて教室に入ると3人の男子生徒がこちらに向かってきた
「おい、少しこっち来い」
キレ気味に男が言う。3人は昨日戦ったバスケ部の奴らだった
「断る、面倒くさそうだからな」
俺は断り自分の席に座ろうとすると胸ぐらを掴まれる
「調子に乗ってんじゃねぇよ」
(怒り赤黒い色だな。少し黒が混じってるからやな予感がする)
俺はため息をつく
「断っただけで調子に乗ってんじゃねぇとか何言ったんだ?」
俺は男を嘲笑うと男が殴ろうとすると美鶴が止める。男は胸ぐらを掴んでいた手を離して美鶴の方を向く
「何してるの? 君達こそあまり調子に乗らない方が身の為だよ」
美鶴は男の手を掴み怒りを表しているようだ
「美鶴手を離してやれ。負けた怒りを殴ってでしか表せないのだから仕方がない」
俺は美鶴に伝えると美鶴は手を離す
「そんな事言えるのは今のうちだ」
男が不気味に笑う
「先輩達と同級生何人かって所か。それならこちらも助っ人を呼ばないとなぁ。お願いします姉さん」
俺は廊下の方に行き扉のところから叫ぶと少し経ってから茉耶姉が来た
「どうかした? あら、昨日負けた人達じゃ無いの」
茉耶姉は3人を見て笑う
「氷の女王だと‼︎ だがこいつ1人で何が出来る」
男は驚くが余裕を見せて殴りかかる
(馬鹿だこいつ)
俺は再びため息をついて手を合わせる
茉耶姉は軽く避けると男は壁にぶつかる。再び男が殴りかかると茉耶姉は避けて手を掴み足を引っ掛けて倒す
「捕獲完了、君達もやる?」
茉耶姉は立ち上がり2人に問う
「いいえ、やりません」
男の1人が首を横に振り自分の席に戻る
「クソがー」
もう1人はナイフを取り出して茉耶姉に攻撃を仕掛ける
「ナイフ‼︎ チッ、馬鹿が」
俺は左足と右手に力を込めて横から顔面を勢いよくぶん殴ると男は黒板に頭を打ち倒れ込む
「多少だが痛いなこれ」
俺は右手の様子を確認する。少し痛みがあるが動かせない程では無かったので落ちたナイフを取り男の方に向かう
「いてぇ、ふざけんなよお前殺すぞ」
男は俺に向かって叫ぶ
「殺す? ナイフはこっちにあるぞ。てか、知ってるか? お前のやった事って犯罪だ。茉耶姉に向かってナイフで攻撃をしようとしたが未遂で終わってるから殺人未遂罪と刃渡り6㎝だっけからまぁそれ以上の刃渡りのある物を特に理由もなく持ち歩くと銃刀法違反にあたる結果お前は2つの犯罪を犯してる」
俺は丁寧に説明する
ちなみにハサミなども該当する場合があるため持ち歩きは気をつけた方が良い。6㎝以内でも軽犯罪に該当してしまうことがある。詳しく知りたいならググろう。皆刃物が必要で持ち歩く以外には持ち歩かない事護身用武器なら護身用スタンガンなどを持ち歩こう。普通のスタンガンではなく護身用をですから気をつけてください
説明はここまで話を戻します
「だからどうした‼︎」
男が叫ぶ
「茉耶姉警察呼んで、先生方に伝えるよりもこっちの方が解決が早いし的確だ」
俺は茉耶姉に警察を呼ぶように伝えると茉耶姉は携帯を取り出して電話を行う
「今呼ぶわ。逃げられないように捕らえといて」
茉耶姉が電話している間は俺がその男を押さえて動けなくしている
「動くなよ。動けば骨を外す」
(脅迫罪)
その時気づかなかったというより忘れていた
茉耶姉に最初捕まった人が今自由になっていることに
「死ねぇ」
男がナイフを持って茉耶姉に切りかかるが避けられた為勢いのままに俺に向かって切りかかってくる
「連、避けて」
茉耶姉が叫ぶ
「しまった‼︎」
俺は咄嗟に避けようとするが間に合わない
ザクッと音がして目の前に血が飛ぶ
「美鶴‼︎ お前なんで」
俺は思わず叫び美鶴に駆け寄る
「大丈夫だよ。この程度なら」
美鶴は立ち上がろうとする。ナイフが美鶴の右腕に刺さっていた。かなり深くまで刺さっているようで血が流れている
「傷が深い。応急処置程度じゃあ駄目だな。保健室行って応急処置を行なって病院に行くぞ」
俺は制服の袖を破り腕を縛り保健室に連れて行こうとするが男に止められる
「行かせねぇよ。ナイフ寄越せ」
男は美鶴に刺さっているナイフを取ろうとしたので俺は顔面を殴り続けて顔を掴んで地面に勢いよく叩きつける
「調子に乗るなよ? 貴様の頭蓋骨砕いてやろうか?」
俺は叩きつけてから髪の毛を掴んで脅す
「出来るならやってみろ」
男が笑う
「じゃあ試してみるか」
俺は壁に叩きつけてからまた地面に叩きつけて顔面にかかと落としをしようとすると茉耶姉に止められる
「それ以上は駄目、落ち着いて警察が来るからこいつらは置いといて美鶴ちゃんを保健室連れて行くよ」
茉耶姉が小声で言って俺は冷静を取り戻す
「少し頭に血が上ってしまった」
俺は反省してすぐに美鶴を連れて保健室に移動する。保健室に着くと扉を開けて中に入る
「どうしたの? ってナイフ⁉︎ ここじゃあ応急処置しか出来ないわよ」
先生が美鶴を見て慌てる
「取り敢えず応急処置をしてから病院に連れて行く気です。先生応急処置済んだら車を出してください」
俺が先生に伝える
「分かったわ。ここに座らせて」
先生に言われて椅子に美鶴を座らせる
「ナイフって何があったの?」
先生が包帯を巻きながら聞く
「昨日の件で少しそれでナイフを取り出して俺に切りかかったのをこいつが前に出てこうなった。詳しくは警察が来たら伝えます。まぁ、俺も捕まると思いますが脅迫罪と過剰に相手に攻撃を加えてしまったから」
俺は軽くだが先生に説明する
「わたしには分からないけどしっかりと説明すればなんとかなるんじゃないのかな」
先生は少し笑う
「まぁ、自分の罪はしっかりと受けます」
その後すぐに病院に連れて行った結果あまり腕に負荷を与えないで生活すれば治ると言われた。ギリギリ骨に当たっていなかったそうだ。その後すぐに学校に戻り警察の事情聴取を受けた。2人は反省する気が無かったようで捕まり退学して俺は何故か1時間ほど説教をくらい反省文を書かされ2人を取り押さえていたこともありなんと2週間の自宅謹慎で済んだ。美鶴は少し怒られ勇気を褒められて茉耶姉は高校卒業したら警察に入らないかと勧誘されていた。しかし、美鶴は右腕を刺されたせいで生活に支障が出た為傷が治るまで茉耶姉が手伝っている。逃げて席に座った男に関してはナイフを所持してなく攻撃を加えてようとしなかった為お咎めなしとなった
「結果が良ければ全て良しというが結果があまり良くないな」
俺は独り言を呟く
「仕方がない。まさか2人がナイフを持っているなんて思いもしなかった。連ごめん警戒していればこんな事にはならなかったのに」
