1 / 15
プロローグ
しおりを挟む
世界は、一本の世界樹から始まった。
天を衝くその大樹は、まだ名もなき世界に、五つの精霊を生み落とした。
大地の精霊。
星の精霊。
愛の精霊。
時の精霊。
そして、歌と氷の精霊。
精霊たちは世界に形を与え、流れを定め、
やがてその意思から、五つの種族が生まれた。
人間族。
獣人族。
妖精族。
魔神族。
女神族。
精霊と聖獣に見守られ、世界は均衡の上に成り立っていた。
光と闇、その違いが「正しさ」と呼ばれるまでは。
光を宿す女神族と、闇を纏う魔神族。
その差は、ほんのわずかでありながら、決して越えられぬ境となった。
互いを否定しなければ、自らを保てない。
相手を敵と定めなければ、存在を証明できない。
そうして争いは、祈りの名を借りて、幾千の時を越えて続いてきた。
だがある時、その理から外れた出会いがあった。
一人の魔神族と、一人の女神族。
刃を向け合うはずの二人は、戦場ではなく、
誰にも見られぬ静かな場所で出会った。
そこで彼らは知ってしまった。
敵である前に、同じ世界に生まれた“誰か”であることを。
祝福されぬ愛。
許されぬ選択。
それでも、彼らは命を残した。
闇の力を宿す少女。
光の力を宿す少年。
そして――光と闇、その両方を抱いた少女。
生まれた瞬間、世界は理解した。
その存在は、均衡を守る者ではない。
均衡そのものを、問い直す存在であると。
恐れは、やがて判断となり、
判断は、迷いなき決定へと変わった。
闇の少女は魔神族に引き取られ、
残る二人は女神族に引き渡された。
泣き声が、世界のどこかで途切れた。
その瞬間、誰もが「正しい選択」をしたつもりだった。
引き裂かれた姉弟。
分かたれた運命。
――だが、世界はまだ知らなかった。
少女は、世界を壊さない。
壊れている世界の原因を、ただ終わらせる存在だということを。
正しさも、過ちも。
光も、闇も。
そのすべてを拒まず、抱いたまま、歩み続ける者。
これは、
闇と光の力を持つ少女が、
世界を優しく抱きしめるように変えていく物語。
天を衝くその大樹は、まだ名もなき世界に、五つの精霊を生み落とした。
大地の精霊。
星の精霊。
愛の精霊。
時の精霊。
そして、歌と氷の精霊。
精霊たちは世界に形を与え、流れを定め、
やがてその意思から、五つの種族が生まれた。
人間族。
獣人族。
妖精族。
魔神族。
女神族。
精霊と聖獣に見守られ、世界は均衡の上に成り立っていた。
光と闇、その違いが「正しさ」と呼ばれるまでは。
光を宿す女神族と、闇を纏う魔神族。
その差は、ほんのわずかでありながら、決して越えられぬ境となった。
互いを否定しなければ、自らを保てない。
相手を敵と定めなければ、存在を証明できない。
そうして争いは、祈りの名を借りて、幾千の時を越えて続いてきた。
だがある時、その理から外れた出会いがあった。
一人の魔神族と、一人の女神族。
刃を向け合うはずの二人は、戦場ではなく、
誰にも見られぬ静かな場所で出会った。
そこで彼らは知ってしまった。
敵である前に、同じ世界に生まれた“誰か”であることを。
祝福されぬ愛。
許されぬ選択。
それでも、彼らは命を残した。
闇の力を宿す少女。
光の力を宿す少年。
そして――光と闇、その両方を抱いた少女。
生まれた瞬間、世界は理解した。
その存在は、均衡を守る者ではない。
均衡そのものを、問い直す存在であると。
恐れは、やがて判断となり、
判断は、迷いなき決定へと変わった。
闇の少女は魔神族に引き取られ、
残る二人は女神族に引き渡された。
泣き声が、世界のどこかで途切れた。
その瞬間、誰もが「正しい選択」をしたつもりだった。
引き裂かれた姉弟。
分かたれた運命。
――だが、世界はまだ知らなかった。
少女は、世界を壊さない。
壊れている世界の原因を、ただ終わらせる存在だということを。
正しさも、過ちも。
光も、闇も。
そのすべてを拒まず、抱いたまま、歩み続ける者。
これは、
闇と光の力を持つ少女が、
世界を優しく抱きしめるように変えていく物語。
10
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→
AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」
ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。
お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。
しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。
そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。
お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる