小鳥遊医局長の結婚

月胜 冬

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寂しい新婚生活

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小鳥遊は病院の食堂で、ランチを食べていた。

「あれ?月性げっしょうさんの作ったお弁当じゃないんですね?」

高橋医師が聞いた。

「ええ。今、友人と沖縄旅行に行っています。」

…新婚なのに。

小鳥遊は寂しそうだった。

「先生の奥様って妊娠されていらっしゃるんですよね?心配ですね。」

研修医が言った。

「ええ。まぁ…。」

その様子を小峠はじっと見ていたが突然口を開いた。

「そう言えば小泉先生も沖縄に学会って言ってました。」

小鳥遊はちらりと小峠を見たが、何も言わなかった。

「いいなぁ♪麻酔科は金持ちで。脳外も海外とか沖縄とかで学会があれば良いのに。」

山口が言った。

「来月…九州で確かあった筈ですよ?山口先生行ってみますか?」

九州は海外じゃないですよ…僕は海外へ行きたいんですと山口が言うと、小鳥遊が笑った。

午後から
小鳥遊は、手術に小峠と入っていた。 

麻酔科医局長が麻酔医として入っていた。

「奥様は、8月にご出産予定だそうですね。産休は取れそうですか?」

麻酔科医局長は、小鳥遊をじっと見て言った。

「産前は無理ですね…産後は、1ヶ月ぐらいなら…なんとか。大学から、僕の同期が来てくれるかどうかにかかってます。」

小鳥遊は術野から目を離さずに答えた。

「そうですか…。」

…そうだった。今泉は医局長に話をしたと言っていた。

「今泉先生と仲が良いそうですね。」

と麻酔科医局長が言った。

「ええ…ガクさん、静さんと呼び合う仲です。」

外回りの看護師がそれを聞いて笑った。

「小鳥遊先生と小泉先生って真逆な感じがするのに…。」

「そうですか?」

「小泉先生はチャラいけど、先生は真面目っていうか…。」

小鳥遊が笑った。

「確かに…でも彼も見た目は軽いですが、結構真面目な青年ですよ。」

「昔の敵は今の友…ですね。」

…また小峠が余計な一言を。

小鳥遊は術野から目を逸らさず、静かに言った。

「今泉先生が僕の敵になったことは一度もありませんよ。」

手術室に緊張がはしったが、それは直ぐに破られた。

「小鳥遊先生、もし宜しければ、今日一緒に食事でも如何ですか?」

麻酔科医局長の藤田が静かに言った。藤田は、小鳥遊よりも年齢が上に見えたが、清潔感がある素敵な年齢の重ね方をしている医師だった。

「ええ…ぜひ。」

小鳥遊は静かに言った。


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「随分と遅かったじゃない?」

家に着くと、今泉の姉、あやが出て来た。

…静さんを女装させて、細身にした感じ。

彩は、モデルのように華やかで綺麗だった。

お互いに挨拶を済ませると、母のユウが出て来て優しい笑顔でふたりを迎え入れた。

「お久しぶりね。冬さん。遠いところをわざわざ来てくださってありがとう。」

純和風の大きな家の応接間へと案内された。

「お父さん呼んできますから、ちょっと待っててね。」

いそいそと部屋から出て行った。

…緊張する。お父さんってどんな人だろう。

「父は、法医学教室教授をしてたんだ。今は定年退職して、法医学に関する本を執筆したり、趣味で野菜を作ったりしてのんびり過ごしているよ。」

…余計に緊張してきた。

「いらっしゃい。よくきたね。」

父親の隆三りゅうぞうは、小柄で身長は冬と同じぐらいか、少し低いくらいだった。良く日に焼けた顔には、深い皺が寄っていた。

彩がお茶を出し、ユウは、隆三の隣に静かに座った。

とうこさんは、別の男性と結婚されて、しずと3人で暮らしているといっていたね。」

…わわ…直球勝負だ。

「はい。」

「子供が出来たらどうするんだね。」

隆三は優しい表情はしていたが、目は鋭かった。

「3人で育てます。」

冬は,はっきりと答えた。

「静は兎も角として、相手の方は…あなたの旦那さんは、合意の上でということですか?」

彩が驚かないところを見ると、知らされていたらしい。

「はい。今までに何度も話し合ってきました。」

「そのことだけど…」

今泉が話に割って入った。

「事後報告になってしまうんだけど、トウコさんのお腹の中には、子供が宿っているんです。異父二卵性双生児です。」

あらまあとユウは驚いたが、隆三は訝し気な顔をした。

「アメリカに行って体外受精を受けて来たんです。」

「出産予定は8月です。」

隆三は深いため息をついた。

「お前は、大人だし私は何も言わないよ。」

冬は反対されると思っていたのに、拍子抜けしてしまった。

「ありがとう父さん。」

今泉はとても嬉しそうだった。


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「今泉君から聞いた時には驚きましたよ。」

小鳥遊と藤田がふたりきりで酒を飲むのは初めてだった。

「ええ…説明しても理解して貰えないので、医局の誰にも言ってないんです。」

「だから結婚式の時に、今泉君も来ていたんですね。」

藤田は笑った。

「シズ…あ…今泉先生から産前休暇を頂けると聞いて驚いていたんです。本当に助かります。」

小鳥遊は頭を下げた。