茉耶姉が謝る
現在俺の部屋で3人が集まっている
「いや、姉さんは悪くねぇ、ナイフを持っているなんて誰も思わねえよ」
俺がため息をつく
あの後、俺は2週間の自宅謹慎になったのは良いのだが謹慎が解けても学校に行っていなかった。仮にも犯罪を犯したのに何も無かったかのように学校に行くのは気が引けてついつい休んでしまった。理由はもう一つ教室であんな事あったのだから俺たちを見る時の色がどうなっているのか考えるだけでも気分が悪くなる
「学校行きたくない」
美鶴が言う。あの後学校に行っていないのは俺だけでなく2人も行っていない
「無理もないよな。あんな事あったら」
俺は美鶴に言う
「最悪だよ。あいつらのせいでなんで私達まで」
茉耶姉はため息をつく
「バスケの試合でボコボコにしたのが悪いのかな?」
美鶴は聞く
「ボコボコにされる程弱いくて実力差も分からない奴らが悪い」
俺は答える。
「一応保健室の先生に保健室にいて良いから登校はしようよと言われている」
保健室の先生は事情を知って保健室登校でも良いから来るように言っている
生徒とそんなに顔を合わせないで済む為中々良い提案だと思う
「暇だし保健室で先生の手伝いをしていればそのうち教室に戻れるかもな。まぁ戻らなくても大抵の授業内容なら教科書で分かるし大丈夫だよな?」
俺が聞く
「そうね。明日からそうしよう。勉強なら任せてわたしが教えるよ。それで良い? 美鶴ちゃん」
茉耶姉が答える。茉耶姉は学年トップであり教えるのが上手い人気が高い理由の一つでもある
「構わない。それと時間が時間なのでもう帰るね」
美鶴が立ち上がると茉耶姉に止められる
「今日はわたしの部屋行って止まってくれる? 話したい事あるからバックと制服を持って来てるんだしさ」
茉耶姉は美鶴に伝える
「だから持って来てと言っていたんだね」
美鶴は納得して再び座る
「何かやる事あるか? 非常に暇なのだが」
俺は携帯を弄る
「それだったら2人の解決した事件教えてくれない?」
美鶴が2人に聞く
「俺たちの? それならあの話するか。中学の時の話だから聞いた事はあるはずだが銀行立て篭もり事件の話」
俺は美鶴に聞いてみる
「銀行立て篭もり事件? どれの?」
美鶴は首をかしげる
「連、それだけじゃあ通じないわよ。中一の時、柳銀行だよ」
茉耶姉は美鶴に説明する
今更ながらに現存する組織と団体とは全く関係ありません
「あれは1番ある意味面倒だったけど結構楽だった。相手が銃持ってたし斗真が居たからな」
俺は思い出して苦笑いする
「銃? 銀行立て篭もりだからあり得そうだけどそれと斗真さんって?」
美鶴が聞いてくる
「銀行立て篭もり事件で犯人の数は3人のハンドガン三丁であった。人質の数は2人を入れて15人だったな確か斗真ってのは合気道の道場に通っていた人物」
俺が答える
「よく解決出来たね。君たちって何者なの?」
美鶴が聞いてくる
「氷の女王と呼ばれてて合気道の名門の娘で一応師範代」
「一応合気道を習ってるだけの通常だと一般人より弱く戦闘狂で共感覚の持ち主で身体が弱い人です」
2人とも素直に答える
そういえば共感覚っていじめとかの標的になるのか?
「どっちにしろ普通じゃないのね2人とも」
美鶴がジトっとした目でこちらを見る
(美鶴がジト目を覚えた)
「まぁ、普通ではないなってお前もそうだろ無情の氷姫兼中学バスケ部を全国優勝に導いたお前が言うなよ」
俺が返す
「ここにいる3人って普通とは何故か違うわよね。類は友を呼ぶ?」
茉耶姉がことわざを出してくる
類は友を呼ぶとは気の合うものや似通った者同士は、自然と寄り集まって仲間を作るものであるということ
「そうなんじゃないのか? それより話そうぜ。あの時のことをさ、あのくだらない立て篭もり理由で巻き込まれてブチ切れたあの話を」
時はまた遡り中学一年の時訳があり知り合いについて行って銀行に向かった頃
「何で今銀行に?」
俺が車を運転している人に聞く。この人は東阪斗真は茉耶姉の家の道場で合気道を習っている人だ。お金以外に関しては信用できる男である
「少しお金が必要になってな。それで銀行で金を下ろそうとしている」
斗真はそう答えた
「果たしておいくら万円なのかしら? 斗真」
茉耶姉は斗真に聞く
「2、20万です茉耶お嬢」
この人は少し金銭感覚がおかしい所があるらしく茉耶姉はお金に関しては斗真を信用していない
「それより銀行に着きました。2人は降りますか?」
斗真が話を変える
「えぇ、幾ら下ろすか確認したいからね」
「俺も一応降りる。ここにいても暇だしな」
2人も車から降りて3人で銀行に入る
中に入ると客が数人いた
「2人はここで待っていてください」
斗真は歩き受付に移動する
その後少し経ってから黒い服を着た3人が銀行に入り斗真の隣の受付の所に行ったら銃を取り出して女性を脅迫して金を要求した
「おい、金を用意しろ。こいつ以外は端っこに行け」
全員が言われた通りにする。顔を隠しているため素顔が見えない
「強盗ですかねお嬢」
斗真が茉耶姉の近くに来て小声で話す
「連、分かる?」
茉耶姉が俺に聞いてくる
「分かるかよ。そこまで便利じゃないぞこれは、でもただ金を手にする為に来た訳では無いな。別の目的があるだろう」
俺は答える
「3人ならやれますよね?」
斗真が聞いてくる
「貴方みたいに全員が銃弾を避けれると思っているの? まぁ油断したら1人を無力化は出来るわよ」
茉耶姉が答える
「こんな事をする理由が聞きたいのだが斗真行ってこい」
俺は斗真を押し出す。
「ですよねー。すみませんこんな事する理由って何ですか?」
斗真は手を上げて立ち上がり犯人の1人に聞く
「理由そんなの簡単だ。そこの女に振られたからだ3人な」
男が怒っているようだ
「「……くだらない」」
2人は絶句していたあまりのふざけた理由に
「わたしが囮になるから1人やって」
俺にそう伝えて茉耶姉が立ち上がり前に出る
「何だ女、って結構いい女じゃねぇか」
男達が茉耶姉を囲む
(引っかかったよ。まぁ、美人だからな)
「そう言われると嬉しいわ。少しトイレ行きたいのだけど通してもらえる?」
茉耶姉はそう言って通ろうとするが止められる
「ダメだ。我慢しろ」
男の1人が止める
ふと外を見てみると警察が来ていたので人質を連れてゆっくりゆっくりとバレないように移動する。現在斗真は放置されている為合図を送ると気づき従業員に伝えてこっそり移動している
茉耶姉は注意を引くために演技をする
(あの人演技クッソ上手いからな)
少し経って人質を解放した。警察が驚いていたが俺が静かにするように言うと黙って人質の安全を確認する。
「茉耶嬢何者」
斗真が聞いてくる
「天才じゃねぇのか? それより2人を後ろから無力化するぞ。相手が銃を向けて来たら盾にしろ」
俺は斗真に伝えてから背後に移動して茉耶姉に合図を送ると茉耶姉はバレないように頷く
茉耶姉が突然座り込むと3人が少し前に出たので背後から2人の首を締めて無力化する
「何だお前ら」
男は銃を向けるが味方を盾にされたので撃てない
「流石に味方は撃てないようね」
茉耶姉は立ち上がり銃を持つ手を叩き銃を落とした所を掌底を繰り出す
「がっ、く……そ……が」
男は倒れ込む
「私はその内後ろから刺されるのかな?」
茉耶姉はため息をつく
「姉さんなら刺される前に倒せるだろ」
俺はそう言って外に出る
警察は俺たちが出て来たことに驚き戸惑っている。俺たちは車のある方に向かい途中ですれ違った人に中の状況を伝えて車に乗って帰る
現在に戻る
「まぁ、こんな感じだ」
俺達は話し終える
「成る程、 凄いね。君たちは僕の時の事件といい本当に凄い」
(黒?)
