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プロローグ
しおりを挟むからだが石のように重くて動かない。
どこかであのひとが、わたしの名前を呼んでいた。
全身が凍え切ったように痺れていて、右の手のひらだけがぬくもりを感じている。
おぼろげな視界に、あのひとの影が映る。
大好きだった、誰よりも大切なひと。
それなのに。
――ごめんなさい。
もう、あなたの顔がわからないの。
その言葉は声にならなくて。
泣き叫ぶあのひとの声が、胸の奥に沁み渡る。
あのひとのぬくもりが離れていく。
「約束する。必ず、きみを――」
その言葉の先は、わたしの耳には届かなかった。
深い深い闇の底へと、わたしの意識は呑まれていった。
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