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一章 私の居場所
8賢者の館
ロウが指を鳴らすと目の前に現れたのは、森の木材と白大理石が組み合わさった、豪華絢爛な屋敷だった。周囲の自然を圧倒するその存在感に、桃は思わず息を呑んだ。
「ようこそ、賢者の館へ~✨」
ロウは腰に手を当て、軽くウィンクを飛ばした。
「なにこのポーズ……」
桃はぽかんと口を開け、隣のベンは無言で腕を組み、フィンは眉間にしわを寄せていた。
「……絶対まともじゃねぇこの狼」
「俺も(昔から)そう思う」
「おーい?聞こえてるんだけど?」
「まぁまぁ、立っているのも野暮だよ~桃ちゃん」
ロウは妖艶な笑みを浮かべ、桃のフードをそっと持ち上げた。彼の指先が掠めただけで、桃の背筋にゾクリと電流が走る。
「ロウ!触るな!」
ベンが低い唸り声を上げ、桃とロウの間に割って入った。その殺気に、フィンも警戒して腰を低くする。
「やだなぁ、白虎くん。歓迎の挨拶だよ。……僕のテリトリーでそんなに殺気を出されると、この森の魔物何するかわかんないよ?」
ロウは不満そうに眉を上げながらも、手招きをした。
「まぁまぁ、入ってみなよ。驚くよ?」
館の扉が開くと、目の前に広がったのは——まるで宮殿。
天井から下がるシャンデリアは虹色の光を放ち、床は磨かれすぎて自分の顔が映るほど。
壁には精緻な絵画、そして中央にはふかふかの真紅のソファ。桃は思わず呟いた。
「……なにこの屋敷、それに…家具やインテリアのデザイン!!そして、配置!ひとつひとつがゴテゴテのギラギラなのに、全く圧迫感を感じない!…むしろ、なんだか落ち着くまでもある…」
「ほらね?センスあるでしょ」
「もしかして…全部…?」
「僕♡」
「ロウさん巨匠!!」
感動して拍手する桃と、うんざりした目を向けるベンとフィン。
「ベンちゃん、この子は見る目あるね」
「やめろ、その名で呼ぶな」
「いいじゃない、昔から“ベンちゃん”って呼んでたのに~」
「呼ぶなと言っている!」
その瞬間、桃とフィンの頭の中には同時に浮かんだ。
ーーーなにその関係!?
「え、昔……?」
「ベンちゃんて呼ばれてたの……?」
「ベンちゃん……(ぷっ)」
「笑うなフィン」
「ねーねーベンさん。私もベンちゃんって呼んでもいーい?」
「だめだ!調子に乗るな!桃!」
ロウはくすくす笑いながら、桃にそっと近づいた。
「まぁまぁ。まずはウェルカムドリンクでもどう?」
そう言って、指を鳴らすと、透明なグラスがふわりと浮かび、三人の前にすっと差し出された。
「これ、飲んでも大丈夫なやつ?」
「失礼だなぁ。ちゃんと僕が育てた自家製ファビュラスハーブティーだよ。」
ーーファビュラス!?
桃が恐る恐る一口飲むと、ほんのり桃の花のような香りと、優しい甘みが広がった。
「おいしい……」
「でしょ?」
「……なんか腹立つな」
「わかる」
ベンとフィンの声が完全にハモった。
「さてと、せっかくだから3人の部屋も用意してあげよう」
ロウが手をひらひらさせると、階段の上からメイド服を着た精霊たちがスススッと現れた。
全員、光の粒でできたように透き通っていて、まるで夢の中の存在。
「こちらへどうぞ~✨」
「きゃー、かわいい!みんなキラキラしてる!」
桃は目を輝かせながらついていくが、ベンは腕を組んだままロウを睨みつけていた。
「妙な術はかけていないだろうな」
「そんなことしないよ。僕、平和主義者だもん」
「女にしか興味がないだけだろうが」
「さすがベンちゃん!その通りっ!」
フィンがすかさずツッコミを入れる。
「開き直んなよ!」
部屋に入ると、桃は思わず歓声を上げた。
そこにはふかふかのベッドと天蓋、窓の外には夜の森が輝き、天井には無数の光の粒が漂っている。
「うわぁ…部屋の中に星を閉じ込めたみたい……」
「ふふ、気に入ってもらえて光栄だよ。僕が直々に飾ったからね」
「ねぇロウ、これって魔法?」
「そう。魔力の粒を固定して、擬似星空を再現してるんだ。触るとね——ほら」
ロウがそっと指先を伸ばすと、小さな光がパチリと弾けた。