「凄いだろうって言っても姉さんの囮のお陰だけどな」
俺は答える
「さて、丁度良い時間だからご飯を作る。部屋から食材を持ってくる」
茉耶姉が部屋を出ようとするので美鶴が付いて行こうとするが止められる
「私1人で大丈夫だから待ってて、後怪我してるんだから大人しくね」
「わかりました」
美鶴は大人しく戻る
「なぁ、お前って中学の時女で登録して頼んだよな? 高校にどうやって男で登録したんだ?」
俺はふと思い聞いてみる
「それは遠かったからなんとか誤魔化せているって感じかな?」
美鶴は疑問形で答える
「なんか釈然としないがまぁ良いか。ところで余計なお世話だと思うが俺たちが話した二つの話に関して深く考えるなよ」
俺は美鶴に忠告した
「? 分かった」
美鶴はとりあえず頷く
(気づいていないのか)
その後しばらくしてから茉耶姉が戻って来て料理を作り始める。茉耶姉はほとんどなんでも出来る
「茉耶さん、料理出来るんだ」
美鶴が感心している
「姉さんはほとんどなんでも出来る化け物だぞ。弱点といえばあいつかな?」
俺は考える
「あいつ? 一体誰の事?」
美鶴が聞くと
「連? あの子の話をしないでくれるかな?」
茉耶姉は俺に殺意を向けて来た
「殺意を向けんなよ。まぁ、気持ちはわかるけどいずれ決着をつけないといけないだろ?」
俺は軽く笑う
「それなら連はあの子だね。美鶴ちゃんあの子ってのは2人いて私と因縁がある子と連と因縁がある子がいるの」
美鶴に茉耶姉は説明する
「それって僕が知ってる相手?」
美鶴が聞く
「下手したら知ってるかもな。名前は月見澪と月見夜鬽だ。知っているか?」
俺は名前を教えて聞くが
「分からない、僕と関わりがある人?」
美鶴が首を横に振る
(あるといえばあるがその事を知らないよな)
「一応あるんじゃないか? 分からんけど」
俺は答える
「2人には気をつけた方が良いよ。2人は双子なんだけど黒髪と白髪の少女で顔立ちは似てるから分かりやすい」
茉耶姉が説明する
「一体なんの因縁があるの?」
美鶴は聞く
「因縁って言うか敵対かな? これに関してはどっちが悪いとかないんだよなぁ。今のこの国だとあの2人が悪かな?」
俺は答える
俺と敵対しているのが月見夜鬽で茉耶姉と敵対しているのが月見澪である。高校に入ってからは一度も姿を現していない
「高校に入ってからは一度も見てないね。流石に姿を隠したかな?」
茉耶姉が言う
「どうだろう。あの2人は最後に『また会おうよ。君に伝える事がある』と言っていた」
俺は茉耶姉に伝える
「そう、まぁまた会った時に聞けば良いよ。ご飯出来たから食べるよ」
茉耶姉は皿にご飯をよそり机に移動して3人で食べ始める
しばらくして食べ終わり2人が部屋を出ていくのを確認して棚にある1冊の本を取り出して本を開くと中からメモが出てくる
「噂をすれば影がさすか」
俺はメモを制服に入れてベットに寝っ転がる
「……考えても意味が無いか。風呂入って寝るか」
風呂に入る準備をすると扉が開く
「誰だ?」
俺は警棒を持って扉の近くまで行くが誰もいない。
「メモ? ……はぁ、めんどくさいなぁ」
その後すぐに寝る準備を済ませて寝る
翌日
俺は起き上がりすぐに準備をして外に出ると2人が待っていた
「ようやく来たおはよう
「おはよう、いつもこんな時間なの?」
2人が挨拶をして3人で学校に向かう
学校に着いてすぐに保健室に移動して時間を潰す。先生は最初驚いたが特に何も言わずに3人を入れてくれた
「授業を受けなくて良いのは最高だな」
俺が椅子に座りながら言う
「退屈なだけだもんね」
茉耶姉は欠伸をしながら言う
「一部の先生がうざい」
美鶴が本を読みながら言う
「何読んでるんだ?」
俺が聞くと
「心理の専門書」
美鶴は答える
「心理? 成る程ね」
茉耶姉が納得している
「? 俺もなんか本持って来れば良かった」
俺は欠伸をする
「自由だね3人とも」
先生が軽く笑う
「まぁねそういえば先生はなんとも思わないんですね俺たちの事」
俺が気になり聞く
「えぇ、貴方達悪い子じゃなさそうだもの。話を聞くにあの2人の行動に怒ったんだから正常だと思うの」
先生が答える
(この先生は裏表がない人かな?)
