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82. サルベージ -浮上ー
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セドリック様の事を問うたはずなのに、さっきまで呼び掛けをしてくれた皆様が、口を噤んでしまわれました。
どうして? 何故返事をしてくれないのですか?
『シュゼット。セドリックは……今は話せない』
漸ようやく口を開いてくれたのは、エーリック殿下です。
「話せない? でも、すぐ傍にいらっしゃいますでしょう? すぐ近くにセドリック様の気配を感じますもの」
そうです。今もそうですけど、セドリック様の気配と言うか、存在を感じます。それも皆様よりもずっと近くで。
『シュゼット。セドリックは今、君の隣にいる。しかし、話せる状態に無いのだ』
静かに答えて下さったのは、シルヴァ様ですね。不思議な事に、シルヴァ様の気配も凄く近いのです。声もはっきりと聞こえますし、声に合わせて掌に心臓の鼓動の様な振動も感じます。
『君が直接確かめて欲しい。セドリックが今、どんな状況なのかを……』
何だかもったいぶった言い方に、少しイラっとしましたが、それより気が付いてしまいました。
私を包んでいる赤い糸が、一本、また一本と解ほどけているのです。ずっと私を包んで、ずっと上昇していたのに。温かい糸は、少しずつ熱が失われるとフッと一本づつ溶ける様に消えているのです。
「な、なんで消えるの?」
さっきまであんなに温かったのに。見る間に赤い糸は解けてしまい、上昇する速度が遅くなった気がします。それに伴って、セドリック様の気配が薄くなって来た様な……
思わず、赤い糸が伸びてくる上の方を見上げました。薄暗い天井はどこまでも広がっていて、微かに明るさを感じる箇所もありそうですけど。
でも。
私の足元には真っ暗な闇が、底無しの沼の様に広がっています。そして、闇が足に追い縋る様に黒い霧の触手を伸ばしてきます。
「嫌ッ! 何ですのコレ!?」
黒い霧にゾクリと背筋が震えました。
ここは私の中なのに。私の中に、こんな黒くて悍おぞましい何かがあるのです。
『お嬢様! 早くお戻りになって下さい! セドリック様が! セドリック様が、大怪我で意識不明なんです!!』
マリの大きな声に、黒い霧が一瞬払われた様に凪ぎました。
「えっ!? セドリック様が大怪我? 意識不明? 何があったの?」
思わず大きな声で聞き返しました。そう言っている間にも、赤い糸はどんどん溶けて消えています。セドリック様の気配も随分薄くなってしまいました。
『セドリックが、事故に巻き込まれて大怪我を負った。頭を強く打っている。目を覚ますかどうか今は判らない』
シルヴァ様はそう言うと、早く戻って来い。とも言いました。
セドリック様が大怪我……頭を打って、目を覚まさないかもしれない?
『お嬢様! お願いです。早く目を覚まして下さいませ。セドリック様は、お嬢様のお見舞いにいらっしゃったのです!!』
えっ!? 私のお見舞い? それで事故に遭ったの?
胸の奥がギューッと痛くなりました。私の事を心配して駆け付けてくれたという事?
私のせい……? 私がこんな処ところに沈んでいるから?
「……」
ふと、甘酸っぱい香りが漂ってきました。
『シュゼット? セドリックの持って来たお見舞いの花だよ? 良い香りだろう? アイツ、君がこの花を好きな事忘れていなかったよ?』
エーリック殿下が教えてくれます。
ああ。私の好きな花の香りです。もう、この花が咲く季節なのですね……
セドリック様が、私の為に持って来てくれたお花。私のお見舞いに来て下さったのに、事故に巻き込まれてしまった。
お礼も、ごめんなさい。も言えないの? 聞いて貰えないの?
もう、あの綺麗なアイスブルーの瞳を見ることも出来ないの?
あの上から目線の言葉も聞けないの?
「嫌です。セドリック様に会えないのは嫌です……」
今も赤い糸はスルスルと私から解けています。セドリック様の気配がもう、ほんの少ししか感じられません。
『シュゼット! 上がって来い! 引き上げるから、手を伸ばして上がって来い!!』
レイシル様の声に釣られて、上の方を見上げます。薄っすらと光が透けている様に見えます。随分上昇したという事でしょうか
「でも、さっきまで引っ張り上げてくれた赤い糸が、どんどん消えてしまっているの!! それに黒い霧が足を引っ張って上に上がれないの!!」
黒い霧は蠢いて、また足首辺りまで纏わりついて来ました。蹴っても払っても取れることは無いのです。
『黒い霧? シュゼット、良く聞いてくれ。多分それは、君の負の心だ。君は今、君の心の中にいる。そこから浮上するには、君が浮上したいと思わなければ抜け出せない』
私の負の心? 負の心が私を奥底に沈めようとしているの?
『シュゼット。君が光の識別者となる為には、負の心をコントロールしなければならないだろう。それは並大抵の事では無いと思う。しかし、もしそれが可能ならばセドリック殿も助けられるはずだ』
レイシル様の声です。
光の識別者……そうでした。ワタシハ、ヒカリノシキベツシャデシタ。
黒い霧がフワッと舞い上がった様な気がしました。
「……ソレハ、イヤ」
『えっ!?』
レイシル様の裏返った様な声が聞こえました。そして、皆様の気配がピクッと止まったような感じがしましたわ。
「光の識別者なんてなりたくないです!! ついでに婚約者候補にもなりたくないです!! 当然、側室にもなりたくないですわ!! 何で、勝手に私の将来を決めるのですか!? どうして誰も聞いてくれないのですか!? 私の気持ちは無視ですの!? 100年いなくて済んだ光の識別者なんて、存在する意味があるの!? いなくて良いでしょう!?」
もう、溜まっていた言葉が流れ出します。止められない勢いで、私の口から迸ほとばしります。すると、見る見るうちに黒い霧は、私の身体を這いあがってきます。
ああ。これが、負の心なのですね。
私の本心が、負の心と言う事なのですね……
でも、
でも、
でも、
でも、
「セドリック様が目を覚まさないのは、それよりずっと嫌ですのっ!!!!!!」
そう怒鳴ると、わずかに残っていた赤い糸が、再び上昇を始めました。
物凄い勢いで、私の腰辺りまで蠢うごめいていた黒い霧が、あっという間に振り切られて上へ、上へと引き上げられます。
「……シュゼット・メレリア・グリーンフィールド」
風を切る様に上昇する耳元で、その声ははっきりと聞こえました。
「セ、セドリック様?」
確かにセドリック様の声です。
「ああ。やっと話が出来た。君は大丈夫か?」
何で、私を心配しているのですか!? 貴方の方が重症ですのよ!?
「どこにいらっしゃるの? 貴方こそ大丈夫ですの!?」
上昇する風で、目を開けているのが辛いですけど、声のする方を探して周囲を見回します。でも、薄明るくなったとは言え、周囲はまるで雲の中で何も見つけられません。
「君が、君の思う通りに生きられれば良いなと思う。君の思う通りになって欲しいと思う。君が、珍しい魔法の識別者でなくて、フェリックス殿下の婚約者候補でなくても、君はシュゼット・メレリア・グリーンフィールドだから……」
「セドリック様? こ、声が小さくて聞こえないですわ」
だんだん小さくなるその声に不安が込み上げます。
「う……ん。と……ても、ね……眠い……んだ……」
赤い糸の上昇がピタリと止まってしまいました。まるで、セドリック様の意識と連動している様な感じです。
「セドリック様?」
「……」
もう少しで、天井の雲の切れ目に届きそうだったのに。セドリック様の返事が無くなったと同時に、本当に僅かに残って私を支えていた赤い糸が、スルスルと滑るように解ほどけ始めました。
落ちる!! そう思った瞬間。
『シュゼット!!!!』『お嬢様っ!』
皆様の声が辺りに響くと、赤い糸ごと強い力に引っ張られました。
まるで、溺れた海で引き上げられる様な強い力です。
そして、目の前が一気に眩まばゆい光で溢れました。
そうです。私は、私に戻って来たのです。
どうして? 何故返事をしてくれないのですか?
『シュゼット。セドリックは……今は話せない』
漸ようやく口を開いてくれたのは、エーリック殿下です。
「話せない? でも、すぐ傍にいらっしゃいますでしょう? すぐ近くにセドリック様の気配を感じますもの」
そうです。今もそうですけど、セドリック様の気配と言うか、存在を感じます。それも皆様よりもずっと近くで。
『シュゼット。セドリックは今、君の隣にいる。しかし、話せる状態に無いのだ』
静かに答えて下さったのは、シルヴァ様ですね。不思議な事に、シルヴァ様の気配も凄く近いのです。声もはっきりと聞こえますし、声に合わせて掌に心臓の鼓動の様な振動も感じます。
『君が直接確かめて欲しい。セドリックが今、どんな状況なのかを……』
何だかもったいぶった言い方に、少しイラっとしましたが、それより気が付いてしまいました。
私を包んでいる赤い糸が、一本、また一本と解ほどけているのです。ずっと私を包んで、ずっと上昇していたのに。温かい糸は、少しずつ熱が失われるとフッと一本づつ溶ける様に消えているのです。
「な、なんで消えるの?」
さっきまであんなに温かったのに。見る間に赤い糸は解けてしまい、上昇する速度が遅くなった気がします。それに伴って、セドリック様の気配が薄くなって来た様な……
思わず、赤い糸が伸びてくる上の方を見上げました。薄暗い天井はどこまでも広がっていて、微かに明るさを感じる箇所もありそうですけど。
でも。
私の足元には真っ暗な闇が、底無しの沼の様に広がっています。そして、闇が足に追い縋る様に黒い霧の触手を伸ばしてきます。
「嫌ッ! 何ですのコレ!?」
黒い霧にゾクリと背筋が震えました。
ここは私の中なのに。私の中に、こんな黒くて悍おぞましい何かがあるのです。
『お嬢様! 早くお戻りになって下さい! セドリック様が! セドリック様が、大怪我で意識不明なんです!!』
マリの大きな声に、黒い霧が一瞬払われた様に凪ぎました。
「えっ!? セドリック様が大怪我? 意識不明? 何があったの?」
思わず大きな声で聞き返しました。そう言っている間にも、赤い糸はどんどん溶けて消えています。セドリック様の気配も随分薄くなってしまいました。
『セドリックが、事故に巻き込まれて大怪我を負った。頭を強く打っている。目を覚ますかどうか今は判らない』
シルヴァ様はそう言うと、早く戻って来い。とも言いました。
セドリック様が大怪我……頭を打って、目を覚まさないかもしれない?
『お嬢様! お願いです。早く目を覚まして下さいませ。セドリック様は、お嬢様のお見舞いにいらっしゃったのです!!』
えっ!? 私のお見舞い? それで事故に遭ったの?
胸の奥がギューッと痛くなりました。私の事を心配して駆け付けてくれたという事?
私のせい……? 私がこんな処ところに沈んでいるから?
「……」
ふと、甘酸っぱい香りが漂ってきました。
『シュゼット? セドリックの持って来たお見舞いの花だよ? 良い香りだろう? アイツ、君がこの花を好きな事忘れていなかったよ?』
エーリック殿下が教えてくれます。
ああ。私の好きな花の香りです。もう、この花が咲く季節なのですね……
セドリック様が、私の為に持って来てくれたお花。私のお見舞いに来て下さったのに、事故に巻き込まれてしまった。
お礼も、ごめんなさい。も言えないの? 聞いて貰えないの?
もう、あの綺麗なアイスブルーの瞳を見ることも出来ないの?
あの上から目線の言葉も聞けないの?
