英傑活動の傍らで

ふぃる

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93話 潜入した先で②

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 進んでいくと街らしい活気は減って、物々しくなってきて。
 そして見慣れたあの鈍色仮面の装束の人が転々と居るのが見え始める。
 なにより建物自体はさっきまでと同じはずなのに「街」ではなく「城塞」といった様相。
 さっきまでは建物は建物として使われていたけど、この辺の兵たちは建物の外にばかりいる。
 経験した事は無いが、大規模な戦場というものは、こういうものなのだろうか。そう思わされる雰囲気。

 さっきまでの場所とは違い、1人1人の魔力量が高い。
 その中でもひときわ大きい魔力の反応。兵の強い魔力反応の中心。不思議と感じるなつかしさ。
 鈍色仮面の、あるいはこの区画を任された、何らかのリーダー格であるのは明らか。

 気が付いたら、自然とそこに向かっていた。
 全てとはいかずとも、攻略の要所となる魔力反応の位置は記憶した。このまま持ち帰り検討に回せば、奪還を早めるのに十分な成果になるだろう。
 最初はそのつもりでいた。けどここまで来たら、引き返せなかった。

 戦闘員は数が少ないのか、配備がまばら。流石に潜入がバレる可能性を避け、避けて進む。
 目的地とするその場所も、他と距離が空いて孤立している。遠くにそれが確認できる場所まで来て。
 おそらく倉庫だったんだろう、無骨で大きめの建物。
 その内に立ち入るのに、もう躊躇は無かった。

「よう、久し振りだな。」
 そこに居た相手、想定は外れる事無く。
 ローブは羽織っているが仮面は脇に置いたままの相手、ロイノが一瞬驚きの表情を見せたが、すぐにこちらを睨み、返す。
「話は聞いてたから、こっちはあまりそんな感じはないな。
 …何しに来たんだよ、英傑さんよ。」
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