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第一章 旅の途中
夜の終わり②
本当に面倒なことになったものだ、とゼノは思っていた。自分はイシュナードの消息が知りたかっただけであり、人間と深く関わるつもりなどなかったのに、と。
街道で野盗に絡まれたときもゼノ一人でどうにでもできたはずだった。ヤンが無駄な良心を働かせなければ、野盗が村を襲うことも、レナの両親が殺されることもなかったのだ。
ヤンがしたことは要らない世話でしかない。そのはずだった。だが――。
「しつこいですね」
前方から襲いかかる野盗の攻撃を紙一重でかわし、左足を軸にして身を捻り、振り向きざまに蹴りを繰り出す。ゼノの右足が野盗の頭部に直撃すると、熟れた果実が弾けるように血飛沫と肉片が飛び散った。
これで何人目になるだろう。
扉を蹴破って広間に入ってから、どれほどの時間が経過したのか。ゼノの足元には既に何十という野盗の死体が転がっていた。どれもが身体のあちこちを損壊しており、見るに耐えない光景だ。
人間という生き物はどうしてこんなにも脆いのだろう。
何十人という数で向かってきた筈なのに、誰ひとりゼノに傷を負わせることができずにいる。武器を持たないゼノの護身術程度の技で、簡単に壊れてしまう。それなのに、これだけ目の前で仲間が殺されても学習することすらせず、次から次へとわざわざ死にに向かってくる。
戦闘態勢に入り、竜気を纏ったゼノに傷を負わせるのは、常人では非常に困難なことなのに。それを何故理解できないのか。
思えば、野盗に銃を向けたヤンも同じだった。
自分のちからではどうにもできない脅威を前に、無謀な戦いを試みて。その結果、最悪の事態に陥ったのだ。
だが、ヤンの行為は純粋な正義感からのことであり、愚かではあるものの、責めるべきものではなかった。
今、ゼノが相手をしている野盗達は、ヤンのそれとは違う。目の前のあり得ない状況に思考が追いつかず、冷静さを欠いて自滅しているに過ぎない。
ゼノとしても、説得が可能であれば、これ以上の殺戮行為はしたくないのが本音だったのに。
そもそもゼノは、例え相手が人殺しをも厭わない悪質な野盗であっても、殺すつもりなどなかった。
最初の数人を戦意喪失する程度に痛めつけてみせれば、残りの野盗達は怖気付いて抵抗しなくなる。そう考えて、街道で返り討ちにした野盗と同じように、死なない程度の重傷を負わせたつもりだったのだ。
だが、野盗達は痛めつけられた仲間の姿を目にすると、怖気付くどころか敵意を剥き出しにしてゼノに襲いかかってきた。
元々、喧嘩や暴力の類はゼノの得意分野ではない。そのため、一度に何人もの相手をするのでは手加減する余裕がなかった。結果として、ゼノは冷徹に残虐に、襲い来る野盗を肉塊に変えていった。
恐慌状態に陥った人間が無謀な行動に出る可能性など、ゼノは想定していなかったのだ。
向かいくる者がようやくいなくなった頃には、広間の床にはおびただしい数の死体が転がっていた。
血に塗れた両手足を眉を潜めて一瞥し、ゼノは血の海の中を一歩踏み出した。慰み者にされていた女達が、広場の隅で身を寄せ合って震えている。
武器を構え、震えながら立ち尽くす残党を睨みつけて、ゼノは奥の扉へと歩を進めた。
襲いかかって来ないのなら、それでいい。目的は野盗の討伐ではなく、奪われた親友の本と護身用のナイフを取り戻し、レナを救い出すことだけなのだから。
***
凄まじい音と共に扉が弾け飛ぶ。二、三度回転したひしゃげた扉は、耳障りな音を立てて床の上に転がった。
蹴破られた扉の向こうから姿を現したのは、闇に融ける黒い髪と黒づくめの服に身を包んだ青年だった。
「やっぱりあんただったか」
僅かに口角を上げて呟くと、バルトロはレナを抱き寄せたまま、黒鉄の拳銃の銃口を青年に突きつけた。
「ゼノさん……」
今にも泣き出しそうなレナに向かって微かに口の端を上げてみせると、ゼノと呼ばれた青年は怯える素振りもなくバルトロと対峙した。紅玉の瞳から滲み出る得体の知れない恐怖が、バルトロの背に汗を一筋つたわせる。
「動くんじゃねぇ。嬢ちゃんが大事ならな」
脅しをかけて銃口を突きつけたまま、バルトロはゼノの背後――扉の向こうを確認した。
先程まで騒がしかった広間には燭台の灯りは殆んど残っておらず、仄暗い闇の奥から女の啜り泣く声だけが聞こえてくる。開け放たれた扉から吹き込む夜風にのって、噎せ返るほどに血生臭い、鉄錆に似た匂いが色濃く漂ってきた。
