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第2章 チート無双
第2話 王子…なんだって
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僕の足元が目が潰れそうなほどの赤い光に包まれる。
(ちょっと熱い……)
咄嗟に目をつぶった。手で目を覆っても眩しいくらいだ。
(目、つぶってよかった)
〈目つぶらなかったら、確実に潰れてましたよ〉
多分、5秒もしないうちに光は収まった。指の隙間からうっすら周りを見てみる。そして、立ち尽くした。というか、立ち尽くすしか無かった。賢者が吹き飛ぶとは言っていたものの、更地になる程度だと思っていた。でも、この状況は更地どころの騒ぎではなかった。僕を中心に巨大なクレーターが出来ていて、その大きさは多分直径3km位だ。
(うそ、)
〈残念ながら現実ですよ、マスター。でもこれは予想以上ですね。ここに人がいたら確実に…〉
(あ…)〈あ、〉
その人、というのは言わずもがな多分ここまでで10何回かは忘れ去られているアレクのことだ。どうなったんだろ。改めて考えてみると、この森は吹き飛んだと言うよりえぐれたという感じだ。アレクはもしかして骨すら残さず燃えてしまったのかもしれない。と、その時
「ハル!」
「アレク?」
〈うーわ、生きてたんですか。あの人、ほんとに人ですか…?〉
生きてた、というのは正しい言い方なのか分からない。こっちに歩いては来たものの、右足を引きずっていて両腕に力が入っていない。どこに怪我をしているのかは分からないが、痛みをこらえるように前かがみで歩いてくる。その大怪我でなんで動けるのか謎。
不意に何かに躓いて倒れそうになるアレクを反射で受け止める。
「痛っ?!」
「ごめん」
どうやら患部を触ってしまったらしい。そっと仰向けにすると、アレクは顔をしかめた。
「痛…い。」
「右足両手、それとどこ?」
「ろっ、こつ…。多分、3本…は。」
(肋骨3本…。)
もう行きも絶え絶えと言ったところだ。早く医者へ届けた方がいいのは分かっているが、今動かすのは危険な気がする。でも運ばなきゃ…と、心の中で葛藤していると、
〈いい魔法ありますよ。〉
(教えて)
〈はい。転移魔法です。本当は1度行った場所にしか転移できないんですが、マスターはチートなんで多分いけます。マッピングっていうスキルがあるので、その人から場所聞いて、マッピングで検索して、転移すればいいんですよ。魔法に必要なのはイメージですからね。目的地と現在地を短縮するイメージで、手に力込めるんです。〉
(わかった。)
「アレク。怪我見てもらうから病院どこ」
「びょ、いん?」
病院が分からない、ということはこの世界には病院は存在しないという事だ。じゃあどこに行けばいいんだろ。
〈病院はないんで、平民なら療養所行けばいいんですけど…。この人平民じゃないんで、王宮に行かなきゃですね。〉
(平民じゃない?王宮?じゃあアレクは王子かなにか?)
服からして一般人だと思ってけど、違うのか。王がいるなら、もしかしてまだ身分制度があるのだろうか。つまり、王宮に行かなきゃ行けないってことはアレクは少なくとも王宮にいていい存在ってことだ。
〈お、正解です。この人王子なんですよ。まあ、第一王子ではないんですけど。第四王子なんですけど。王子がこの怪我はホント笑えますよねー。〉
(笑えない。)
〈あ、すみませんでした。怖いのでガチトーンで言わないでください。〉
結局アレクから聞かずに賢者から聞いてしまった。
「マッピング」
呟くと、目の前に半透明の地図が現れた。王宮、と呟くと、そこが緑に光った。自分たちのいる場所は星で示されている。すごく見にくい。そしてそこを見ながら言った。
「転移」
〈あ、ちょっ。王子忘れてますよ。〉
賢者がそう呟いた時には目の前が黒く光っていた。
(ちょっと熱い……)
咄嗟に目をつぶった。手で目を覆っても眩しいくらいだ。
(目、つぶってよかった)
〈目つぶらなかったら、確実に潰れてましたよ〉
多分、5秒もしないうちに光は収まった。指の隙間からうっすら周りを見てみる。そして、立ち尽くした。というか、立ち尽くすしか無かった。賢者が吹き飛ぶとは言っていたものの、更地になる程度だと思っていた。でも、この状況は更地どころの騒ぎではなかった。僕を中心に巨大なクレーターが出来ていて、その大きさは多分直径3km位だ。
(うそ、)
〈残念ながら現実ですよ、マスター。でもこれは予想以上ですね。ここに人がいたら確実に…〉
(あ…)〈あ、〉
その人、というのは言わずもがな多分ここまでで10何回かは忘れ去られているアレクのことだ。どうなったんだろ。改めて考えてみると、この森は吹き飛んだと言うよりえぐれたという感じだ。アレクはもしかして骨すら残さず燃えてしまったのかもしれない。と、その時
「ハル!」
「アレク?」
〈うーわ、生きてたんですか。あの人、ほんとに人ですか…?〉
生きてた、というのは正しい言い方なのか分からない。こっちに歩いては来たものの、右足を引きずっていて両腕に力が入っていない。どこに怪我をしているのかは分からないが、痛みをこらえるように前かがみで歩いてくる。その大怪我でなんで動けるのか謎。
不意に何かに躓いて倒れそうになるアレクを反射で受け止める。
「痛っ?!」
「ごめん」
どうやら患部を触ってしまったらしい。そっと仰向けにすると、アレクは顔をしかめた。
「痛…い。」
「右足両手、それとどこ?」
「ろっ、こつ…。多分、3本…は。」
(肋骨3本…。)
もう行きも絶え絶えと言ったところだ。早く医者へ届けた方がいいのは分かっているが、今動かすのは危険な気がする。でも運ばなきゃ…と、心の中で葛藤していると、
〈いい魔法ありますよ。〉
(教えて)
〈はい。転移魔法です。本当は1度行った場所にしか転移できないんですが、マスターはチートなんで多分いけます。マッピングっていうスキルがあるので、その人から場所聞いて、マッピングで検索して、転移すればいいんですよ。魔法に必要なのはイメージですからね。目的地と現在地を短縮するイメージで、手に力込めるんです。〉
(わかった。)
「アレク。怪我見てもらうから病院どこ」
「びょ、いん?」
病院が分からない、ということはこの世界には病院は存在しないという事だ。じゃあどこに行けばいいんだろ。
〈病院はないんで、平民なら療養所行けばいいんですけど…。この人平民じゃないんで、王宮に行かなきゃですね。〉
(平民じゃない?王宮?じゃあアレクは王子かなにか?)
服からして一般人だと思ってけど、違うのか。王がいるなら、もしかしてまだ身分制度があるのだろうか。つまり、王宮に行かなきゃ行けないってことはアレクは少なくとも王宮にいていい存在ってことだ。
〈お、正解です。この人王子なんですよ。まあ、第一王子ではないんですけど。第四王子なんですけど。王子がこの怪我はホント笑えますよねー。〉
(笑えない。)
〈あ、すみませんでした。怖いのでガチトーンで言わないでください。〉
結局アレクから聞かずに賢者から聞いてしまった。
「マッピング」
呟くと、目の前に半透明の地図が現れた。王宮、と呟くと、そこが緑に光った。自分たちのいる場所は星で示されている。すごく見にくい。そしてそこを見ながら言った。
「転移」
〈あ、ちょっ。王子忘れてますよ。〉
賢者がそう呟いた時には目の前が黒く光っていた。
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