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王道転校生とルームメイト
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少し厳しい言い方だったかもしれないが、これぐらい言っておかないと再発してしまうかもしれないので仕方ない。
元からクラスでは空気みたいな存在だし、少しぐらい注意したからと言って問題ないだろう……多分。
しばらく沈黙が続いたが、吊り目君が引き下がってくれて道を開けてくれた。
それに続くように夢咲達も出入口から離れてくれる。
そのまま食堂に向かうのだろう夢咲達の横を通り過ぎる瞬間、何かに腕を掴まれて思い切り引っ張られた。
急に引っ張られてバランスを崩して蹈鞴を踏む。
何事かと戸惑っていると、眼の前には真っ黒いもさもさがあった。
どうやら俺を引っ張ったのは夢咲らしい。
「えっと……何?」
かなり強い力で握られているのか、腕が痛い。
早く離して欲しくてこちらから声を掛ける。
夢咲は何度か口をパクパクと動かしてから、顔を上げてじっと俺を見つめてきた。
瓶底眼鏡のせいで全く視線は合わないが。
「さっきは……ごめん。教室塞いで…騒いで迷惑かけて…俺、頭に血が上ると我慢できなくなって周りが見えなくなるから。
お前に言われた事、その通り過ぎてグサッて来た」
「次同じ事しないならいいんじゃないかな」
きちんと反省して、繰り返さないようにしてくれれば充分だと思う。
用件はもうないだろうと腕を掴んでいる手に触れる。
何故かその手を握られて更に身動きが取れなくなった。
何で?
「………手、離して欲しいんだけど」
俺の言葉に何故か夢咲が驚いたように口を開けて固まっている。
何で夢咲が驚くの?掴んでるの夢咲だろ?
「あっ………あの…さ!…名前……教えて…ください!!」
何で敬語?
「………園宮」
下の名前はよっぽどの事がない限りは教えたくないので苗字だけ名乗った。
名前に変わりないだろう。
「下の名前は?」
不満そうな呟きと共にギリギリと腕を掴む手に力を込められる。
痛い痛い痛い痛い!!
力強っ!!!
「……………………………………………ありす」
何度名乗っても慣れない。
可愛らしい女の子の名前に似つかわしくない容姿なのが心底嫌で、ぷいっと顔を背ける。
「…………………すげぇ可愛い…」
すぐ近くで幻聴が聴こえた
元からクラスでは空気みたいな存在だし、少しぐらい注意したからと言って問題ないだろう……多分。
しばらく沈黙が続いたが、吊り目君が引き下がってくれて道を開けてくれた。
それに続くように夢咲達も出入口から離れてくれる。
そのまま食堂に向かうのだろう夢咲達の横を通り過ぎる瞬間、何かに腕を掴まれて思い切り引っ張られた。
急に引っ張られてバランスを崩して蹈鞴を踏む。
何事かと戸惑っていると、眼の前には真っ黒いもさもさがあった。
どうやら俺を引っ張ったのは夢咲らしい。
「えっと……何?」
かなり強い力で握られているのか、腕が痛い。
早く離して欲しくてこちらから声を掛ける。
夢咲は何度か口をパクパクと動かしてから、顔を上げてじっと俺を見つめてきた。
瓶底眼鏡のせいで全く視線は合わないが。
「さっきは……ごめん。教室塞いで…騒いで迷惑かけて…俺、頭に血が上ると我慢できなくなって周りが見えなくなるから。
お前に言われた事、その通り過ぎてグサッて来た」
「次同じ事しないならいいんじゃないかな」
きちんと反省して、繰り返さないようにしてくれれば充分だと思う。
用件はもうないだろうと腕を掴んでいる手に触れる。
何故かその手を握られて更に身動きが取れなくなった。
何で?
「………手、離して欲しいんだけど」
俺の言葉に何故か夢咲が驚いたように口を開けて固まっている。
何で夢咲が驚くの?掴んでるの夢咲だろ?
「あっ………あの…さ!…名前……教えて…ください!!」
何で敬語?
「………園宮」
下の名前はよっぽどの事がない限りは教えたくないので苗字だけ名乗った。
名前に変わりないだろう。
「下の名前は?」
不満そうな呟きと共にギリギリと腕を掴む手に力を込められる。
痛い痛い痛い痛い!!
力強っ!!!
「……………………………………………ありす」
何度名乗っても慣れない。
可愛らしい女の子の名前に似つかわしくない容姿なのが心底嫌で、ぷいっと顔を背ける。
「…………………すげぇ可愛い…」
すぐ近くで幻聴が聴こえた
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