残念女子高生、実は伝説の白猫族でした。

具なっしー

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どうやら私、伝説の存在らしい

桜、げっとだぜ!

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「白猫族…………」
ジュリアンの心の中はハリケーンが起こっていた。
なんっなんだ!この可愛さ!くっっっ、ただでさえ、そこらの女なんか比べものにならないほど可愛いのに、さらに可愛くなるだと!?こんなことあっていいのかよ。はんそくだろ!そりゃ秘密にするわ!結婚して誓約結ばせるわ!じゃないとまずいぞ…俺でまだ3人目だって言ってたよな、まずいだろ。いや、少ないに越したことはない…けど、これは全世界から狙われる、戦争が起きるぞ!だから聖女も消えちまったのか…にしても、白猫族は絶滅したはずだよなぁ、なんでこいつが…あ、ルシアンが苦笑いしてる。本人は……うん、なんもわかってなさそうな顔してるな。まぁ、可愛いから良いけど、俺らが守んないとなぁ、とんでもない嫁を貰っちまったようだ。耳、触ってみてぇな。

「うん…事情はわかった。精霊にあうのはなんの問題もなさそうだな。」
「じゃあ俺は外で待ってるねぇ。結界はそのままにしておくからぁ、安心してね!じゃ、空ちゃん。頑張ってねぇ」
「はーい!」
そういって復活したジュリアンを見てルシアンは退出した。

「よし、やるか。んじゃ、」
といってルシアンはポケットから虹色の石をとりだした。オパールみたい!そういえば、ジュリアンの瞳もこの石みたいだよなぁ。ボケーっと見ていると
「おい!間抜けな顔してないで、祈れ!」
「いのる?んー?はーい」
ちょっとよくわかんないけど祈れって言われたから祈る。んーんー、精霊さん聞こえてますかー?そらですー。ちょっとお願いしたいことあるんで、きてくれませんか?そんなに難しいことじゃないんでお願いしますよー。そこをなんとかー

ジュリアンは手に持っていた石を水の入ったコップの中に入れた。

「セレフォニア・オルヴァリオン・エスティル・イグナティウム・カリドラス・フェリシア!!!(精霊様お願いします。こんな場所で申し訳ないんすけど、報酬は弾むんで、ちょっとでてきてもらえませんか?)」

ん?なにやらジュリアンが呪文を唱えている。せれふぉ?おる?ん?ある?…魔法ってこんな呪文唱えないといけないなら私使えないじゃん。残念ファンタジーだよ。厨二病ぽいし…(空はルシアンが無詠唱で魔法を使っていることをすっかり忘れていた。)
ていうかさっきから祈ってるけど意味あるのかなぁ、なんか客観的に見たら滑稽じゃない?さっき薄目で見たらジュリアンコップに石入れてたし笑笑。精霊様もびっくりだよこんなとこに呼ばれるなんて笑笑あの水飲み干して出てくるのかな?精霊様ってどんな姿なんだろ、やっぱり神聖で、荘厳な…

「ちょりーーーっす!あたいになにか用っすか?」
声が聞こえて見上げてみるとなんと、そこにはギャルがいた…
「ギャル…」
「惜しい~!あたいは水の精霊の番はってるキャルっていいまーす!よろぴく~」

…誰だよ名前つけたの。
「精霊王様、お久しぶりでございます。本日はどうしても緊急でお願いがあって、お呼びしました。応えてくださりありがとうございます。」
「いいっすよー!かわいい信徒達のためっすからね!!それにーあの子の子孫がいたもんだからね、会いたくなってきちゃった!」
そう言ってキャル様は私の方を見た、

「子孫…?」
「うん、そうだよ。君はあの伝説の聖女のひ孫なのさ」
「ひ孫…でも、聖女様って急に消えたんですよね?どうしてそれが私と?」
「あたいも、あっちにいってからの暮らしはよく知らないんだけど、消えたっていうより、この世界を出て異世界に転移した。が正しいんだよね、それが多分君の国だったんだよ。君はあの子に会ったことがあるかい?」
「ううん、会ったことはないです。おばあちゃんにひいおばあちゃんは戦争でおばあちゃんをかばってなくなったって聞きました…」
「そうか…あの子らしいね、……空、君も急に知らない世界に連れてこられて大変だったね?女神っちも君に会いたがってたよ。今度教会に行ってあげてね。望むなら、地球の大切な人達にお別れの挨拶できるようにしてあげるって。」
「お別れの挨拶…あ、あの!私、姉が3人いるんです!もしかしたら私以外にも白猫族がいるんじゃないですか?」
「いないよ。白猫族は1人しか存在できないんだ。」
「どういうことですか?」
「君の場合はあの子が死んだから子孫である君に継承されたってことかな…いつ、誰が受け継ぐかは魂を女神が見極めた上で決められるんだ。」
「そうなんですね…」