「そういえば他の先生って保健室に来てる事知ってます?」
茉耶姉が聞く
「いいえ、来てる事は知らないわ。後でこちらで出席日数などは変えておくから大丈夫」
先生は笑顔で答える
「嫌な予感がするんだが」
俺は言うと茉耶姉は頷く
「そうね。今回の事件も多分……」
「はぁ、めんどくさい」
俺はため息をつき考える
(変なんだよなぁ。今回の事件は武器を持っていた。普通のナイフなら誰でも手にできるがあのナイフはそう簡単に手に入らないだろう。後あの2人に美鶴を会わせたくないな)
「1人でいいから誰か手伝ってくれる?」
先生が3人に呼びかける
「それなら私が行きます」
茉耶姉が立ち上がり向かう
「姉さん気をつけろよ」
俺が伝える
「心配無いよ。やばそうだったらちゃんと伝えるから」
茉耶姉はそう言って先生と一緒に外に出る
「保健室なのに誰も来ないんだな」
俺が呟く
「そうだね。保健室に誰も来ないっておかしく無い?」
美鶴は周りを見渡す。今日以外の日は大抵サボるために生徒が来たりするのに誰一人として来ていない。3人がいる事は知っていないはず
(やめてくれよ。面倒ごとに巻き込まないでくれ)
俺はそう思いながら外を見ると生徒が体育の授業をやっていた。中にはサボっている人もいるが大半はしっかりとやっている
「体育自体は嫌いじゃないんだけど走るのは無理」
俺は外を見ながら呟く
「僕は特に嫌いでもないけどなんで?」
美鶴が聞いてくる
「走ると疲れると同時に足が痛くなって辛いんだよ」
俺は脱力する
「じゃあ、鬼ごっこは?」
何処からか声がする
俺はため息をついて周りを見渡すが誰もいない
「誰? 何処にいるの」
美鶴が立ち上がり周りを見渡している
「美鶴、とりあえず座って待機しろ。敵だが攻撃はして来ないだろう。ここにいるのは1人だけか? もう1人は茉耶姉の方に行ったようだな」
俺は美鶴に座るように促して話し始める
「……」
「喋らないか。なら、とっとと失せろ」
俺は再び外を見始める
「久し振りの再会なのに酷い、そんなに私の事が嫌い?」
「再会とか言って姿隠してるんじゃねぇよ。後お前の事は嫌いだ」
俺はまた話し始める
「誰と話しているのかな?」
美鶴が恐る恐る聞いてくる
「この声の主、こいつが俺と敵対している張本人だ」
俺は答える
「そしてこの声の正体は私、改めて久し振りついでに結婚しようよ練」
声の正体は白髪の少女だった。少女は背後に現れ俺に抱き着く
「おい、漢字が違うぞ。練じゃなくて連な。後断るぞ」
俺は後ろに現れた少女に答える
「月見夜鬽?」
美鶴は混乱している
「そうだ、こいつが月見夜鬽」
俺が答える
「そう、残念」
夜鬽は落ち込んでいる
「俺とお前は敵対しているそうだろ? 闇商人夜鬽」
俺は夜鬽を見ながら言う
闇商人とは裏ルートで取引したりこっそりと裏ルートの武器などを売り捌く人々の事である。2人は闇商人であるが警察に捕まらない理由は至極簡単でふざけた物だ
「闇商人? なんでこんなところに? 警察を呼ばないと……」
美鶴が携帯を取り出して連絡しようとするが夜鬽に止められる
「駄目だよ? 君は女の子だよね? 可愛いね。姉さんが気に入りそう」
夜鬽は美鶴に抱き着き耳元で囁く
「ひっ、何を」
