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98. 存在の有無
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「セドリックーッ‼」
いきなり部屋に飛び込んできたカテリーナ様。エーリック殿下が、その勢いを抱き留めるようにしています。
「落ち着いて‼ カテリーナ‼ 落ち着いてくれ。相手はケガ人だぞ‼」
しっかりと両腕の中にカテリーナ様を閉じ込めて、諭すように声を掛けています。久し振りに見たカテリーナ様のイノシシ娘ぶり。ですわ。
そう言えば、カテリーナ様とも数日振りですね。
「シュゼットーッ⁉」
ええ。忘れていました。カテリーナ様の会えなかった後の再会テンションの高さを。
「ぐええっ」
乙女にあるまじきカエルの鳴き声。カテリーナ様はエーリック殿下を振り切って、私に抱き付いてきました。この力加減に懐かしささえ感じてしまいます。
「カテリーナ様? 御機嫌よう? ですわ?」
まずは、ご挨拶で勘弁して頂きましょう。
ひとしきり私に注意を向けて、テンションを落ち着かせましょう。このままセドリック様の傍には行かせられません。エーリック殿下とシルヴァ様が、申し訳なさそうに眉根を下げています。
「カテリーナ様? ご心配をお掛けいたしました。私はもう大丈夫ですの。カテリーナ様は、セドリック様の事をお聞きになってお見舞いにいらしたのですね?」
そっとカテリーナ様の腕を外すと、彼女の手を取って向かい合います。エーリック様とシルヴァ様が何気に用心しての事でしょうか、カテリーナ様の両脇に位置取りました。いつでも抑え込みが出来る体勢です。
黒くてアーモンド形の大きな瞳が涙で潤んでいるようです。眼の縁も擦ったのでしょうか、赤くなっている様に見えました。
「カテリーナ? 少し落ち着いた? 大丈夫?」
ようやっと落ち着いたカテリーナ様が、口を開きました。
「もう大丈夫よ。セドリックが大怪我をしたって聞いたから……いても立ってもいられなかったのよ。それで、セドリックの様子は⁉ どうなの?」
私は、セドリック様が寝ている寝台に向けてカテリーナ様の手を引きます。目を覚ましていたセドリック様ですから、カテリーナ様が来られたのは判っているはずですもの。
「セド……」
枕元に立たれたカテリーナ様は声を掛けて息を飲まれました。
「カテリーナ。セドリックは全身の打ち身と右手右足の骨折。頭の傷もあるから、触らない様にね? さっき目を覚ましたばかりだから……声は聞こえると思うけど」
エーリック殿下がカテリーナ様の肩をそっと抱くと、静かにそうおっしゃいました。
「セド? セドリック?」
エーリック殿下の忠告通り、カテリーナ様は静かに囁くように声を掛けました。
「か、カテリー・ナ 様……」
小さな声ですが、カテリーナ様の呼びかけに応えられました。アイスブルーの瞳も、しっかり開かれて声の主の方をしっかり見ているようです。
「セド、私が判るのね?」
名前を呼ばれたカテリーナ様の頬が、ぽうっと明るくなった様に見えました。だって、入って来た時は顔色も悪く、表情も全然違っていました。泣きそうで、怒って、悲しんで……
「判り・マス。じゃ……じゃ馬・イノ・シ・シ・む」
「何を言っているのかしら!?」
セドリック様は、微かに唇をとんがらせて見せました。
「「「セドリック‼」」様!」
安堵と、いつものセドリック様振りに、呆れ笑いを浮かべた私達がいたのでした。
そして、
「よ、良かったあぁあああ! セドリックゥッ‼ シュゼットもぉっ‼」
そう言ってカテリーナ様が、私に抱き付いて大泣きをされたのです。
こんなに泣かれたカテリーナ様を初めて見ました。きっと、セドリック様の事も、私の事も物凄く、心から心配して下さったのでしょう。
「カテリーナ様……」
私もカテリーナ様を抱き締めると、同じように涙が出てきました。
ああ。こんなに心配して下さった。その温かさに申し訳なさと、同じ位に感じる感謝を噛み締めたのでした。
ひとしきり抱き合って泣いていた私とカテリーナ様は、無言で見ているセドリック様の視線を感じて、慌てて離れました。いえ、見ていたのはエーリック殿下とシルヴァ様も一緒ですけど? なぜ、そこで無言で見ていたのでしょう? それもその視線が何とも生暖かい様な気がしましたけど?