「嫌です。セドリック様に会えないのは嫌です……」
今も赤い糸はスルスルと私から解けています。セドリック様の気配がもう、ほんの少ししか感じられません。
『シュゼット! 上がって来い! 引き上げるから、手を伸ばして上がって来い!!』
レイシル様の声に釣られて、上の方を見上げます。薄っすらと光が透けている様に見えます。随分上昇したという事でしょうか
「でも、さっきまで引っ張り上げてくれた赤い糸が、どんどん消えてしまっているの!! それに黒い霧が足を引っ張って上に上がれないの!!」
黒い霧は蠢いて、また足首辺りまで纏わりついて来ました。蹴っても払っても取れることは無いのです。
『黒い霧? シュゼット、良く聞いてくれ。多分それは、君の負の心だ。君は今、君の心の中にいる。そこから浮上するには、君が浮上したいと思わなければ抜け出せない』
私の負の心? 負の心が私を奥底に沈めようとしているの?
『シュゼット。君が光の識別者となる為には、負の心をコントロールしなければならないだろう。それは並大抵の事では無いと思う。しかし、もしそれが可能ならばセドリック殿も助けられるはずだ』
レイシル様の声です。
光の識別者……そうでした。ワタシハ、ヒカリノシキベツシャデシタ。
黒い霧がフワッと舞い上がった様な気がしました。
「……ソレハ、イヤ」
『えっ!?』
レイシル様の裏返った様な声が聞こえました。そして、皆様の気配がピクッと止まったような感じがしましたわ。
「光の識別者なんてなりたくないです!! ついでに婚約者候補にもなりたくないです!! 当然、側室にもなりたくないですわ!! 何で、勝手に私の将来を決めるのですか!? どうして誰も聞いてくれないのですか!? 私の気持ちは無視ですの!? 100年いなくて済んだ光の識別者なんて、存在する意味があるの!? いなくて良いでしょう!?」
もう、溜まっていた言葉が流れ出します。止められない勢いで、私の口から迸ほとばしります。すると、見る見るうちに黒い霧は、私の身体を這いあがってきます。
ああ。これが、負の心なのですね。
私の本心が、負の心と言う事なのですね……
でも、
でも、
でも、
でも、
「セドリック様が目を覚まさないのは、それよりずっと嫌ですのっ!!!!!!」
そう怒鳴ると、わずかに残っていた赤い糸が、再び上昇を始めました。
物凄い勢いで、私の腰辺りまで蠢うごめいていた黒い霧が、あっという間に振り切られて上へ、上へと引き上げられます。
「……シュゼット・メレリア・グリーンフィールド」
風を切る様に上昇する耳元で、その声ははっきりと聞こえました。
「セ、セドリック様?」
確かにセドリック様の声です。
「ああ。やっと話が出来た。君は大丈夫か?」
何で、私を心配しているのですか!? 貴方の方が重症ですのよ!?
「どこにいらっしゃるの? 貴方こそ大丈夫ですの!?」
上昇する風で、目を開けているのが辛いですけど、声のする方を探して周囲を見回します。でも、薄明るくなったとは言え、周囲はまるで雲の中で何も見つけられません。
「君が、君の思う通りに生きられれば良いなと思う。君の思う通りになって欲しいと思う。君が、珍しい魔法の識別者でなくて、フェリックス殿下の婚約者候補でなくても、君はシュゼット・メレリア・グリーンフィールドだから……」
「セドリック様? こ、声が小さくて聞こえないですわ」
だんだん小さくなるその声に不安が込み上げます。
「う……ん。と……ても、ね……眠い……んだ……」
赤い糸の上昇がピタリと止まってしまいました。まるで、セドリック様の意識と連動している様な感じです。
「セドリック様?」
「……」
もう少しで、天井の雲の切れ目に届きそうだったのに。セドリック様の返事が無くなったと同時に、本当に僅かに残って私を支えていた赤い糸が、スルスルと滑るように解ほどけ始めました。
落ちる!! そう思った瞬間。
『シュゼット!!!!』『お嬢様っ!』
皆様の声が辺りに響くと、赤い糸ごと強い力に引っ張られました。
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そして、目の前が一気に眩まばゆい光で溢れました。
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