再度、扉の前のゼノに目を向ければ、黒いコートの裾や袖からぽたぽたと赤黒い液体が滴っている。悠然と立つその姿から、彼が大怪我をしているとは考え難い。
「まさか……あんた一人でやったのか……?」
傷のある額に脂汗が滲む。ごくりと生唾を呑み込むと、バルトロは口の端を釣り上げて苦笑した。
街道で最初にやられたふたりの有様を見たときから、朧げにだが考えていた。これは人間の仕業ではないと。
今ではお目に掛かることも滅多にないが、憲兵隊の目が届かない土地で略奪を繰り返していた頃に、バルトロは彼らに何度か遭遇したことがあった。
――こいつは異種族だ。
人の姿をした人ではない者。姿かたちこそ人間となんら変わりがないが、彼らは多種多様な特殊能力を持つ。
目の前の青年がどのような能力を有しているかは不明だが、おそらく何も武器を所持していないこの状態でも勝算があるのだろう。銃口を突きつけられても尚表情ひとつ変えない青年の様子から、バルトロはそう判断した。
「私から奪った本とナイフ、それと、彼女をこちらに渡して貰えませんか?」
バルトロの問いに答えるでもなく、ゼノが要件を口にした、そのとき。
「ゼノさん、うしろ……!」
レナが声を上げると同時に闇の中から野盗が姿を現し、手にした鈍器をゼノの頭上へと振り下ろした。
レナの声で逸早く勘付いたゼノが紙一重で攻撃をかわす。振り下ろされた鈍器がぐしゃりと鈍い音を立て、床板にめり込んだ。次の瞬間、追撃に転じようと鈍器を持ち上げかけた野盗の右面に、ゼノの回し蹴りが直撃した――はずだった。
目の前で起こったあり得ない光景に、バルトロとレナは息を呑んだ。ゼノの攻撃を受けた野盗の頭部が、一瞬で粉々の肉片と化したのだ。
血飛沫が周囲に飛散し、床と壁、更には天井にまで赤い斑点模様を描く。頬についた返り血を手の甲で拭い、ゼノはバルトロへと視線を戻した。
間髪入れず、耳を劈く銃声が響く。同時に、額に強い衝撃を受け、ゼノは後頭部から床に叩きつけられた。
バルトロの右掌の中、扉へ向けられたままの黒鉄の銃口から白い煙が糸のように漂っていた。
仰向けに倒れたゼノと、目を見開いたまま微動だにしないバルトロを見比べて、現実に思考が追いつかないままに、レナは悲痛な叫び声をあげた。
街道で野盗に絡まれたときもゼノ一人でどうにでもできたはずだった。ヤンが無駄な良心を働かせなければ、野盗が村を襲うことも、レナの両親が殺されることもなかったのだ。
ヤンがしたことは要らない世話でしかない。そのはずだった。だが――。
「しつこいですね」
前方から襲いかかる野盗の攻撃を紙一重でかわし、左足を軸にして身を捻り、振り向きざまに蹴りを繰り出す。ゼノの右足が野盗の頭部に直撃すると、熟れた果実が弾けるように血飛沫と肉片が飛び散った。
これで何人目になるだろう。
扉を蹴破って広間に入ってから、どれほどの時間が経過したのか。ゼノの足元には既に何十という野盗の死体が転がっていた。どれもが身体のあちこちを損壊しており、見るに耐えない光景だ。
人間という生き物はどうしてこんなにも脆いのだろう。
何十人という数で向かってきた筈なのに、誰ひとりゼノに傷を負わせることができずにいる。武器を持たないゼノの護身術程度の技で、簡単に壊れてしまう。それなのに、これだけ目の前で仲間が殺されても学習することすらせず、次から次へとわざわざ死にに向かってくる。
戦闘態勢に入り、竜気を纏ったゼノに傷を負わせるのは、常人では非常に困難なことなのに。それを何故理解できないのか。
思えば、野盗に銃を向けたヤンも同じだった。
自分のちからではどうにもできない脅威を前に、無謀な戦いを試みて。その結果、最悪の事態に陥ったのだ。
だが、ヤンの行為は純粋な正義感からのことであり、愚かではあるものの、責めるべきものではなかった。
今、ゼノが相手をしている野盗達は、ヤンのそれとは違う。目の前のあり得ない状況に思考が追いつかず、冷静さを欠いて自滅しているに過ぎない。
ゼノとしても、説得が可能であれば、これ以上の殺戮行為はしたくないのが本音だったのに。
そもそもゼノは、例え相手が人殺しをも厭わない悪質な野盗であっても、殺すつもりなどなかった。
最初の数人を戦意喪失する程度に痛めつけてみせれば、残りの野盗達は怖気付いて抵抗しなくなる。そう考えて、街道で返り討ちにした野盗と同じように、死なない程度の重傷を負わせたつもりだったのだ。
