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王道転校生とルームメイト

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「平凡顔の癖に僕に意見しないで欲しいんだけど。
言っておくけど、アンタみたいなのがS組にいる事、ほとんどの人が認めてないんだからね」

「何だよそれ!俺といいコイツといい、何で見た目で否定されなきゃなんないんだよ!!
おい!お前も黙ってないで何とか言えよ!」


何故か俺の事なのに夢咲が怒っている。
初対面の人間の為に怒れるって凄いな。


しかし、吊り目君のような事は散々言われてきたので本当に今更だ。


気にしないと言えば嘘になるし、慣れる事もないが、この学校には俺の地雷原である家族がいない為、そこまで気にならないし傷付いてもいない。


【俺】を見ようともしてくれない存在には一切興味がない。


興味がないから名前も覚えていないようなクラスメイトからの言葉なので、特に言うべき事もないと首を傾げていると、どう受け取ったのか、夢咲の怒りの矛先がこちらに向いた。


「何で何も言わないんだよ!!お前も結局、他の奴等と一緒なのか……顔が良くない奴は何言われても仕方ないって……そう思ってるのかよ。
…………最低だな。お前も、そこの奴等も」

「アンタみたいな不潔な見た目の底辺に最低呼ばわりされたくないんだけど」

「何でそんなに偉そうなんだよ、ホントにムカつくな」

「僕達の方が何倍もアンタにムカついてるんだよ。
その汚い姿で美しい生徒会の方達に近寄らないで!」

「友達と一緒にいるのに見た目は関係ないだろ!!」


話が振り出しに戻りそうな気配がしたので、仕方なしに再び声を掛ける。


「あの…その話をいつまで続けるつもりなの?」



俺の言葉に、またしても一瞬静まり返る。
注目されるの好きじゃないんだよなぁ……まぁ今回限りだろうから我慢しよう。

二人が反論しようと口を開きかけていたので先にこちらの意見を伝える。
彼らに話をさせていては埒が明かない。


「さっき俺が言った事を覚えてる?邪魔なのは君たちだよ……君たちは、自分達が今どこで話をしているのか分かってる?」


俺の言葉に彼らは反論しようとしていた言葉を飲み込んだ。
そうして教室を見渡し、自分達が出入口のドアを塞ぎ、かなりの注目を集めていた事に気付いたようで、バツが悪そうに顔を逸した。


「俺はね、君たちがどれだけ口論しようと構わないんだ。
でも時と場所は考えて欲しい……人が出入りする場所でするべき事じゃないと思う」

「夢咲君たちに至ってはかなり目立つ存在で、君たちが望んでなくても、こうやって注目が集まって状況が悪化するんだよ」

「注目が集まるという点に関して、君たちは悪くないのかもしれない。でも今こうして俺に迷惑をかけてる」

「君は……君たちはもう少し、自分達が与える影響を理解した方がいいよ。
でないと周りが迷惑するから」
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