212 / 228
シント編
210話 動乱④
しおりを挟む
注目が集まる中、その場を離脱し、移動開始する。
なるべく目立つような移動、それに翼という手段は丁度いい。
おおよその形は冒険団の時のを思い返す。その時と同じようにイメージするが、鎧と同じように赤黒い霧のように生成される。
同時に次の行動規模に合わせ、爪も大きく伸ばす。
向かう先はより人目につく所、塔の方面がいいだろう。
移動の途中でも、通りすがりの建物に爪の跡を付けていく。
神秘性が話題性になるのは体験済みだ。
加えて見ると思い出さざるを得ない痕跡もあれば、より効果的だろう。
徐々にイメージが安定してきたのか、爪の先の感覚が、指先のもののように伝わってくる。
塗装の裏の石材だろうか、深くは刺さらないが、ガリガリと削る感覚。途中で当たったのはおそらく木製の看板、裂かれ接合が外れ、落ちる音が後ろから聞こえる。
翼の扱いにも慣れてきた。
それと同時に、安定性の不足を感じる。
そうか、竜や竜人は尾で飛行のバランスを取る、と本にあった。そういう事か。
近くの屋根に爪をひっかけ、壁面に一度止まる。レミレニアの酒場で纏っている人を見かけた、竜人用の鎧を思い浮かべ、そしてその尻尾のイメージを、今の実体の鎧に投影する。
再び飛翔、流石にすぐには使いこなせない。が、動きの自由度が増えたのは分かる。意識していけば、じき慣れるだろう。
途中、脇道にまた英傑と鈍色仮面の戦いを見かける。
最初と同じ要領で割り込み、双方に一撃。そのままバウンドするように再び宙へと地を蹴る。
そのまま一度状況確認の為に、近場の建物の屋上、英傑の路へと向かう。
けど予想外の待ち伏せ。
何者かの影、付く前に白い得物の振り下ろしの一撃。。
それを爪で受け止め、落ちないよう壁を蹴り道を挟んだ逆側へ着地する。
だが相手も大きく跳躍し、追撃を仕掛けてくる。
弾き、互いに同じ屋根の上で一騎打ちとなる。
その相手は──
「なんの祭りのつもりか知らんが、俺も混ぜてもらおうか!」
テムスさんの武器が旗へと変化し、互いを風属性の白い魔力線が囲う。
大きな風の輪により外と遮断され、邪魔の入らない戦場が作られる。
「凪の輪具だ。どこか行きたくば、この俺、テムス・プラーネを倒していくがいい!」
なるべく目立つような移動、それに翼という手段は丁度いい。
おおよその形は冒険団の時のを思い返す。その時と同じようにイメージするが、鎧と同じように赤黒い霧のように生成される。
同時に次の行動規模に合わせ、爪も大きく伸ばす。
向かう先はより人目につく所、塔の方面がいいだろう。
移動の途中でも、通りすがりの建物に爪の跡を付けていく。
神秘性が話題性になるのは体験済みだ。
加えて見ると思い出さざるを得ない痕跡もあれば、より効果的だろう。
徐々にイメージが安定してきたのか、爪の先の感覚が、指先のもののように伝わってくる。
塗装の裏の石材だろうか、深くは刺さらないが、ガリガリと削る感覚。途中で当たったのはおそらく木製の看板、裂かれ接合が外れ、落ちる音が後ろから聞こえる。
翼の扱いにも慣れてきた。
それと同時に、安定性の不足を感じる。
そうか、竜や竜人は尾で飛行のバランスを取る、と本にあった。そういう事か。
近くの屋根に爪をひっかけ、壁面に一度止まる。レミレニアの酒場で纏っている人を見かけた、竜人用の鎧を思い浮かべ、そしてその尻尾のイメージを、今の実体の鎧に投影する。
再び飛翔、流石にすぐには使いこなせない。が、動きの自由度が増えたのは分かる。意識していけば、じき慣れるだろう。
途中、脇道にまた英傑と鈍色仮面の戦いを見かける。
最初と同じ要領で割り込み、双方に一撃。そのままバウンドするように再び宙へと地を蹴る。
そのまま一度状況確認の為に、近場の建物の屋上、英傑の路へと向かう。
けど予想外の待ち伏せ。
何者かの影、付く前に白い得物の振り下ろしの一撃。。
それを爪で受け止め、落ちないよう壁を蹴り道を挟んだ逆側へ着地する。
だが相手も大きく跳躍し、追撃を仕掛けてくる。
弾き、互いに同じ屋根の上で一騎打ちとなる。
その相手は──
「なんの祭りのつもりか知らんが、俺も混ぜてもらおうか!」
テムスさんの武器が旗へと変化し、互いを風属性の白い魔力線が囲う。
大きな風の輪により外と遮断され、邪魔の入らない戦場が作られる。
「凪の輪具だ。どこか行きたくば、この俺、テムス・プラーネを倒していくがいい!」
0
あなたにおすすめの小説
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる