【更新中】悪役令嬢は天使の皮を被ってます!! -5年前「白パンダ」と私を嗤った皆様に今度は天使の姿でリベンジします! 覚悟は宜しくて?-

薪乃めのう

文字の大きさ
18 / 121

17. いざ、歌劇場へGo!

しおりを挟む
「はい。如何でしょうか? こんな感じになりました!」


 いつも思いますが、何でこんなにお仕度って時間が掛かるのでしょうか。まあ、マリとのメイド達が総力をあげて頑張ってくれていますから、私からは何も言えませんわ。

「お嬢様には、こういうパステルブルーも良くお似合いですわ。このドレスのドレープの美しさ。幾重にも重なる花びらのような繊細さは、お嬢様のイメージにぴったりです!」

「それに、艶やかな金色の巻き毛が、有名絵画に描かれている大天使様のように神々しいですわ!」
「その髪に、ドレスと同じ色の小花を散らしたのは、私のアイデアですよ!! お嬢様、如何ですか?」

 マリが、鏡越しに聞いてきます。確かに、繊細な小花が計算されて散っているので、ヘアアクセサリーとしては秀逸ですわ。さすがマリ、良いセンスしています。

「とっても素敵よ。ありがとう」

 興奮の覚めない女子達は、あらゆる角度から私の姿を眺めています。些細な部分も見逃さない鷹タカ、いえプロの目ですわ。ごめんなさい。これ以上の加工は無理ですわ。技術でなくて素材の問題ですから、勘弁して下さい。(汗)
 うっすらと施したお化粧は、素肌の白さと陶器のような滑らかさを生かしているので、歌劇場の照明でも綺麗に見えると思います。頬と唇も淡いピンク色で艶を出していますわ。

「天使度130%(当家比)と、言ったところでしょうか?」

 マリは、私の瞳色サファイアのネックレスとイヤリングを付けながら囁きます。

「いいえ。150%よ?」

 私は皆に向かって、満面の笑顔で答えました。




 王立歌劇場は、王都一番の繁華街に建っている立派な建物です。先々代の王様の時代に建設されたその建物は、重厚でかつ装飾の華やかな建物です。今日の演目は比較的若い人にも人気がある、古典の今風アレンジですから随分盛況ですわ。
 お父様は執務の関係で、貴族院の外務省から直接こちらにいらっしゃるとのことです。本当は屋敷からエスコートして下さる予定でしたが、どうにも執務の都合から間に合わないということでこうなりました。

「シュゼット! 絶対私が行くまでは、馬車から出てはいけないよ!! 迎えに行くまでマシューと待っていておくれ?」
「はい。判りましたわお父様。待っていますから、早くいらっしゃって下さいね?」

 自国に戻って初めての社交になるため、お父様も張り切っていました。普段、我が儘を言わない私ですが、この歌劇をどうしても観に行きたいとお願いしましたからね。



 馬車寄せでお父様が来るのを待っています。

「……」

「……」

「……随分、遅うございますね? 旦那様は如何されたのでしょう……」

 もう少しで、開演になる時間です。お父様なら絶対遅刻などなさらないはずですけど……どうしたのかしら? マシューもどうしたものかと考えているようです。

「お嬢様、少々外を見て参ります。まさかと思いますが、今夜は混んでいますので、馬車が見つからないのかもしれません。鍵を掛けて待っていて下さいますか?」

 そうですね。これだけ混んでいればそれもあり得ます。そうしようと、頷こうとした時ですわ。

「グリーンフィールド公爵家の馬車でございますか?」


 外から声がしました。









「どうしましょう。お父様が来れなくなったなんて……」



 何とお父様は、急なお仕事の都合で来れなくなりました。急遽お偉いさんに呼び出されたとか。

(お父様~!!)

 ついては、観劇は諦めて戻って来るように。との伝言です。せっかく準備して待っているのに!!

「シュゼット様。今日のところは残念ですが、諦めて下さいませ」

 マシューが苦労して取ってくれたチケット。無駄にするのは忍びないですけど。

「……マシュー。お願いがあります。折角ですから、歌劇場だけでも見ることはできませんか? 綺麗で立派な歌劇場を見てみたいの。彫刻も壁画も素晴らしいと聞いていますもの。良いでしょう?」

 ここまで来て、馬車から一歩も降りないなんて。
 ホールをチラッと見る位、ほんの少し横切る位はしておきたいです。マシューにお願いをします。うるうるの瞳で。

「お嬢様、申し訳ございません。お一人で社交の場に出向くなど、お父上様もお許しにはなりません。今夜はお帰り下さい」

 はい。そうですよね。マシューの立場ならそう言いますよね? 
 でも、本当に折角来たのですから、チラッとでも存在を知らせておきたいのですわ。
 だって、天使150%なんですから!!

「お願いよ。マシュー、ほんの少し、ホールに入る玄関の階段迄でもいいから・・・」
「……いけません。聞き分けて下さいませ」
「でも!」
「シュゼットお嬢様。お願いします。お聞き分け下さい」

 ちっ!! やっぱり我が家の執事は業務執行率が高いですわね。でもね? 甘い所もあります。

「そうは言っても、お嬢様も大変楽しみにしていらっしゃいましたから、玄関ホールまでですよ。ホールを一周したらお帰り頂けますか? それでご納得頂けるのでしたら、私が御供致しますが」

 ほらね?

「本当!? マシュー! 嬉しいわ!! それでいいですわ」

 とにかく、玄関ホールまで行ければ沢山のお客様がいますもの。少しでも姿を見せられれば、良しとしましょう。そうと決まれば、早く行きましょう! 

 マシューは優しく微笑むと、馬車の扉を開けて私を降ろしてくれました。

「外ですわ! まあ、キレイ!」

 馬車寄せから正面玄関までは、装飾のされたガス灯がずっと並んで、白い大理石の壁を照らしています。その幻想的な風景に息を飲みます。思わずうっとりと眺めていました。


「シュゼット・メレリア・グリーンフィールド?」




 背後から名前を呼ばれました。


 ……どなたですの?




しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、すれ違いの末に離れ離れになった夫婦の物語。 再会したとき、二人が選ぶのは「離婚」か、それとも「再構築」か。 妻を一途に想い続ける夫と、 その想いを一ミリも知らない妻。 ――攻防戦の幕が、いま上がる。

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

王女様は温かいごはんが食べたい ~冷えた王宮料理を変えたら、オープンキッチンと政略婚約がついてきました~

しおしお
恋愛
異世界の王女リリアーヌは、前世の記憶を持つ転生者。 豪華絢爛な王宮で暮らし始めた彼女だったが、ひとつだけどうしても耐えられないことがあった。 ――食事が、冷めているのだ。 どれほど立派な料理でも、ぬるいスープや冷めた肉ではホッとできない。 「温かいごはんが食べたい」 そのささやかな願いを口にしたことから、王宮ではなぜか大騒動が巻き起こる。 地下厨房からの高速搬送。 専用レーンを爆走するカートメイド。 扉の開閉に命をかけるオープナー。 ついには食堂に火を持ち込むオープンキッチンまで誕生して――!? 温かさは、ホッとさせてくれる。 それは料理だけではなく、人との距離まで少しずつ変えていくものだった。 冷えた王宮に湯気と笑顔を取り戻す、 食と温かさをめぐる宮廷日常コメディ! -

【番外編も完結】で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?

Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。 簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。 一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。 ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。 そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。 オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。 オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。 「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」 「はい?」 ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。 *--*--* 覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾ ★2/17 番外編を投稿することになりました。→完結しました! ★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓ このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。 第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」 第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」 第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」 どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ もしよかったら宜しくお願いしますね!

乙女ゲームのモブに転生していると断罪イベント当日に自覚した者ですが、ようやく再会できた初恋の男の子が悪役令嬢に攻略され済みなんてあんまりだ

弥生 真由
恋愛
『貴女との婚約は今夜を持って破棄させて貰おう!』  学園卒業祝いの夜会の場に、凛と響いた王太子殿下の一声。  その瞬間、私は全てを思い出した。  私が前世ではただの手芸とゲームが好きなインドア派女子大生だったこと。そして、ゲーム世界に転生して尚も趣味は変わらず、ライバルキャラですらないモブになってしまっていたことを。  幼い頃に一度出会ったきりの初恋の彼と学園で再会出来たらなぁ、なんて淡い期待を抱いて通っていたのに、道理で卒業式までなんにも起きなかったわけだ。  ーーなんて、ひとり納得していたら。  何故だが私が悪役令嬢の断罪イベントの目撃者として名指しされ、一気に渦中の人物に!?  更に、王太子以外の男性陣は皆様悪役令嬢に骨抜き。なので自然と私には、彼女の潔白に繋がる証言が求められる。  しかしながら、私は肝心の事件の日の記憶が訳あって曖昧だったので、致し方なく記憶を呼び覚ます治療を受けさせられる羽目に。  タイムリミットは1年間。  その1年間の私への護衛につけられたのは、悪役令嬢に心奪われた初恋の彼でした。

処理中です...