英傑活動の傍らで

ふぃる

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52話 その影響は反発となり③

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 久し振りに隊舎の中で、道に迷った。

 というのも、この間の思い付きのやり方を実戦で試してみたけど、状況判断が多く集中が制限される市街地戦では中々運用できず。
 それで隊の人に聞いた話が、魔術の込められた武器である青紋刃を開発設計した人が、この隊舎に常駐してるとの事。
 それに添えて、直に話を付ければ乗り気で開発仕事してくれるタイプの人だ、と。

 で、この増築迷宮の未探索エリアに来ていた。
 長い廊下というものが少なく見通しの悪い構造は、地図無しで歩ける気がしない。
 大きく道を間違えてた事に気づき、改めてそこから行ける道を確認して。
 どうにか目的の部屋の前にたどり着き、ドアのプレートを確認したあと入る


「ん、誰だ?」
 中にいたのは徒人ヒューマの女。年は自分より少し上だろうか。
「魔法道具の開発を受けてくれるって聞いたんだけど……。」
「あぁ、そういう依頼。
 おっけ、ちょっと待って。」
 そう言い卓上の物を雑に端に寄せて、ジェスチャの誘いに従い向かいの席に着く。

「…一応。名前と所属班は?」
「第一班のニメージュだ。」
 相手がクリップボードにペンを走らせ、次の問い。
「で、ここに来たって事は開発依頼、って事でいいんだな?」
「先に聞いときたいんだけど…依頼料とか要るやつ?」
「いいや、英傑とやらの仕事で使うもんなんだろ? 開発費は隊の方からちゃんといただくさ。
 で、内容は? 必要な機能や用途は?」
「魔法の補助に使う道具だ。
 溜めた魔力の塊を発射させたいから、一時的に魔力をため込めれれば十分。もちろん携帯性は良く。」
「…それだけか?」
「…というと?」
「要望はそんだけでいいのか? って事だよ。」
「更に要望を追加できる、と?」
「当然だ。それを実現させるのがこっちの仕事だ。」
 仕事と言うワードとは裏腹にぐいぐいと来る言葉の感情。そして言葉を続ける。
「その魔力を溜めてというのは、具体的にどういう使い方をするんだ?」


 そっから色々順を追って話した。
 バリアから派生した魔力に対する反発魔法の事、溜めれば効力が上がる事、遠隔でも小規模ながらできる事。
 漠然とした思い付きの羅列を口にして思う、実はそんなに考えが纏まってない感。
「…なるほど、目的は把握した。」
「できるか?」
「勿論。むしろ更なる発案をしたいくらいだ。」
「…発案って?」
 相手が居直し、ペンを弄びながら返答する。
「現状の案としては、範囲型の魔術を展開したまま弾のように飛ばすというもの。だがそれではロスが多い。
 目的としては、特定のタイミングで特定の場所に斥力範囲を置ければいいのだろう?」
「…まぁ、そうだな。それでどういう変更を加えると?」
「魔力爆弾にするんだよ。凝縮する事で魔力ロスを大きく減らし、展開時間も抑える事で効力も上がる。
 扱いは難しくなるだろうけど、面白そうだろ?」
「面白いとかは別に……。」
「で、どする。キミの案通り一時的に魔力をため込むだけの装具も作れるが?」
「…開発費は隊の方から出る、んだよな?」
「うん、そだよ。」
 どうせ損しないなら欲張ってみるべきか。仮にダメでも…そうなったらその時に考えればいい。
「…分かった。物は試しだ、アレンジは任せる。」
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