気恥ずかしくなった私は、そっと寝台から離れると部屋の外に控えていたマリを呼びました。
「マリ、皆様にお茶をお願いしますわ」
「だって、シュゼットが欠席した日、エーリックもフェリックス様もお休みだったでしょう? まあ、二人はどうでも良いけど。それで、シュゼットのお見舞いにセドリックを行かせたはずなのに……」
お茶を一口飲んで、カテリーナ様が再び続けました。
「お見舞いに行ったはずのセドリック。そしたら翌日には、今度はセドリックが休みになってしまったでしょう? シュゼット、エーリック、フェリックス様、セドリック。それも体調不良でお休みのシュゼット以外は、みんな良く判らない理由なんですもの。どうしたのかと思ったわ。まあ、私はシュゼット以外はどうでも良いけど?」
私達はセドリック様の病室から、私の病室に移動してソファに座ってお茶を頂いています。さすがに、セドリック様が目を覚ましたと言っても頭の状態も様子見中ですから、騒がしくするわけにはいきませんものね?
「どうでも良いは酷いね。それも2回も言ってるし。でも、誰からセドリックの事を聞いたの?」
エーリック殿下は、苦笑いを浮かべてカテリーナ様に顔を向けました。
「マラカイト公爵様が王太后おばあ様の離宮にいらっしゃいましたの。そこでお話を聞いたついでに、そう言えば二人はどうしたのかと伺いましたわ。そうしたら、最初はもごもごして良く判らなかったのですけど、まあ、最終的には口を割りましたわね」
得意そうに言うカテリーナ様の横顔に、エーリック殿下がげんなりしたような表情を向けました。多分ですけど、マラカイト公爵様の心情を推し量ったのでしょうね。
「で、よくよく聞いたらセドリックが、大怪我して入院しているというじゃない!? シュゼットもセドリックも入院しているなんて一大事だし、私がお見舞いに行かせたことが原因かもしれないと思うと、居ても立ってもいられなくて」
「それで、ここに来たのか……」
シルヴァ様が、仕方が無いとでも言うように、カテリーナ様の頭に大きな手をポンっと載せました。
おうっ‼ 初めて人がさせれるのを見ました。これが頭ポンですわね?
「それで、肝心な事は聞いたのだろう? マラカイト公爵は正式な訪問だったはずだが」
「ええ。フェリックス殿下の、正式な婚約者になったと聞きました。ガーデンパーティーで発表されますわ」
何でもない事の様に言うカテリーナ様。
この方は、やはり一国のお姫様なのです。いずれ近い将来、このコレール王国の王妃となる方なのです。
「……シュゼット? 貴方とイザベラ嬢とドロシア嬢が、ガーデンパーティーでブライズメイドになって下さるのですって? 急なお願いで申し訳ないけど。でも、貴方達の素敵な姿が見られるなんて嬉しいわ。引き受けてくれてありがとう」
にっこり微笑むカテリーナ様は、頬を薄っすらと染めて私の方を向きました。
婚約者候補が複数人いる事に、きっと悩まれた事でしょう。それに、側室候補についてもご存じ無いはずはありませんもの。私が知らないだけで、気が付かなかっただけで、カテリーナ様は悩み傷付いていた事でしょう……
「カテリーナ様。ご婚約おめでとうございます。ブライズメイドの役、大変光栄ですわ。ご満足頂けるように頑張ります」
私は立ち上がりカテリーナ様の前まで進むと、カーテシーをして気持ちをお伝えします。偽りの無い祝福の気持ちなのですから。
「そう言えば、ブライズメイドにはシュゼット、貴方とイザベラ嬢とドロシア嬢の三人よね?」
「はい。王妃様から三ヶ所の東屋を、それぞれに任せたいと言われました」
確かに王妃様は、三人にとおっしゃいましたけど、あの時感じた違和感がふと頭に浮かびました。
「3人で三ヶ所の東屋とおっしゃいましたけど、カテリーナ様以外に4人婚約者候補者がいました。言われたのは私達3人でしたけど、ローナ様はブライズメイドの役をしないのでしょうか? カテリーナ様はお聞きになっていらしゃいますか?」
王宮で制度の撤廃のお話を聞いた時も、ローナ様もカリノ家ご当主も来ていませんでした。確か、陛下はすでに話してあるともおっしゃっていましたわ。
でも、変なお話しですよね。爵位の序列から言っても、免除の対象にはならないでしょうに。
「ローナ嬢の事は特に聞いていないの。そう言えば、彼女もセドリックをお見舞いに送り出した日の、午後の授業を早退していていたわ。気が付いたらいなかったけど。ロイ様が、気分が優れず帰ったとか言っていたかしら? それ以来彼女も学院も休んでいるわ」
首を傾げながら、カテリーナ様がエーリック殿下をチラリと見た様な? 気がしました。
「ねえ? エーリックは何か知っているのではなくて? ローナ嬢はどうかされたのかしら?」
キラリとカテリーナ様の目が光りましたわ。
「シルヴァ叔父様? ご存じなのでしょう?」
いきなり部屋に飛び込んできたカテリーナ様。エーリック殿下が、その勢いを抱き留めるようにしています。
「落ち着いて‼ カテリーナ‼ 落ち着いてくれ。相手はケガ人だぞ‼」
しっかりと両腕の中にカテリーナ様を閉じ込めて、諭すように声を掛けています。久し振りに見たカテリーナ様のイノシシ娘ぶり。ですわ。
そう言えば、カテリーナ様とも数日振りですね。
「シュゼットーッ⁉」
ええ。忘れていました。カテリーナ様の会えなかった後の再会テンションの高さを。
「ぐええっ」
乙女にあるまじきカエルの鳴き声。カテリーナ様はエーリック殿下を振り切って、私に抱き付いてきました。この力加減に懐かしささえ感じてしまいます。
「カテリーナ様? 御機嫌よう? ですわ?」
まずは、ご挨拶で勘弁して頂きましょう。
ひとしきり私に注意を向けて、テンションを落ち着かせましょう。このままセドリック様の傍には行かせられません。エーリック殿下とシルヴァ様が、申し訳なさそうに眉根を下げています。
「カテリーナ様? ご心配をお掛けいたしました。私はもう大丈夫ですの。カテリーナ様は、セドリック様の事をお聞きになってお見舞いにいらしたのですね?」
そっとカテリーナ様の腕を外すと、彼女の手を取って向かい合います。エーリック様とシルヴァ様が何気に用心しての事でしょうか、カテリーナ様の両脇に位置取りました。いつでも抑え込みが出来る体勢です。
黒くてアーモンド形の大きな瞳が涙で潤んでいるようです。眼の縁も擦ったのでしょうか、赤くなっている様に見えました。
「カテリーナ? 少し落ち着いた? 大丈夫?」
ようやっと落ち着いたカテリーナ様が、口を開きました。
「もう大丈夫よ。セドリックが大怪我をしたって聞いたから……いても立ってもいられなかったのよ。それで、セドリックの様子は⁉ どうなの?」
私は、セドリック様が寝ている寝台に向けてカテリーナ様の手を引きます。目を覚ましていたセドリック様ですから、カテリーナ様が来られたのは判っているはずですもの。
「セド……」
枕元に立たれたカテリーナ様は声を掛けて息を飲まれました。
「カテリーナ。セドリックは全身の打ち身と右手右足の骨折。頭の傷もあるから、触らない様にね? さっき目を覚ましたばかりだから……声は聞こえると思うけど」
エーリック殿下がカテリーナ様の肩をそっと抱くと、静かにそうおっしゃいました。
「セド? セドリック?」
エーリック殿下の忠告通り、カテリーナ様は静かに囁くように声を掛けました。
「か、カテリー・ナ 様……」
小さな声ですが、カテリーナ様の呼びかけに応えられました。アイスブルーの瞳も、しっかり開かれて声の主の方をしっかり見ているようです。
「セド、私が判るのね?」
名前を呼ばれたカテリーナ様の頬が、ぽうっと明るくなった様に見えました。だって、入って来た時は顔色も悪く、表情も全然違っていました。泣きそうで、怒って、悲しんで……
「判り・マス。じゃ……じゃ馬・イノ・シ・シ・む」
「何を言っているのかしら!?」
セドリック様は、微かに唇をとんがらせて見せました。
「「「セドリック‼」」様!」
安堵と、いつものセドリック様振りに、呆れ笑いを浮かべた私達がいたのでした。
そして、
「よ、良かったあぁあああ! セドリックゥッ‼ シュゼットもぉっ‼」
そう言ってカテリーナ様が、私に抱き付いて大泣きをされたのです。
こんなに泣かれたカテリーナ様を初めて見ました。きっと、セドリック様の事も、私の事も物凄く、心から心配して下さったのでしょう。
「カテリーナ様……」
私もカテリーナ様を抱き締めると、同じように涙が出てきました。
ああ。こんなに心配して下さった。その温かさに申し訳なさと、同じ位に感じる感謝を噛み締めたのでした。
ひとしきり抱き合って泣いていた私とカテリーナ様は、無言で見ているセドリック様の視線を感じて、慌てて離れました。いえ、見ていたのはエーリック殿下とシルヴァ様も一緒ですけど? なぜ、そこで無言で見ていたのでしょう? それもその視線が何とも生暖かい様な気がしましたけど?
