英傑活動の傍らで

ふぃる

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54話 その影響は反発となり④

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「また実験台ってか?」
 後日、魔法道具開発設計部から物が届き、やって来たのは訓練室。
 呼び出したメプレーロは、前回中途半端に終わったりした事からか、不機嫌だ。
「これから世間人気でもトップを取りに行く技だ。先に見れる事を光栄に思え。」
「…言ってくれるじゃん」
 安い挑発とは自分でも思った。けどメプレーロも真に受けたようには見えず、それはそれとして少しは新武器に興味がある様子で。
 まだ電撃は見せてはいないままだが、見栄を切るように刀で空を斬り構える。
 対し、新たな武器となる、魔術の仕組みが織り込まれたグローブを引き、改めて締める。


 それを開始の合図と見たメプレーロが、例によって電撃チャージ。
 しかしすぐには使わない。それもそうか。前回で散々弾いたんだ、雑に撃つのは無駄と思うか。
 こっちもこっちで準備だ。グローブに込めた魔力が繊維を伝い、甲にある玉に集まる。
 というか手に込めた魔力が吸い取られる程の勢い。気持ち悪い感覚ではあるけど、魔力の扱いに割く集中力は大幅に減った。
 これなら、溜めながら動ける。

 先制の蹴り。警戒を続けるメプレーロは、電撃纏わせを保ったままガードする。
 返しの振り、しかし電撃はまだキープしている。以前のように中途半端電撃で弾かれたら自分がやばいと判断したか。
 ならばと蹴りの連撃コンボ、そしてフィニッシュの大振り。しかし感触が弱い。あえて後ろに飛んだか。
 大振りの隙、着地しながら向きを整え再び向き合う、その直前に視認する。さっきより更に溜められた電撃、それを放つ振りかぶり。
 やや強引な体勢だが、グローブの機能を使う。引き出した魔力が、自動的に魔力の玉となり手の平の前に現れる。
 それを投擲。音を立てて放たれる電撃に対し、静かに飛ぶ。
 しかし電撃と触れた瞬間、瞬間的にバリアのようなのが展開。電撃を砕き、辺りに散らせる。
 その爆発が起こる少し前に、既に駆け出していた。添える第二投目、それを追うように。
 まだ散りきらず残る電撃を突っ切る。電撃の破片が残るが、攻撃に満たない軽微なものなら支給されたこの服が弾いてくれる

 対するメプレーロ、同じように当て勘の一撃の一撃だろう、丁度炸裂の中心でかち合う。
 しかしあっちの方が重心が固い。弾かれた体が一度地面で跳ねるのを感じるが、その次でどうにか立て直す。
 向かえるメプレーロの追撃。さっき投げた魔力爆弾の起動した跡が見えるが、やっぱり物理的な影響力は無いらしい。元々剣に電撃を溜めてなかったメプレーロは素通りだ。

 じゃあもう殴り合いだ。
 グローブに1発分くらいは既に溜まってる。更に溜め込む必要も無いだろう。
 代わりに、範囲探知の展開だ。

 元々電撃との連携で迫られながらで互角だったんだ。その電撃を無駄だと読んでか使ってこない。格闘に集中できるどころか、範囲探知を使う余裕さえある。
 素の剣術だけでもやっぱり手強い。けど、こっちは格闘にプラス探知のある、これまでと逆のハンデモードだ。
 見なくても足場とすべき地形が分かる。なんと楽な事か。
 後ろ壁まで跳び、間髪入れず強襲。急な離脱で対応に迷ったメプレーロの甘い防御に重く入る。
 だが速度の本命はそこではない。速度のままに横に回り込み、叩き込む連撃。崩れかけの守りを崩すには、時間はかからなかった。


「やっぱやり辛いな、魔法攻撃が通用しないって思うと。」
 尻もちをついたメプレーロに、とどめの一撃の寸止め。それで勝負は決した。
「ちゃんと効果発揮したってだけじゃなく、この牽制力はいい想定外だったな。」
「…でも途中から楽しくなって調子乗ってなかった?」
 と、立ち上がりながら言われる。
「いや、前途中で中段しちゃったの悪いと思ったから、今回は全力で最後までって。」
「…なんかもう悔しいって思う以上に、やり辛くてやり合いたくはないな、直接は。」
 その言葉に心の中で同意してると、メプレーロが言葉を続ける。
「けど、人気トップまでは譲るつもりはないからね。」
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