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序章
プロローグ
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「きみは『世界律』を憶えているかい?」
累々たる屍が横たわる石造りの祭壇の頂で、彼は振り返った。
「その昔、この世界には数多くの知性ある種族が暮らしていた。容姿も言葉も文明も違う彼らは他の種族と馴れ合うことを良しとせず、それは自然と定められた。
『世界律』とは、純血こそがこの世で最も尊ぶべきものであると説き、すべての種族が異種族と交わることを禁じる、この世界に生きる全てのものが守るべき規律だ。
けれど、世界律を守り続けた多くの種族は長い時を経て繁殖力が低下し、僕らのように、今や絶滅への一途を辿っている。
そして多くの種族が絶滅の危機に瀕する中、特に秀でた能力もない脆弱な種族として虐げられてきた『人間』だけが、繁殖を繰り返し、栄華を誇っている。
僕らの敵は、人間か、この世界か。——きみはどちらだと思う?」
そう言って、彼は涼やかに微笑んだ。
累々たる屍が横たわる石造りの祭壇の頂で、彼は振り返った。
「その昔、この世界には数多くの知性ある種族が暮らしていた。容姿も言葉も文明も違う彼らは他の種族と馴れ合うことを良しとせず、それは自然と定められた。
『世界律』とは、純血こそがこの世で最も尊ぶべきものであると説き、すべての種族が異種族と交わることを禁じる、この世界に生きる全てのものが守るべき規律だ。
けれど、世界律を守り続けた多くの種族は長い時を経て繁殖力が低下し、僕らのように、今や絶滅への一途を辿っている。
そして多くの種族が絶滅の危機に瀕する中、特に秀でた能力もない脆弱な種族として虐げられてきた『人間』だけが、繁殖を繰り返し、栄華を誇っている。
僕らの敵は、人間か、この世界か。——きみはどちらだと思う?」
そう言って、彼は涼やかに微笑んだ。
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