桃はうっとりとその光を見つめる。
だがその瞬間、ベンがスッと間に入って桃を引き寄せた。
「触るな」
「え~、ちょっとくらいいいじゃない」
「良くない」
ロウは肩をすくめて笑う。
「ほんと、相変わらず嫉妬深いなぁ、ベンちゃんは、」
「黙れ」
「ねぇ桃ちゃん、ベンの昔話聞きたい?」
「話すな」
「……昔は、めちゃくちゃ可愛かったんだよ?」
「殺すぞ」
「やめてぇぇぇ!!!」
桃が間に割って入る。
「もう、みんな仲良くしてよ!ロウさん、ベンさんいじめないで!ベンさんも落ち着いて!!」
「もも、あいつの口が生きてる限り落ち着けない」
「それも物騒だから!!」
そんなドタバタの最中、フィンがひとり部屋の端で拗ねていた。
「……俺、影薄くね?」
「そんなことないよフィンくん!」
「うそだ。チャラ狼とベンばっか構って……」
「ちょ、フィンくん!?ぷくーって頬ふくらませないで!可愛すぎておかしくなりそうだから!!」
「俺だって夫だぞ!」
「うんうん!フィンくんは私の癒し担当!」
「……へへ、そっか……(しっぽぱたぱた)」
「可愛いなぁもう!おりゃっ」
桃にキュートアグレッションが起こる。
「撫でるなぁぁぁぁぁ!あっ!そこはっ…ちょ、もも!だめ!」
「ふふふ、嫉妬してるフィンくん最高にかわいい♡」
「ばかぁ、やめろってばぁ!あっ…ああん…」
ベンはため息をつき、ロウはソファに寝転びながら腹を抱えて笑っていた。
「いいねぇ、この空気。賑やかで退屈しないや」
「お前がかき乱してるんだろうが」
◆
その後、4人で食事を取ることになった。
ロウの用意したテーブルには、色とりどりの料理がずらり。肉、スープ、果実、そして不思議な発光酒。
「さぁ食べて食べて~、毒は入ってないから!」
「いや、信じろって言われてもな……」
「いただきますっ!」
桃だけが一番に箸を伸ばす。
「ちょ、おい!桃…油断するなと言ったのに…」
「ほら、桃ちゃんが食べてるし。大丈夫でしょ?2人も食べて食べて!うちの精霊ちゃん達が張り切って作ったんだから!」
「「……」」
無言でバクバクと食べ始める2人。
「おいしい!精霊さん料理上手!」
嬉しそうな桃の発言によって、ピリついた部屋の空気が和やかになった。
「さて、じゃあ、本題に入ろうか」
ロウは食事を食べ終えていた。
あ、フィンも、ベンさんもお皿に何も残ってない…
私が1番最初に食べ始めたのに、1番遅い…
シュンとなった桃を見て一同がワタワタと慌て始めた。
「桃、ゆっくり食え。」
「残したら俺が食ってやるからな、安心しろ。」
「桃ちゃん。デザートもあるからゆっくり食べてね♡」
「で、ベン。本題だけど…なんとなく察してはいるよ。桃ちゃんを一緒に守ってほしいとかそんなところだろ?」
「そうだ。見ての通り…て、おい!桃!!いつのまにローブを脱いだんだ。」
「え?あ!本当だ…気づかなかった」
「全く…桃は危機感が足りん…」
「気づかなかったベンも大概危機感が足りてないけどね」
「フィン!そういうお前は気づいていたのか?」
「は?ローブならこの部屋に入った瞬間精霊が持っていってただろ?ベンがロウと言い争ってる間にさ、」
「くっっ姑息な真似を…」
「まぁまぁ、そんなわけでさ、その見た目と血が騒ぐようなあま~い匂い…桃ちゃん人間でしょ?」
「…」
「桃、あえて聞いてこなかったが、フィンも俺も気づいてるから…うん…」
「そうだぞ、種族わかんないとか記憶ないとか正直無理あるぞ」
「ゔっっ…気づいてたのね、頑張って誤魔化してたのに!」
「え…隠す気あったのか?」
「そう言うな、フィン…可愛い演技だったぞ。桃」
「もー!バレてたなんて恥ずかしい!そうだよ!私人間!異世界から気づいたらあの森にいました!よろしく!!はい、これで良いでしょ?」
「異世界から…なるほどな、それなら説明がつく。」
「異世界…!(尻尾ふりふりお目目きらきら)」
「僕も異世界興味あるなぁ~。しばらくこの屋敷にいるんだろうし、色々教えて~」
「てことは、ロウも桃の夫になるってことだな?」
「ベン…当たり前でしょ。こ~んなに可愛いくて、素直で、特別で、穢れがない子なんて他にいないから!一目惚れ!桃ちゃん!僕のことも夫にして~♡」