美鶴はびっくりして逃げようとするが抑えられ机に押し倒される
「可愛いなぁ、食べちゃいたい」
夜鬽は美鶴の耳たぶを甘噛みする
「澪か、たしかに美鶴をあいつは気に入りそうだな。ところで来た理由は?」
俺が夜鬽に聞く
「来た理由はさっき言ったのと勧誘」
「断る、さっさと消えろ」
俺は断り居なくなるように促す
「まだ内容言ってないのに……じゃあこの子を人質にするね」
夜鬽は美鶴を指差す
「そいつで何をする気だ」
俺は夜鬽を睨みつける
「ただのラブコメはつまらないよ。もっと楽しもうよ。無色のこの子を使ってさ」
夜鬽はそう言って美鶴を抱えて外に出ようとするが俺が夜鬽を掴み上げる
「これが痛みなんだ。苦しい痛いけど君の本性が出る為なら私を殺して良いよ」
夜鬽は笑顔を作る
「連‼︎ 先に謝っとくよ。ごめん」
保健室の扉を勢いよく開けて茉耶姉が俺を殴り飛ばす。俺は壁にぶつかる。夜鬽は地面に倒れ込む。美鶴は今の状況に混乱して立ち尽くしている
「また我を忘れてた。助かった姉さん」
俺はゆっくり立ち上がる
(あいつは嘘をついていない。まぁ、あいつも同じだから嘘つく意味がないと知っているからか)
「時間切れ、残念だなだなぁ。また会おう」
夜鬽は窓から外に出て帰って行く
「姉さん、澪の奴はどうした?」
俺が聞く
「少し前に逃げたわよ。久し振りに会っていきなり告白されたわ」
茉耶姉はため息をつく
「茉耶姉もかよ。あいつら一体何がしたい。ただあいつらから美鶴を守らないといけないようだ」
俺は美鶴を見る
「美鶴ちゃん? 連れて行かれかけたの?」
茉耶姉が聞いてくるので俺が頷く
「無色……厄介だな。美鶴お前茉耶姉の部屋で泊まれ、それと絶対に茉耶姉か俺のどっちかと一緒にいろ」
俺は美鶴に言う
「分かった。僕だけじゃあ対応出来ないから」
美鶴は頷く
「今日は帰ろう。家にいた方が安全だから」
美鶴を連れて茉耶姉が帰ろうとする
「すまない。先に帰ってくれ。用事がある」
俺はそう言って走って外に出てある場所に向かう。約10分間走って目的の場所に着く。そこは工業跡地であり中に入ると少し埃っぽいが人が出入りしている跡が残っていた
「あれ? 来たんだ~」
夜鬽が俺を出迎える
「来たんだね。メモを見たんだね。なら、力を貸してくれるのかい? この歪んだ世界を変える為に」
後ろから黒髪の少女が現れる。夜鬽と顔立ちが似ている。
「澪か、俺は世界とかそういうのは興味がない。しかし、聞きたいことがあってな。貴様らは俺たちの周りで問題を起こす‼︎」
俺は2人を睨みつける
「2人に力を借りたいからだよ。君は私を自由にしていいんだよ? まぁ、愛人で良いけどね」
夜鬽は近づいて腕に抱き着く
「私は彼女が好きなのだから彼女を私の物にしたい。無理矢理でもね。腕の一本ぐらいなら無くても良いかな? 美鶴ちゃんだっけ彼女も可愛いんだよね?」
澪は俺に聞いてくる
「そうだな。それはどうでも良い。一体何が目的なんだ?」
俺は2人に問う
「…………」
夜鬽は耳元で囁く
「どういう事だそれは」
俺は聞き返す
「そのままの意味だよ。ふふふ」
夜鬽は楽しそうに笑う
「どうする? 君には選ぶ権利がある。考えておいてね」