気恥ずかしくなった私は、そっと寝台から離れると部屋の外に控えていたマリを呼びました。
「マリ、皆様にお茶をお願いしますわ」
「だって、シュゼットが欠席した日、エーリックもフェリックス様もお休みだったでしょう? まあ、二人はどうでも良いけど。それで、シュゼットのお見舞いにセドリックを行かせたはずなのに……」
お茶を一口飲んで、カテリーナ様が再び続けました。
「お見舞いに行ったはずのセドリック。そしたら翌日には、今度はセドリックが休みになってしまったでしょう? シュゼット、エーリック、フェリックス様、セドリック。それも体調不良でお休みのシュゼット以外は、みんな良く判らない理由なんですもの。どうしたのかと思ったわ。まあ、私はシュゼット以外はどうでも良いけど?」
私達はセドリック様の病室から、私の病室に移動してソファに座ってお茶を頂いています。さすがに、セドリック様が目を覚ましたと言っても頭の状態も様子見中ですから、騒がしくするわけにはいきませんものね?
「どうでも良いは酷いね。それも2回も言ってるし。でも、誰からセドリックの事を聞いたの?」
エーリック殿下は、苦笑いを浮かべてカテリーナ様に顔を向けました。
「マラカイト公爵様が王太后おばあ様の離宮にいらっしゃいましたの。そこでお話を聞いたついでに、そう言えば二人はどうしたのかと伺いましたわ。そうしたら、最初はもごもごして良く判らなかったのですけど、まあ、最終的には口を割りましたわね」
得意そうに言うカテリーナ様の横顔に、エーリック殿下がげんなりしたような表情を向けました。多分ですけど、マラカイト公爵様の心情を推し量ったのでしょうね。
「で、よくよく聞いたらセドリックが、大怪我して入院しているというじゃない!? シュゼットもセドリックも入院しているなんて一大事だし、私がお見舞いに行かせたことが原因かもしれないと思うと、居ても立ってもいられなくて」
「それで、ここに来たのか……」
シルヴァ様が、仕方が無いとでも言うように、カテリーナ様の頭に大きな手をポンっと載せました。
おうっ‼ 初めて人がさせれるのを見ました。これが頭ポンですわね?
「それで、肝心な事は聞いたのだろう? マラカイト公爵は正式な訪問だったはずだが」
「ええ。フェリックス殿下の、正式な婚約者になったと聞きました。ガーデンパーティーで発表されますわ」
何でもない事の様に言うカテリーナ様。
この方は、やはり一国のお姫様なのです。いずれ近い将来、このコレール王国の王妃となる方なのです。
「……シュゼット? 貴方とイザベラ嬢とドロシア嬢が、ガーデンパーティーでブライズメイドになって下さるのですって? 急なお願いで申し訳ないけど。でも、貴方達の素敵な姿が見られるなんて嬉しいわ。引き受けてくれてありがとう」
にっこり微笑むカテリーナ様は、頬を薄っすらと染めて私の方を向きました。
婚約者候補が複数人いる事に、きっと悩まれた事でしょう。それに、側室候補についてもご存じ無いはずはありませんもの。私が知らないだけで、気が付かなかっただけで、カテリーナ様は悩み傷付いていた事でしょう……
「カテリーナ様。ご婚約おめでとうございます。ブライズメイドの役、大変光栄ですわ。ご満足頂けるように頑張ります」
私は立ち上がりカテリーナ様の前まで進むと、カーテシーをして気持ちをお伝えします。偽りの無い祝福の気持ちなのですから。
「そう言えば、ブライズメイドにはシュゼット、貴方とイザベラ嬢とドロシア嬢の三人よね?」
「はい。王妃様から三ヶ所の東屋を、それぞれに任せたいと言われました」
確かに王妃様は、三人にとおっしゃいましたけど、あの時感じた違和感がふと頭に浮かびました。
「3人で三ヶ所の東屋とおっしゃいましたけど、カテリーナ様以外に4人婚約者候補者がいました。言われたのは私達3人でしたけど、ローナ様はブライズメイドの役をしないのでしょうか? カテリーナ様はお聞きになっていらしゃいますか?」
王宮で制度の撤廃のお話を聞いた時も、ローナ様もカリノ家ご当主も来ていませんでした。確か、陛下はすでに話してあるともおっしゃっていましたわ。
でも、変なお話しですよね。爵位の序列から言っても、免除の対象にはならないでしょうに。
「ローナ嬢の事は特に聞いていないの。そう言えば、彼女もセドリックをお見舞いに送り出した日の、午後の授業を早退していていたわ。気が付いたらいなかったけど。ロイ様が、気分が優れず帰ったとか言っていたかしら? それ以来彼女も学院も休んでいるわ」
首を傾げながら、カテリーナ様がエーリック殿下をチラリと見た様な? 気がしました。
「ねえ? エーリックは何か知っているのではなくて? ローナ嬢はどうかされたのかしら?」
キラリとカテリーナ様の目が光りましたわ。
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