令和日本では五十代、異世界では十代、この二つの人生を生きていきます。

越路遼介

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第三十話 高松香澄

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『アイドル☆レボリューション-百華繚乱-』の周年ライブ。俺はバンドメンバー、香澄はダンサーとして出演が決まった。
だけどダンサーとバンドメンバーの初顔合わせ、その後の稽古に、どうにも香澄のダンスにキレがない。単純なミスを繰り返して仲間から厳しい叱責を受けていた。このライブのオープニングに流れるファンファーレは俺の作曲なので楽しく踊れてもらえないのは寂しい。

稽古のあと、何やらふさぎ込んでいる香澄に一杯やらないかと誘った。まあ『婚約者がいるから』と一度断られているのに誘うのもどうかと思ったけれど、声をかけずにいられなかった。断られるかな…と思えば、香澄は戸惑いつつもOKしてくれた。その時点で何となくは察した。


「婚約…破棄されちゃった」
生ビール、中ジョッキ二杯空けた香澄はそう言った。
「そうか…」
「篠永さん…。男にとって嫁が元ソープ嬢ってそんなに受け入れられないこと?」
言った直後、しまったと思ったようだ。アッ…と口を押さえているけれど、俺はそれを元から知っているため何も驚きもしなかった。そして
「…その話は君から婚約者の男性に告げたのか?」
「う、ううん…。内緒にしていたけれど彼の両親が調べたみたいで」
「……」
「彼もそれを両親から聞くや烈火のごとく怒って…。それで終わりよ。これが昨日の話」
「それが今日、君のダンスがポンコツだった理由か」
「ハッキリ言う人ね。でも、その通り…。プロ失格だよね」
「しかしまあ…裏を返せばそんなつまらない理由で婚約を破棄する器の小さな男と結婚せずに済んでよかったと言えるんじゃないか。両親に『それがどうした!』と、そう毅然と言い返せるくらいじゃないと、どのみち、この先やっていけなかったろう」
「うん…。でも篠永さん…」
「なに?」
「篠永さん、私が元ソープ嬢と言っても顔色一つ変えなかったね」
「ん?それで何か態度を改める必要でもあるのか?」
「ううん、別に。ふふっ」
「高松さん、切り替えろ。プロなら。俺の作った曲であるファンファーレをあんなシケた顔で踊られたらかなわない」
「すみませんでした!切り替えまーすっ!」
そう泣き笑いしながら、香澄は三杯目のジョッキを飲み干した。
そして翌日の稽古では見事に気持ちを切り替えた香澄の華麗なダンスが俺の目の前にあったのだ。


その後に分かった話がある。梨穂と道後温泉に行った時に彼女が語った元秋葉原の地下アイドル。それは香澄のことだった。
あれから時々居酒屋デートをするようになった俺と香澄、俺はあれこれ女性の過去は聞かないのだが、少しお酒が入ると香澄は話し出した。もしかして俺は聞き上手なのかもしれない。

アイドルとしての香澄。美貌は申し分なく、歌唱力とダンスが頭抜けていてセンターを張っていた。
その地下アイドルというのは『ラクシュミー33』というトップアイドルグループの下部グループで、アイドルとしての実力を認められ、ファンの人気投票で選ばれることによって正規グループに上がれるという仕組みを取っていた。

だから自分の実力についてこられないユニットの仲間に香澄は我慢できなかった。仲間に足を引っ張られては、いつまで経っても上に行けない。最初は叱咤だったが、やがて罵倒に変わり、ついには仲間を引退に追いやってしまった。それだけじゃなく嫌がらせをされたと、その仲間たちから慰謝料を請求されてしまった。所属事務所も前途有望な新人の芽をつぶしたと解雇通告のうえ、これまた慰謝料も請求された。ちゃんと法的根拠に則っての請求だったので逃れようもなかった香澄はソープ嬢となり慰謝料を支払ってきた。

だけど彼女は挫けなかった。アイドルは断念してダンサーの道へと。
やがて慰謝料も完済した彼女、ソープ嬢も辞めて友達の紹介で出会った男性と恋に落ちて婚約へと。
しかし、その後は聞いた通りだ。元ソープ嬢ということを婚約者の両親が調べて、それを知った婚約者男性もまた激怒して婚約破棄。元ソープ嬢ということを黙っていたことを怒ったのか、それともただ単純に元ソープ嬢ということに怒ったのか、それは俺も知る由もないが…
「大魚を逸したと思う。こんな大舞台で堂々と踊る彼女を見ているとな」
『アイドル☆レボリューション-百華繚乱-』オープニングのファンファーレ、豪華絢爛な衣装を着て、飛びっきりの笑顔で踊っている。アイドルたちに引けを取らない見事なダンスだった。