俺はすぐに外に出る。2人は追ってくる気が無いようなのですぐに家に帰る
(全く訳がわからん、平和では無くなったのはたしかだなクソが)
家に帰った後2人と軽く会話をして自分の部屋に戻り眠る
翌日
俺は朝に起きたが今日は学校が無い
「今日は学校無いし二度寝するか」
俺は再び寝る。
~~~
「さて、女性が増えましたがどういう気持ちでしょうか?」
声がして俺は目を覚ますと少女に膝枕をされていた
「眠いです寝かしてください」
俺はそう言って目を閉じようとするが目を閉じさせてくれない
「ダメです。さて、そんなどうでも良い事は置いといてどうします?」
少女が聞いてくる
「どうするかね? なんか能力とかに目覚めるならやる気はあるんだけどさぁ、俺にどうしろと?」
俺が苦笑いをする
「さぁ?」
素っ気なく少女は答える
「これは酷いなぁ。俺が死ぬとお前も死ぬんだぞ? なんか無いのか?」
俺が聞くと
「元々死んでますが私は」
淡々と返された
「そうだったな。どうするかねまじで」
俺は考える
「無色の彼女はこれ以上危ない目には合わせないようにしないと行けないですよ」
少女が忠告する
「知ってる。だから困ってる。お前ってなんか力とか持ってないのか?」
俺は少女に聞く
「残念持ってません。……いや一応ありますよ。私の生前の技術ですが」
少女が少し考えている
「生前の技術って確かお前は……出来れば使いたく無いがまぁ借りることを視野に入れておくか」
俺はそう言って再び眠ろうとするが阻止される
「待ってください。会話をしましょうよ」
少女が軽く笑う
「会話? 一体なんの話をするんだよ」
俺は少女に聞く
「なんの話をしましょうか?」
少女は考える
「決めてなかったのかよ。お前が成仏する方法を考えるか? 霊能者にお祓いをしてもらうか」
俺は冗談のつもりで言った
「それは困ります。消えてしまいます。それと少なからず貴方にも影響が出ますよ」
少女は必死に止めようとする
「影響? なんでだ」
俺が聞く
「こんな世界を作れるんですよ? 現在貴方の精神、心に私は取り憑いて居るのです。影響が出ない方がおかしく無いですか? 後道連れにしますので」
少女が含み笑みを浮かべる
「成る程、確かに影響が出る可能性が高いな。それに道連れは困る」
俺は苦笑いをする
「貴方が私と話すのって2度目なんですよね。そうたった2度目です、約4年ほど取り憑いて居るのになので実はこちらからこの世界に引きずり込んで永遠に此処に居てもらおうとして居たんですよ」
少女が笑う
「まじかよ。俺に取り憑いた理由ってなんだ? てか、お前って若いように見えるが何歳で死んだ?」
俺が問う
「私の年は15歳ですよ。私はちゃんと若いです。取り憑いた理由は貴方という人間に興味が湧いたから精神、心に入り込んで取り憑いたのです」
少女が説明する
「そんな若さで生前あんな事やってんのだな。暇だったらまた来てやる」
俺がそう言って眠りにつく
「約束ですよ‼︎ また会いましょう。貴方が死なない限り私は貴方の元を離れることはないので」
少女の声が最後に聞こえ再び目を覚ますと自分の部屋にいた
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