英傑活動の傍らで

ふぃる

文字の大きさ
52 / 109

52話 その影響は反発となり③

しおりを挟む
 久し振りに隊舎の中で、道に迷った。

 というのも、この間の思い付きのやり方を実戦で試してみたけど、状況判断が多く集中が制限される市街地戦では中々運用できず。
 それで隊の人に聞いた話が、魔術の込められた武器である青紋刃を開発設計した人が、この隊舎に常駐してるとの事。
 それに添えて、直に話を付ければ乗り気で開発仕事してくれるタイプの人だ、と。

 で、この増築迷宮の未探索エリアに来ていた。
 長い廊下というものが少なく見通しの悪い構造は、地図無しで歩ける気がしない。
 大きく道を間違えてた事に気づき、改めてそこから行ける道を確認して。
 どうにか目的の部屋の前にたどり着き、ドアのプレートを確認したあと入る


「ん、誰だ?」
 中にいたのは徒人ヒューマの女。年は自分より少し上だろうか。
「魔法道具の開発を受けてくれるって聞いたんだけど……。」
「あぁ、そういう依頼。
 おっけ、ちょっと待って。」
 そう言い卓上の物を雑に端に寄せて、ジェスチャの誘いに従い向かいの席に着く。

「…一応。名前と所属班は?」
「第一班のニメージュだ。」
 相手がクリップボードにペンを走らせ、次の問い。
「で、ここに来たって事は開発依頼、って事でいいんだな?」
「先に聞いときたいんだけど…依頼料とか要るやつ?」
「いいや、英傑とやらの仕事で使うもんなんだろ? 開発費は隊の方からちゃんといただくさ。
 で、内容は? 必要な機能や用途は?」
「魔法の補助に使う道具だ。
 溜めた魔力の塊を発射させたいから、一時的に魔力をため込めれれば十分。もちろん携帯性は良く。」
「…それだけか?」
「…というと?」
「要望はそんだけでいいのか? って事だよ。」
「更に要望を追加できる、と?」
「当然だ。それを実現させるのがこっちの仕事だ。」
 仕事と言うワードとは裏腹にぐいぐいと来る言葉の感情。そして言葉を続ける。
「その魔力を溜めてというのは、具体的にどういう使い方をするんだ?」


 そっから色々順を追って話した。
 バリアから派生した魔力に対する反発魔法の事、溜めれば効力が上がる事、遠隔でも小規模ながらできる事。
 漠然とした思い付きの羅列を口にして思う、実はそんなに考えが纏まってない感。
「…なるほど、目的は把握した。」
「できるか?」
「勿論。むしろ更なる発案をしたいくらいだ。」
「…発案って?」
 相手が居直し、ペンを弄びながら返答する。
「現状の案としては、範囲型の魔術を展開したまま弾のように飛ばすというもの。だがそれではロスが多い。
 目的としては、特定のタイミングで特定の場所に斥力範囲を置ければいいのだろう?」
「…まぁ、そうだな。それでどういう変更を加えると?」
「魔力爆弾にするんだよ。凝縮する事で魔力ロスを大きく減らし、展開時間も抑える事で効力も上がる。
 扱いは難しくなるだろうけど、面白そうだろ?」
「面白いとかは別に……。」
「で、どする。キミの案通り一時的に魔力をため込むだけの装具も作れるが?」
「…開発費は隊の方から出る、んだよな?」
「うん、そだよ。」
 どうせ損しないなら欲張ってみるべきか。仮にダメでも…そうなったらその時に考えればいい。
「…分かった。物は試しだ、アレンジは任せる。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~

Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。 それでも、組織の理不尽には勝てなかった。 ——そして、使い潰されて死んだ。 目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。 強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、 因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。 武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。 だが、邪魔する上司も腐った組織もない。 今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。 石炭と化学による国力強化。 情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。 準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。 これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、 「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、 滅びの未来を書き換えようとする建国譚。

最初から最強ぼっちの俺は英雄になります

総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!

勘当された少年と不思議な少女

レイシール
ファンタジー
15歳を迎えた日、ランティスは父親から勘当を言い渡された。 理由は外れスキルを持ってるから… 眼の色が違うだけで気味が悪いと周りから避けられてる少女。 そんな2人が出会って…

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...