だが、野盗達は痛めつけられた仲間の姿を目にすると、怖気付くどころか敵意を剥き出しにしてゼノに襲いかかってきた。
元々、喧嘩や暴力の類はゼノの得意分野ではない。そのため、一度に何人もの相手をするのでは手加減する余裕がなかった。結果として、ゼノは冷徹に残虐に、襲い来る野盗を肉塊に変えていった。
恐慌状態に陥った人間が無謀な行動に出る可能性など、ゼノは想定していなかったのだ。
向かいくる者がようやくいなくなった頃には、広間の床にはおびただしい数の死体が転がっていた。
血に塗れた両手足を眉を潜めて一瞥し、ゼノは血の海の中を一歩踏み出した。慰み者にされていた女達が、広場の隅で身を寄せ合って震えている。
武器を構え、震えながら立ち尽くす残党を睨みつけて、ゼノは奥の扉へと歩を進めた。
襲いかかって来ないのなら、それでいい。目的は野盗の討伐ではなく、奪われた親友の本と護身用のナイフを取り戻し、レナを救い出すことだけなのだから。
***
凄まじい音と共に扉が弾け飛ぶ。二、三度回転したひしゃげた扉は、耳障りな音を立てて床の上に転がった。
蹴破られた扉の向こうから姿を現したのは、闇に融ける黒い髪と黒づくめの服に身を包んだ青年だった。
「やっぱりあんただったか」
僅かに口角を上げて呟くと、バルトロはレナを抱き寄せたまま、黒鉄の拳銃の銃口を青年に突きつけた。
「ゼノさん……」
今にも泣き出しそうなレナに向かって微かに口の端を上げてみせると、ゼノと呼ばれた青年は怯える素振りもなくバルトロと対峙した。紅玉の瞳から滲み出る得体の知れない恐怖が、バルトロの背に汗を一筋つたわせる。
「動くんじゃねぇ。嬢ちゃんが大事ならな」
脅しをかけて銃口を突きつけたまま、バルトロはゼノの背後――扉の向こうを確認した。
先程まで騒がしかった広間には燭台の灯りは殆んど残っておらず、仄暗い闇の奥から女の啜り泣く声だけが聞こえてくる。開け放たれた扉から吹き込む夜風にのって、噎せ返るほどに血生臭い、鉄錆に似た匂いが色濃く漂ってきた。
再度、扉の前のゼノに目を向ければ、黒いコートの裾や袖からぽたぽたと赤黒い液体が滴っている。悠然と立つその姿から、彼が大怪我をしているとは考え難い。
「まさか……あんた一人でやったのか……?」
傷のある額に脂汗が滲む。ごくりと生唾を呑み込むと、バルトロは口の端を釣り上げて苦笑した。
街道で最初にやられたふたりの有様を見たときから、朧げにだが考えていた。これは人間の仕業ではないと。
今ではお目に掛かることも滅多にないが、憲兵隊の目が届かない土地で略奪を繰り返していた頃に、バルトロは彼らに何度か遭遇したことがあった。
――こいつは異種族だ。
人の姿をした人ではない者。姿かたちこそ人間となんら変わりがないが、彼らは多種多様な特殊能力を持つ。
目の前の青年がどのような能力を有しているかは不明だが、おそらく何も武器を所持していないこの状態でも勝算があるのだろう。銃口を突きつけられても尚表情ひとつ変えない青年の様子から、バルトロはそう判断した。
「私から奪った本とナイフ、それと、彼女をこちらに渡して貰えませんか?」
バルトロの問いに答えるでもなく、ゼノが要件を口にした、そのとき。
「ゼノさん、うしろ……!」
レナが声を上げると同時に闇の中から野盗が姿を現し、手にした鈍器をゼノの頭上へと振り下ろした。
レナの声で逸早く勘付いたゼノが紙一重で攻撃をかわす。振り下ろされた鈍器がぐしゃりと鈍い音を立て、床板にめり込んだ。次の瞬間、追撃に転じようと鈍器を持ち上げかけた野盗の右面に、ゼノの回し蹴りが直撃した――はずだった。
目の前で起こったあり得ない光景に、バルトロとレナは息を呑んだ。ゼノの攻撃を受けた野盗の頭部が、一瞬で粉々の肉片と化したのだ。
血飛沫が周囲に飛散し、床と壁、更には天井にまで赤い斑点模様を描く。頬についた返り血を手の甲で拭い、ゼノはバルトロへと視線を戻した。
間髪入れず、耳を劈く銃声が響く。同時に、額に強い衝撃を受け、ゼノは後頭部から床に叩きつけられた。
バルトロの右掌の中、扉へ向けられたままの黒鉄の銃口から白い煙が糸のように漂っていた。
仰向けに倒れたゼノと、目を見開いたまま微動だにしないバルトロを見比べて、現実に思考が追いつかないままに、レナは悲痛な叫び声をあげた。
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