桃は、地球の貞操観念が通じない世界だとわかってきた…もうどうにでもなれ精神で
「ロウさん、よろしくお願いします。あのっ…でも、私…一妻一夫制の国から来たので、まだ…一妻多夫ていうのに、慣れなくて…」
「え~?フィンとイチャイチャしてる時点で今更じゃない?僕が頑張れば良い話だからね~桃ちゃんはただ愛されてれば良いんだよ?」
「でも!私!愛されるだけじゃなくて全力で愛したいんです!!」
「桃…そんな風に思ってくれていたんだな、あの日桃に出会えていてよかった。」
「孤児だった俺がこんなに最高の嫁貰えるなんて…夢みたいだ」
「くぅー!僕この言葉聞く為に生まれてきたのかもしれない!幸せすぎて怖い…」
3人は恍惚とした表情で、桃を見つめた。その視線は甘く、粘着質な色気に満ちている。その奥に独占欲が見え隠れする。
「この館にいる限り、安全だよ。外には魔獣がいるから獣人は寄ってこないし、森の支配者は僕だから侵入者がいればすぐわかる。魔獣も僕には逆らえない。物資も精霊達が調達してくれる…」
「そうなんだ…!あの、でも、ここって賢者の森って言われてますよね?賢者って…?」
「賢者は僕だよ。獣人って長生きなんだけど、僕は結構…長生きでね?街の連中が勝手にそう呼ぶんだ。あ、ちなみにベンも僕と同じくらいの歳だよ」
「ええ!それっていったい何歳…?」
「俺はたしか1500…くらいだったはずだ」
「そだねー、僕もそんくらいだった気がする」
「ええっ!…まさか、フィンも?」
「俺はまだ112さいだ」
「ひゃ、ひゃく…」
「な?桃…17と言った時点で獣人ではないとバレていたんだ…」
「え!桃17歳なのか?赤ちゃんじゃねぇか」
「そ、そんなぁ、あ!ちなみに獣人の寿命って何歳なの?」
「これは本当に強さによるんだが、だいたいは15000強い奴なら20000…くらいか?」
「そうだな、そのくらいかもしれない…」
「桃…さっきから嫌な予感しかしないんだが…人間の寿命って…」
「長くて100」
「「「!!!!???」」」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回もよろしくお願いします
お気に入り、感想、いいね、よろしくおねがいします
「ようこそ、賢者の館へ~✨」
ロウは腰に手を当て、軽くウィンクを飛ばした。
「なにこのポーズ……」
桃はぽかんと口を開け、隣のベンは無言で腕を組み、フィンは眉間にしわを寄せていた。
「……絶対まともじゃねぇこの狼」
「俺も(昔から)そう思う」
「おーい?聞こえてるんだけど?」
「まぁまぁ、立っているのも野暮だよ~桃ちゃん」
ロウは妖艶な笑みを浮かべ、桃のフードをそっと持ち上げた。彼の指先が掠めただけで、桃の背筋にゾクリと電流が走る。
「ロウ!触るな!」
ベンが低い唸り声を上げ、桃とロウの間に割って入った。その殺気に、フィンも警戒して腰を低くする。
「やだなぁ、白虎くん。歓迎の挨拶だよ。……僕のテリトリーでそんなに殺気を出されると、この森の魔物何するかわかんないよ?」
ロウは不満そうに眉を上げながらも、手招きをした。
「まぁまぁ、入ってみなよ。驚くよ?」
館の扉が開くと、目の前に広がったのは——まるで宮殿。
天井から下がるシャンデリアは虹色の光を放ち、床は磨かれすぎて自分の顔が映るほど。
壁には精緻な絵画、そして中央にはふかふかの真紅のソファ。桃は思わず呟いた。
「……なにこの屋敷、それに…家具やインテリアのデザイン!!そして、配置!ひとつひとつがゴテゴテのギラギラなのに、全く圧迫感を感じない!…むしろ、なんだか落ち着くまでもある…」
「ほらね?センスあるでしょ」
「もしかして…全部…?」
「僕♡」
「ロウさん巨匠!!」
感動して拍手する桃と、うんざりした目を向けるベンとフィン。
「ベンちゃん、この子は見る目あるね」
「やめろ、その名で呼ぶな」
「いいじゃない、昔から“ベンちゃん”って呼んでたのに~」
「呼ぶなと言っている!」
その瞬間、桃とフィンの頭の中には同時に浮かんだ。
ーーーなにその関係!?