「それじゃっ!あとの詳しいことは今度めがみっちに聞いてねー?お願い事があるんでしょう?ヒトの時間がなくなっちゃうよ?」
「はい!あの、桜が妖精界にあると聞いたんです!私が姉から貰って唯一この世界に持ってこれた香水を、なくなるのが怖いので、ジュリアンに再現してもらいたいんです!だから…その…桜をわけてください!」
「おけまる~!本当はダメなんだけど、そらっちはあの子の子孫だからね!いいよ!その代わり今度精霊会に遊びに来てね!」
「ありがとうございます!!!はい!キャル様!ぜひあそびに行かせてください!!!」
「はーい!じゃあちょっととってくるねー、あ、ジュリアンも魔力いっぱい使ったよね。ほれ、受け取って。」
ジュリアンの体がパァッと光った
「ありがとうございます」
「どいたまー!ちょっと待っててねー」

ギャル様はパッと消えた。
「お前、教会に行くのか?」
「うーん…まだ決められない。お姉ちゃん達にも友達にも会いたいけど会っちゃったら、こっちで生きるって決めたのに、決心が揺らいじゃいそうで…アルトもルシアンさんもジュリアンもこっちの世界でも大切な人ができちゃったからさ…」
「そうか…まぁ、もう絶対戻らないって決めてからお姉ちゃん達に今幸せだよって伝えに行くのでもいいんじゃないか?」
「!!??そうだね!!そうするよ!ジュリアンありがとう!!!!」
「おう」

しばらくするとキャル様が帰ってきた。
「おっつー!じゃあここに置いとくっすね!一応貴重なもんなんで、絶対に人間に渡らないように慎重に保管してくださいっすーあー!そうだった!そらっちのアイテムボックスに入れればいーじゃん!ほら、使ってみてよ」
「まだ、一回も魔法を使ったことなくて…」
「箱をイメージして入れるだけっすよー」
「え!?それだけ?」
「そうっす~、白猫族はチートなんで、全部イメージでいけます。まぁ、魔力補充は必要っすけどね~アイテムボックスは入れる時のみ20減るっす、あと~転移は物だけなら20自分が転移するなら50人を転移させるなら1人100っす、回復魔法は、度合いによるんすけど、疲労回復程度なら10、外傷なら秒数によりますね、1分で50くらいかなー、内蔵系は30秒で50、1番高いのは精神的な治療で200は必要~、
あと、聖なる歌は魔力関係ないんでじゃんじゃん歌っちゃってください。何かを願いながらだと女神っちの采配によって魔力を対価にされたりはありますけどねー。ちなみにー今のそらっちは200くらいかな~、変身封印すると使えるのは50減るよー」

「なるほど…あの、やっぱり補給方法って、他の人に貰うしか方法はないんでしょうか」
「白猫族は、ポーションとか魔石から魔力補充できないようになってるんだよねー…だから、手の触れ合いだとほんのちょっとずつくらいしか増えないよ。それこそ10秒で0.1とかそのレベルかなぁ。キス…もちろんディープなやつね。それだと一回で100は固いから効率いいよ~!あとあと~ぴーーーーーーーーでぴーーーーーーをぴーーーーーーすると1回で1000はいける!ぴーーーーでぴーーーーーをぴーーしてぴーーーーーーすると5000いけるよー?て、あれ?そらっち?大丈夫?」
私はあれこれ想像してしまって、顔を真っ赤にして倒れた。、視界がフェードアウトしていった…キャル様…17歳、知識なし、経験なし、彼氏との初デートは異世界召喚に潰された女をなめないでください…
にしても、私、アルトと200も…うわああああああああどうしよう。なんでこんなエロ設定な訳?女神様!無理です!!絶対会った時に文句喋っちゃうからかくごしといてよね!



