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寮長と新しいルームメイトと危機管理
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藤涙を道連れにして、電話が置いてある部屋のドアをそっと開けて中を覗き込む。
そこには、見た事がないぐらい幸せそうに笑う園宮がいた
「うん、携帯壊れちゃって……新しいの買っていいか相談しに明日帰るよ。
迎え?ううん、こっちまでは来なくていいよ。学校からバス出てるから…うん、大丈夫」
「その代わりに、家の最寄り駅まで迎えに来て欲しい。
たまには二人だけでご飯食べたいなって……だめ?……良かった、じゃあ明日…うん。楽しみにしてる」
「………俺も、大好きだよ…兄さん」
聞いた事がない甘えたな口調と蜂蜜の様に甘ったるい声
白い肌をほんのりと赤らめて桃色に染めた頬を緩ませ、目尻を下げて微笑む顔
『大好き』だと、少しだけ照れながら告げた顔が自分に向けられていない事がとてつもなく悔しかった。
「…………………………………ふうぅ」
ガチャリと受話機を置く音と同時に、部屋には園宮の大きくて深い息が吐き出される音が響いた。
久し振りの家族との会話がそれ程楽しかったのだろうか。
先程の幸せそうな園宮の顔を思い出してはもやもやとした気持ちになっていると、ふと視界の端に赤い物が映った。
赤い……血だね、これ。血の海。
隣を見ると、藤涙が大量の鼻血を垂れ流して蹲っていた。
ちょっとこれは俺一人の手には負えない。
覗き見していた事はバレてしまうだろうが、背に腹は代えられないので園宮を呼ぶ。
「園宮、ちょっと悪いんだけれど、ティッシュ箱取ってくれるかな?」
「へ?…え…優弦さん何でそこに……って、藤涙!?何これ!?殺人現場!?」
気持ちは分かるけど、俺は無実だし藤涙は生きているよ、園宮。
「ただの鼻血だよ。ただ量が尋常じゃないからね、ティッシュとタオルと……あと俺の部屋入っていいから着替を持って来てくれるかな?」
「あ…はいっ!分かりました!」
それから園宮と二人掛かりで藤涙が垂れ流した血の海を拭取り、血で汚れた服を着替えさせ、落ち着かせてと大変だった。
「で、何をそんなに興奮したのかな?」
あんなに大変だったのだから、理由ぐらいは聞かせて貰わないと、ね?
隣に座っている園宮が心配そうに俺のシャツの裾を掴んで見上げて来ているが、これぐらいで罰を与えたりはしないから安心して欲しい。
サラサラとした髪を撫でて宥めてから視線を藤涙に戻す。
少しだけ躊躇った後、何かを決心したような表情の藤涙が口を開いた
「あの…園宮は……その…お兄さんと恋人同士だったり…する?」
何を言い出すんだろうかね、この子は。
そこには、見た事がないぐらい幸せそうに笑う園宮がいた
「うん、携帯壊れちゃって……新しいの買っていいか相談しに明日帰るよ。
迎え?ううん、こっちまでは来なくていいよ。学校からバス出てるから…うん、大丈夫」
「その代わりに、家の最寄り駅まで迎えに来て欲しい。
たまには二人だけでご飯食べたいなって……だめ?……良かった、じゃあ明日…うん。楽しみにしてる」
「………俺も、大好きだよ…兄さん」
聞いた事がない甘えたな口調と蜂蜜の様に甘ったるい声
白い肌をほんのりと赤らめて桃色に染めた頬を緩ませ、目尻を下げて微笑む顔
『大好き』だと、少しだけ照れながら告げた顔が自分に向けられていない事がとてつもなく悔しかった。
「…………………………………ふうぅ」
ガチャリと受話機を置く音と同時に、部屋には園宮の大きくて深い息が吐き出される音が響いた。
久し振りの家族との会話がそれ程楽しかったのだろうか。
先程の幸せそうな園宮の顔を思い出してはもやもやとした気持ちになっていると、ふと視界の端に赤い物が映った。
赤い……血だね、これ。血の海。
隣を見ると、藤涙が大量の鼻血を垂れ流して蹲っていた。
ちょっとこれは俺一人の手には負えない。
覗き見していた事はバレてしまうだろうが、背に腹は代えられないので園宮を呼ぶ。
「園宮、ちょっと悪いんだけれど、ティッシュ箱取ってくれるかな?」
「へ?…え…優弦さん何でそこに……って、藤涙!?何これ!?殺人現場!?」
気持ちは分かるけど、俺は無実だし藤涙は生きているよ、園宮。
「ただの鼻血だよ。ただ量が尋常じゃないからね、ティッシュとタオルと……あと俺の部屋入っていいから着替を持って来てくれるかな?」
「あ…はいっ!分かりました!」
それから園宮と二人掛かりで藤涙が垂れ流した血の海を拭取り、血で汚れた服を着替えさせ、落ち着かせてと大変だった。
「で、何をそんなに興奮したのかな?」
あんなに大変だったのだから、理由ぐらいは聞かせて貰わないと、ね?
隣に座っている園宮が心配そうに俺のシャツの裾を掴んで見上げて来ているが、これぐらいで罰を与えたりはしないから安心して欲しい。
サラサラとした髪を撫でて宥めてから視線を藤涙に戻す。
少しだけ躊躇った後、何かを決心したような表情の藤涙が口を開いた
「あの…園宮は……その…お兄さんと恋人同士だったり…する?」
何を言い出すんだろうかね、この子は。
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