「え、昔……?」
「ベンちゃんて呼ばれてたの……?」
「ベンちゃん……(ぷっ)」
「笑うなフィン」
「ねーねーベンさん。私もベンちゃんって呼んでもいーい?」
「だめだ!調子に乗るな!桃!」
ロウはくすくす笑いながら、桃にそっと近づいた。
「まぁまぁ。まずはウェルカムドリンクでもどう?」
そう言って、指を鳴らすと、透明なグラスがふわりと浮かび、三人の前にすっと差し出された。
「これ、飲んでも大丈夫なやつ?」
「失礼だなぁ。ちゃんと僕が育てた自家製ファビュラスハーブティーだよ。」
ーーファビュラス!?
桃が恐る恐る一口飲むと、ほんのり桃の花のような香りと、優しい甘みが広がった。
「おいしい……」
「でしょ?」
「……なんか腹立つな」
「わかる」
ベンとフィンの声が完全にハモった。
「さてと、せっかくだから3人の部屋も用意してあげよう」
ロウが手をひらひらさせると、階段の上からメイド服を着た精霊たちがスススッと現れた。
全員、光の粒でできたように透き通っていて、まるで夢の中の存在。
「こちらへどうぞ~✨」
「きゃー、かわいい!みんなキラキラしてる!」
桃は目を輝かせながらついていくが、ベンは腕を組んだままロウを睨みつけていた。
「妙な術はかけていないだろうな」
「そんなことしないよ。僕、平和主義者だもん」
「女にしか興味がないだけだろうが」
「さすがベンちゃん!その通りっ!」
フィンがすかさずツッコミを入れる。
「開き直んなよ!」
部屋に入ると、桃は思わず歓声を上げた。
そこにはふかふかのベッドと天蓋、窓の外には夜の森が輝き、天井には無数の光の粒が漂っている。
「うわぁ…部屋の中に星を閉じ込めたみたい……」
「ふふ、気に入ってもらえて光栄だよ。僕が直々に飾ったからね」
「ねぇロウ、これって魔法?」
「そう。魔力の粒を固定して、擬似星空を再現してるんだ。触るとね——ほら」
ロウがそっと指先を伸ばすと、小さな光がパチリと弾けた。
桃はうっとりとその光を見つめる。
だがその瞬間、ベンがスッと間に入って桃を引き寄せた。
「触るな」
「え~、ちょっとくらいいいじゃない」
「良くない」
ロウは肩をすくめて笑う。
「ほんと、相変わらず嫉妬深いなぁ、ベンちゃんは、」
「黙れ」
「ねぇ桃ちゃん、ベンの昔話聞きたい?」
「話すな」
「……昔は、めちゃくちゃ可愛かったんだよ?」
「殺すぞ」
「やめてぇぇぇ!!!」
桃が間に割って入る。
「もう、みんな仲良くしてよ!ロウさん、ベンさんいじめないで!ベンさんも落ち着いて!!」
「もも、あいつの口が生きてる限り落ち着けない」
「それも物騒だから!!」
そんなドタバタの最中、フィンがひとり部屋の端で拗ねていた。
「……俺、影薄くね?」
「そんなことないよフィンくん!」
「うそだ。チャラ狼とベンばっか構って……」
「ちょ、フィンくん!?ぷくーって頬ふくらませないで!可愛すぎておかしくなりそうだから!!」
「俺だって夫だぞ!」
「うんうん!フィンくんは私の癒し担当!」
「……へへ、そっか……(しっぽぱたぱた)」
「可愛いなぁもう!おりゃっ」
桃にキュートアグレッションが起こる。
「撫でるなぁぁぁぁぁ!あっ!そこはっ…ちょ、もも!だめ!」
「ふふふ、嫉妬してるフィンくん最高にかわいい♡」
「ばかぁ、やめろってばぁ!あっ…ああん…」
ベンはため息をつき、ロウはソファに寝転びながら腹を抱えて笑っていた。
「いいねぇ、この空気。賑やかで退屈しないや」
「お前がかき乱してるんだろうが」
◆
その後、4人で食事を取ることになった。
ロウの用意したテーブルには、色とりどりの料理がずらり。肉、スープ、果実、そして不思議な発光酒。
「さぁ食べて食べて~、毒は入ってないから!」
「いや、信じろって言われてもな……」
「いただきますっ!」
桃だけが一番に箸を伸ばす。
「ちょ、おい!桃…油断するなと言ったのに…」
「ほら、桃ちゃんが食べてるし。大丈夫でしょ?2人も食べて食べて!うちの精霊ちゃん達が張り切って作ったんだから!」
「「……」」
無言でバクバクと食べ始める2人。
「おいしい!精霊さん料理上手!」
嬉しそうな桃の発言によって、ピリついた部屋の空気が和やかになった。