次に目を覚ました時、私の視界はオパールの瞳を持ったイケメンでいっぱいになった。
わぁ、ファンタジーだぁ。
「おい?起きたか?大丈夫か?」

ジュリアンであることを思い出した。
「うん…大丈夫…です…多分…」
「ごっめーん!そらっち!まさかこんなに初心だったなんて知らなくてさ~。あの子は結構こういうのに奔放だったからね、じゃんじゃん補充してたからそのテンションでついつい…」
ひいおばあちゃん…そうだったのか、強い人だ…

「ま、とりあえず補充に関してはジュリアンに教えたし、数値化する魔道具もあの金髪の夫に作って貰えばいいよ。恥ずかしいことはぜーんぶ夫に任せちゃえ♡
てことで~ほーらっ!アイテムボックス使ってみよー?」
「は、はい…」
もう、どうでもいいやって思ってきたので、とりあえず指示に従う。
私はせっかくなら広い方がいいかなと思って、我が家の物置をイメージした。
「うん、いいねいいね。それじゃあ手を桜にかざして収納するイメージをして?」
私は桜を棚に置くイメージをした。
目を開けると桜がなくなっていた。

「てじなーにゃ!」

シーン…

「うん!そらっち上手だよぉ~!」
「これはいいなぁ、俺も欲しい能力だ。」
「これからまた夫見学でしょ?連絡魔道具使って必要になったら転移してもらう感じにすればいいよ!もし魔力が足りなかったら金髪に補充してもらいなぁ~」
うん、前世で人気だったマジシャンの決め台詞は無視されたようだ。2人揃わないと完璧ではないからな…うむうむ。

「じゃあそらっち!落ち着いたら精霊界に遊びに来てねー!みんな会いたがってるカラァ、ばいばーい」

そう言いのこして嵐のようなキャル様は消えてしまった。

「空ちゃん?終わったかい?それが桜かぁ、綺麗だねぇ…」
「うん!ルシアン!思い出してくれたルシアンのおかげだよ。ありがとう!あとね、魔法を使えるようになったんだぁ!」
「ルシアン、あんた魔力を数値化する魔道具持ってるか?」
「あぁ、あるよ。」
「よし、じゃあこれお前にも渡しておく、精霊に聞いた魔力消費、補充の数値だ。」
「助かるよ、ありがとう。ちなみに桜が足りなくなったら、空のアイテムボックスからこっちに転移させてもらうことになってる。だから連絡魔道具渡しとく。」
「了解~」
こうして、保護者達の会話は進んだ。

「行こうか、空ちゃん」
「はーい!じゃあね!ジュリアン」
「おう!」


部屋の扉を少し出たところで思いついて
私はジュリアンの元へ戻った。
「ん?どうした?」
私は思い切って背伸びをした。


ちゅっ

ジュリアンの右頬にキスをした。
「あのね、…その…ジュリアンに出会えて良かった。本当にありがとう!香水楽しみにしてるね!じゃっ!」
私はやり逃げ、言い逃げして走って部屋を出た。ルシアンがなんか苦笑いしていた。



俺は空が走っていったのをみてドアを閉めた。そのままズルズルっと扉を背にして座り込んだ。

「!!!?????……あっ、あんなん、反則だろ~!!」

なんとか心を鎮めて香水作りに取り掛かったが、先程のことがフラッシュバックしてしばらく落ち着かなかった。桜の匂いを嗅ぐたびに鼓動がうるさかった。
あー、もう!あいつに出会ったから俺おかしくなっちまったじゃねーかー!!!!

後にその時の俺の顔が真っ赤だったと、オーナー兼接客担当の腐れ縁ジジイに未来永劫…酒の肴として馬鹿にされ続けるのだった…



ーーーーーーーーーーーーーーーー
今回で白猫族は1人しか存在できないってことにしたんですが、前の方に里があるみたいな発言をしてしまったので、そこは容姿は白猫族だけど、能力がない人、外部の血を入れない、能力を搾取されないために親戚が集まって暮らしている、と解釈してもらえれば幸いです。
空のひいおばあちゃんはあまりにも奔放で自由人、行動力の塊なので里から飛び出してしまったのでした。

いいね、感想、お気に入り、しおり、よろしくお願いします!
あと、AI画像ですが、表紙をつけさせてもらいました。あくまでイメージですので、皆さんが読んで想像してくれている姿が正解です。
同じリンゴを書いても、みんな違う。みたいなことと一緒です(?)

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みんなの感想(2件)

もも缶
2025.11.13 もも缶

続きを楽しみに待ってます

2025.11.14 具なっしー

ありがとうございます💕今月中には更新できると思います!よろしくお願いします✨

解除
よる
2025.09.24 よる

面白かったです♪
続きも楽しみにしています!!

2025.09.26 具なっしー

ありがとうございます💖感想モチベになります🥹✨これからもよろしくお願いします!

解除

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