「今は…大丈夫でも、これから先色々と大変だと思いますよ。」

藤田は日本酒を飲みながら言った。

「僕もね…あなたと似たようなことを、もう10年…しています。今泉君には話したんですけれどね。」

藤田は小鳥遊をじっとみた。

「聞いていないんですね。」

「ええ…。」

今度は小鳥遊が藤田をじっと見る番だった。

「僕はね…妻の他に…愛人がいるんですよ。」

…愛人。

「その人は、僕と養子縁組をしているんです。」

小鳥遊たかなしはびっくりした。

「あ!藤田ってもしや…一昨年までここにいた、外科の藤田先生?」

「はい。」

藤田は少し恥ずかしそうに微笑んだ。

外科の藤田は、小鳥遊よりも2つほど下の物静かな男だった。

看護師からも人気があり、時々女性とも噂になったが、独身を通していた。

麻酔科の藤田と外科の藤田は、ダブル藤田と呼ばれ、オペに一緒に入ることも多かった。

「でも…先生にはお子さんがいらっしゃるとお聞きしましたが…。」

今泉が藤田にも色々事情がある…と言っていたのは、このことだったのかと小鳥遊は思った。

「はい。妻よりも恋人との交際の方が長いんです。付き合いを始める時に妻にカミングアウトしたんです。それでも彼女は了承してくれたんです。」

「そうだったんですか…。」

二人の間に暫くの沈黙が流れた。

「これからも何かあったら今泉君に話すように伝えてあるんで、遠慮なく相談して下さい。」

「はい。今日はあなたとお話出来て良かったです。」

小鳥遊は藤田に再び礼を言った。


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「僕も経験がありませんが…経験が無いのが普通だと思いますが、特に双子のお産とリスク自体は変わりはないと思いますよ。」

産婦人科医は驚くよりも、
呆れているように冬には見えた。

異父二卵性双生児。

「性別判りますけどどうしますか?」

産婦人科医はエコー画面を見ながらいった。



「…であなたは、聞いてこなかったの?」

かずは怒っていた。

「だって…ガクさんも静さんにもどうするか聞いて無かったから。私はどちらでも良かったけど。」

冬は口を尖らせた。

「だったら聞いてきて、二人には内緒にしておけば良いじゃない!」

「そんなこと言って、お母さんが黙って居られないでしょう?」

「性別が判らないんだったら、白とか黄色のお洋服ばっかりになっちゃうじゃない!そんなの嫌よ。揃えるならピンクとか青に統一したいのに。」

…ってあなたの子供じゃないでしょう?

かずは暫く不機嫌なままだった。

今泉が産前休暇に入り、冬と一緒に過ごしていた。

予定入院を勧められていたが時々お腹は張るものの、昼間は今泉が甲斐甲斐しく冬の傍について、面倒を見ていたので、出来るだけ長く家で過ごしたかった。

献身的な今泉を春が見て、そんなに冬を甘やかしたら後が大変よと言って笑った。

小鳥遊が帰宅すると、いつも冬の傍に居る今泉に少し妬けたが、ほぼ毎晩、冬は小鳥遊の寝室で過ごした。

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「優しくしますから…させて下さい。」

回数は減ったものの、それでも2-3日に1度は愛し合った。

冬は笑うと、いつものように唇を小鳥遊の胸に這わせた。小さな乳頭も下半身と同じように硬く締まった。

降りていく温かい冬の唇が、下腹部に近づくと興奮が高まった。

適度な筋肉が付いた腹部、臍を通り、ゆっくりと繁みへと近づいていくと小鳥遊の呼吸が荒くなった。

赤銅色の太いそれに触れ、ゆっくりと上下させた。太ももの内側を音を立てながらキスマークを付けた。

「トーコさん…そんなところにキスマークをつけて…。」

小鳥遊は笑った。

ゆっくりと移動し、二つの果実を口に含んだ。

「あ…気持ちが良い。」

太く拍動するそれの根元からゆっくりと先端へ。その先は、ぬるぬるとした液体で濡れていた。

「まだお口に入れて無いのに、いやらしい…。」

囁くと、冬の肩に乗せた小鳥遊の手に力が入った。

「綺麗にしてあげる♪」

小鳥遊に見せつけるようにゆっくりと舐めると、キラキラと光った液体が糸を引いた。

裏側の筋も先端から根元と繰り返し舐めていく。冬の手はゆっくりと上下しながら、親指が先端を愛撫している。

「またこんなにヌルヌルしてる。」

「気持ちが…いいです。誰にこんなエッチなことを習ったんですか?」

「誰でしょう…。」

冬は笑い、手でゆっくりしごきながら、くびれまでを集中的に愛撫した。

「あ…あ…。」

それはさらに硬く大きく膨れ上がった。

「ギリギリまで我慢して…ガクさん。」

冬は大きな小鳥遊の手を自分の胸に当てがった。小鳥遊は冬の背後から、ゆっくりと挿入した。

…クプッ。

「ああ…。」

妊娠してから冬の秘部は、いつもよく潤っていた。数回のスライドで小鳥遊は果てた。

…少し早めに入院して夜伽から解放されるのもいいかも知れない。

「ありがとう…トーコさん。僕も楽しませてあげたいけど…。」

優しい口づけを交わした。

「いいの…心配しないで。お腹が張っちゃうから。その代わり一杯キスが欲しい。」

二人は何度も何度もキスをして抱き合い、冬は小鳥遊が寝息を立てるまで優しく髪を撫でていた。


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