「さて、じゃあ、本題に入ろうか」
ロウは食事を食べ終えていた。
あ、フィンも、ベンさんもお皿に何も残ってない…
私が1番最初に食べ始めたのに、1番遅い…
シュンとなった桃を見て一同がワタワタと慌て始めた。
「桃、ゆっくり食え。」
「残したら俺が食ってやるからな、安心しろ。」
「桃ちゃん。デザートもあるからゆっくり食べてね♡」
「で、ベン。本題だけど…なんとなく察してはいるよ。桃ちゃんを一緒に守ってほしいとかそんなところだろ?」
「そうだ。見ての通り…て、おい!桃!!いつのまにローブを脱いだんだ。」
「え?あ!本当だ…気づかなかった」
「全く…桃は危機感が足りん…」
「気づかなかったベンも大概危機感が足りてないけどね」
「フィン!そういうお前は気づいていたのか?」
「は?ローブならこの部屋に入った瞬間精霊が持っていってただろ?ベンがロウと言い争ってる間にさ、」
「くっっ姑息な真似を…」
「まぁまぁ、そんなわけでさ、その見た目と血が騒ぐようなあま~い匂い…桃ちゃん人間でしょ?」
「…」
「桃、あえて聞いてこなかったが、フィンも俺も気づいてるから…うん…」
「そうだぞ、種族わかんないとか記憶ないとか正直無理あるぞ」
「ゔっっ…気づいてたのね、頑張って誤魔化してたのに!」
「え…隠す気あったのか?」
「そう言うな、フィン…可愛い演技だったぞ。桃」
「もー!バレてたなんて恥ずかしい!そうだよ!私人間!異世界から気づいたらあの森にいました!よろしく!!はい、これで良いでしょ?」
「異世界から…なるほどな、それなら説明がつく。」
「異世界…!(尻尾ふりふりお目目きらきら)」
「僕も異世界興味あるなぁ~。しばらくこの屋敷にいるんだろうし、色々教えて~」
「てことは、ロウも桃の夫になるってことだな?」
「ベン…当たり前でしょ。こ~んなに可愛いくて、素直で、特別で、穢れがない子なんて他にいないから!一目惚れ!桃ちゃん!僕のことも夫にして~♡」
桃は、地球の貞操観念が通じない世界だとわかってきた…もうどうにでもなれ精神で
「ロウさん、よろしくお願いします。あのっ…でも、私…一妻一夫制の国から来たので、まだ…一妻多夫ていうのに、慣れなくて…」
「え~?フィンとイチャイチャしてる時点で今更じゃない?僕が頑張れば良い話だからね~桃ちゃんはただ愛されてれば良いんだよ?」
「でも!私!愛されるだけじゃなくて全力で愛したいんです!!」
「桃…そんな風に思ってくれていたんだな、あの日桃に出会えていてよかった。」
「孤児だった俺がこんなに最高の嫁貰えるなんて…夢みたいだ」
「くぅー!僕この言葉聞く為に生まれてきたのかもしれない!幸せすぎて怖い…」
3人は恍惚とした表情で、桃を見つめた。その視線は甘く、粘着質な色気に満ちている。その奥に独占欲が見え隠れする。
「この館にいる限り、安全だよ。外には魔獣がいるから獣人は寄ってこないし、森の支配者は僕だから侵入者がいればすぐわかる。魔獣も僕には逆らえない。物資も精霊達が調達してくれる…」
「そうなんだ…!あの、でも、ここって賢者の森って言われてますよね?賢者って…?」
「賢者は僕だよ。獣人って長生きなんだけど、僕は結構…長生きでね?街の連中が勝手にそう呼ぶんだ。あ、ちなみにベンも僕と同じくらいの歳だよ」
「ええ!それっていったい何歳…?」
「俺はたしか1500…くらいだったはずだ」
「そだねー、僕もそんくらいだった気がする」
「ええっ!…まさか、フィンも?」
「俺はまだ112さいだ」
「ひゃ、ひゃく…」
「な?桃…17と言った時点で獣人ではないとバレていたんだ…」
「え!桃17歳なのか?赤ちゃんじゃねぇか」
「そ、そんなぁ、あ!ちなみに獣人の寿命って何歳なの?」
「これは本当に強さによるんだが、だいたいは15000強い奴なら20000…くらいか?」
「そうだな、そのくらいかもしれない…」
「桃…さっきから嫌な予感しかしないんだが…人間の寿命って…」
「長くて100」
「「「!!!!???」」」
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