ライブ後、俺は改めて『付き合って下さい』と香澄に告白、彼女は嬉しそうにOKしてくれた。そして婚約、結婚、そう時間は要さなかった。彼女もまた俺と同じで身寄りがなく、ご両親は早くに亡くなり母方の祖母に育てられたものの、その祖母も先年に亡くなっていた。
互いに身寄りがないので、式も挙げずに入籍してフォトウェディングで済ませた。

篠永俊樹として出会ったソープ嬢の美咲ちゃん、本名高松香澄、今は篠永香澄。
可愛らしい顔立ち、小柄なロリ巨乳、そしてあそこに毛が生えていないという天使。まさか和樹となった俺の嫁になるとは思わなかった。

俺は梨穂の墓前でそれを報告した。
「梨穂、道後温泉で君が一つの戒めとして話してくれた地下アイドルの子。あれ美咲ちゃんだったんだな…。何の因果か、俺はその子と結婚したよ。ごめんな」
墓を清めたあと、腰を下ろした。
「君のことは忘れない。今も君は俺の心の中で生きているよ。でもこれからは香澄を一番大切にする。許してくれな」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

結婚して、初めて香澄を三島の自宅に。亡き父俊樹が残してくれた家と伝えてある。
香澄は単純に、ここからいつも仕事に来ていたことに驚いていた。
「ここからいつも現場に?交通費すごいことにならなかった?」
「最初は自腹でしんどかったけれど、今は事務所が出してくれるよ。それに新幹線での通勤というのはいいぞ。台本の確認や楽曲を作るのも捗るし、ともあれ仕事前に気持ちを落ち着けるにちょうどいい。何より関西方面の仕事なら、むしろ東京よりこちらの方が便利だしな」
「確かにね。ふふっ」
都内で仕事をするのが多い声優業、東京に居を構えることは何度か考えたものの、結局はリビングから見える富士山と駿河湾を前にすると、この家を手放すことは考えられなかった。梨穂が眠る霊園も近いし。
でも、これからはそうもいかないだろう。

「香澄、君はここから東京の現場に行くのはしんどいだろう。俺も都内に泊ることも多くなったし…やはり東京か埼玉、神奈川に居を構えよう。でもここを売りたくない。貸したくもない。人を雇い別荘として管理したいんだけど…どうかな?」
俊樹とシゲさんの財産があるし、俺も声優だけじゃなく、バンドマン、音楽家としての収入があるから人を雇って三島の別邸を管理してもらうほどの余裕はある。

「お父さんとの大切な思い出がある家でしょ。私は反対しないし、こんな素敵な別荘があるなんて夢みたいよ。和樹の好きにしていいよ」
「ありがとう」
「それにしても初夜が旦那様の家というのも何か変ね」
「確かにな。ははは」
柄にもないが、入籍するまで俺は香澄を抱いていなかった。大切にしたいという気持ちもあったけれど彼女との初めてのセックスをそこらへんのラブホテルで済ませたくなかったのだ。
「ところでさ…」
「ん?」
「笑わないでほしい。実は私…あそこに毛が生えていないの」
それは知っている。某傾奇者なら『だが、それがいい』と言うかもしれない。
「笑うわけがないだろう。むしろ愛しいと思うのは変態かな」
「うん、そうかも。ふふっ」
その後、二人で入浴をしてベッドイン。
「和樹、来て」
「うん」
閨房スキル、フルスロットルじゃい!

いや、本当に若い娘の肌ほど美味しいものはありません。俺は濃密な前戯をしました。したいから。すると香澄は
「もうっ、人の体を飴みたいに!和樹が悪いんだよ!」
すっかり興奮しきった香澄は俺を押し倒して上に乗り、俺のナニを膣に入れた。
「待ちきれないよ、ばか!」
「そりゃ、すまなかった。あまりに美味しいもので」
香澄は小さな体で俺にまたがり、夢中で腰を使いだした。さすがダンサー。キレが違う。
「た、たまんない…!和樹の太くて硬いの!」
互いに一度絶頂に達すると再び俺のターン、正常位で攻めて、次は後ろから。
香澄は精根尽き果てて、ベッドのうえであられもない姿で横たわっている。
「和樹…。最高…」
「ありがとう、香澄も最高だよ」
「愛する人に抱かれるって…こんなにも蕩けるんだ…」
「嬉しい賛辞だ。俺もすごく蕩けたよ」
「ふふっ、ありがとう…」

そして翌朝、一緒に朝食を調理してリビングで食べていると
「ねえ、和樹…。私もこの家に住みたい」
「…え?」
テレビのニュース番組など目もくれず、香澄はずっと窓の向こうの風景を眺めている。
今日は天気も良くて、富士山と駿河湾の共演が最高だ。
「確かに東京の現場に行くのは大変かもしれないけど、毎朝こんな素敵な風景を見られると思うと何の苦にもならないと思う。だめ?」
「いいよ。香澄が俺の家を気に入ってくれて嬉しいよ」
「うん。風景もだけど和樹の調理した卵焼き最高」
「君の味噌汁も美味いよ」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

『アイドル☆レボリューション-ステージの王子様-ファーストライブ』
会場は舞浜アンフィシアターで開催された。
いやはや、ビシビシ行くと宮田プロデューサーが言うだけあってレッスンは大変だった。
レスキューの訓練、シゲさんの荒稽古を受けた俺でもそう思った。
だけど俺の戦友たちは熱いぜ。誰一人脱落者が出なかった。

「みんなー!俺たちのファーストライブに来てくれてありがとおーっ!」
一曲目『ステージの王子様』を歌い終えて、センターの俺がファンのみんなに挨拶。仲間たちも『『ありがとおーッ!』』と続く。
バンドメンバーじゃない、今日俺はアイドルとしてステージに立っている。今日はユズリィ、リナチ、そして香澄も観に来てくれている。最高のパフォーマンスを見せなければ男が廃るってもんだよ。
しかし今更何だが、俺がステージに立つ日が来るなんてな…。
さて、メンバー紹介だ。まずはセンターの俺から。
「『ありがとうよ、プロデューサー!俺は今日最高に燃えているぜ!たとえ俺がどんな有能な消防士だって、この炎は消せやしないぜ!今日は俺から目を離さないでくれよ!』はいっ、高橋廉也役の篠永和樹です!女の子たち、男の子たち、今日は一緒に楽しみましょう!」
「「ワアアアアアア!」」
「廉也―!」
「カズーッ!」
こりゃあもう…アイドルやめられないや。


そしてこのころ、俺は無事『ジュニア』の期間を終えて『ランカー』になった。
声優は三年目が勝負というけれど、ジュニアの期間にステプリの高橋廉也を始め、多くの役を演じ、かつアイレボのバンドメンバー、楽曲も作ってきた俺は何の危なげもなくランカー入りを果たして、今後も声優を続けていけそうだ。今度舞台の仕事も入っているし、仕事が楽しくてたまらないよ。
また、ユズリィとリナチを始め『歌ってみた』の動画配信をしている女性声優たちの演奏も担当している。光栄なことに俺を『ご指名』してくれるのだ。仕事は尽きず本当に嬉しい。


そんなある日、香澄が仕事で東京に泊る日があった。俺はオフ、自宅で作曲をして過ごしていた。それも落ち着いて、何気なく見た深夜アニメ。
それは日本の高校生が異世界に転生して、無双の強さを手に入れてハーレムを築いていくというものだった。ステプリで共演している俺の戦友が主人公を演じているけれど、実際に異世界に行き少なからず冒険をしてきた俺からすると、見ていられないストーリーだった。
「ああ…。そんな冒険者ギルド登録時に絡んできた荒くれ男たちを秒殺したらだめだろう…。逆恨みされて仕返しの標的が自分ならまだしも、仲間の女の子に矛先を向けることもあり得るんだ。そこそこ相手の面目が立つ程度であしらわないと」
まるで、どこかの小うるさいおっさんのような俺だった。
「何をやっているんだよ。そんな衆目で四肢の欠損を治すパーフェクトヒール使うなんて。ギルドマスターや権力者にいいように利用されるだけだぞ…」
異世界セイラシアでそれなりに賢く生きてきたつもりなので、ついついと。

「異世界か…。そういやぁ、しばらくセイラシアに行っていないな。まあ、向こうは時間が経過していないけれど…久しぶりに行ってみるかな。シスターたちが生んだ子供たちは見たけれど他の女性たちが生んだ子供も見ていないからな」
我ながら薄情な夫で父親だけど、それは日本の概念。あちらでは不道徳でも何でもないが子供の顔を見に行くくらいならな。
俺は久しぶりにセイラシアの装備をクローゼットから取り出した。ジッパーとマジックテープを使っていない作業服上下と安全靴、ケブラー手袋を装備した。武器はセイラシアに行けば収納魔法内にある。
「ええと今日の日付を改めてチェック、二十三時ちょうどに出発と…」
セイラシアで何年過ごそうとも、この日付に帰ってくる。覚えておかないと。

「『魔王ゼイン』」

物置小屋の扉を開けると一面の大草原、久しぶりだ。空気が美味い。
マナを感じる。魔力が全身にあふれ出す。十八歳の若者に戻っている。今まではシゲさんが出迎えてくれたけれど、彼はもう召された。これから一人旅だな。
「今回の旅の方針としては、生まれた俺の子供たちを見に行く。あとはまあ、今までと同じく人々の病気や怪我を治して周り、望まれれば女性と交わる。これだな」
俺は転移魔法を使って、最初の拠点にしたブルムフルト王国王都へと飛んでいった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

次回、最終回です。
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