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第1話 ライフリング Bパート

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◯バス車内

抱擁する隊員5と人質1

隊員5「大丈夫、もう大丈夫、私がいるから」

人質1「うん(呟くように)」

隊員1「人質を保護した、なお被疑者死亡」

ヤマサキOFF「りょ~か~い」

隊員5「マーちゃん毛布取ってきて」

隊員1「やはりな、FAPか、違うかHVSA」

隊員2「VX封入の超高速破砕徹甲弾とかよく何を考えているのやら」

大型のパーテーションが展開される。

人質1「今日のために買ったのに(小さな声で)」

隊員6「おお、待っててくれ」

隊員1「犯人死亡の場合、公費から全額補填されるから心配せんでいい」

時折震える人質1

隊員5「落ち着くまでしばらく一緒にいるから、ね?」

人質1「あ、ありがとう、お姉さん」

隊員1「チーフ、今日はいろいろありそうです、(無線に)」

ヤマサキOFF「りょ~か~い、休暇中ばっかりで困っちゃうけどそっち優先だから、こっちは何とかやりくりするね~」

隊員1「明日朝一で戻ります」

毛布を持ってくる隊員6
毛布を人質1に掛ける隊員5

隊員1「各自、アーマーとライフルをヘリに、拳銃と予備の弾倉を携帯し集合」

隊員「了解」

隊員1「チーフには伝えといたからヘリを市警本部のヘリポートに移動する様に後からパイロットに伝えといて」

◯ヘリ付近

装備をヘリに置く隊員たち。

隊員2「いや、それにしても市警の巡査の頃は勤務中に街に出るなんて有り得なかったし、ましてやハンドガンを所持しているなんてなぁ~」

隊員3「それもストラトの特権だろうよ」

隊員1「あのな、俺たち特殊部隊員はいつ仕返しされるかわからないんだよ、これも何十年も前の話なんだが、とある隊員がいてな、そいつは規定通り非武装で街を歩いていたところ背後から日本刀で斬りつけられて殺されて、そう言う仕返し事件が多発してから、それから特殊部隊員の規定が変わったんよ」

隊員3「認識不足でした、すみません」

隊員1「無論、武装目標に対して無警告で発砲できるのも特権に見えるけどその分の責任が重くて大変なんよ」

戦闘服に変わった。

隊員3「そういえばヤマサキチーフのヘルメット姿って見たことありますか?」

隊員1「無いな」

隊員3「ってことは割とレアな状況に遭遇したんじゃないか説になりますね」

隊員1「やつのメットはクラス9だったろ?」

隊員3「ええ、観た限りでは」

隊員1「クラス9は12.7×99ミリ弾で軽微な破損らしいけど、本当に存在してたんだな、俺たちのアーマーですらクラスVIでアーマーピアシングの338マグナム弾に多少の耐性があるよな」

隊員3「意外とボスもチーフの事詳しいんですね」

◯現場全景

報道1「5秒前3、2」

報道2「現場より緊急ニュースをお送りします。本日午前9時頃中央区ハブターミナル付近でバスジャック事件が発生しました。捜査関係者によると地下街出身の男が人質をとり、VXガスを封入した弾丸を使用した機関銃を乱射しバスに立て篭もったという事です。この事件でバスの運転手1名と警官1名が頭部を撃たれて死亡、明日を定年に控えた警官1名が意識不明の重体、人質30名が負傷、近くを通りかかった歩行者20名が撃たれて重体となりました。犯人はストラトによりその場で射殺されました。なおこの事件で州知事により特別広域緊急措置が発令されました。
睦月熊本市警本部長によると、これは適切な職務執行による執行実銃の使用と執行実包の発砲とのことです、交渉を一切受け付けないストラトによる射殺に低所得者層及び移民層の反感はより一層高まると思われます、以上現場から橘がお送りしました」

◯ヘリ付近

端末からニュースを見る隊員

隊員3「嫌な報道だな、見当違いで人々を煽りやがってな」

隊員2「だよなぁ~」

隊員1「俺たちにはどうにもならんだろ」

隊員4「仰る通り」

◯作戦本部

ヤマサキ「はぁ~今日はお腹を筋トレして1人で晩酌すっかぁ~」

赤井「ため息なんて、どうされたんです?」

ヤマサキ「八木班がさぁ~人質のアレだって~2時間で制圧すれば居酒屋でパァーってやる約束だったんだけど、まぁ~いいんだけど~あぁ、それと来週の護送なんだけどぉ~八木班に任せるね事にしたから~ゆっくり休んでいいよ~」

赤井「助かります、流石に特例護送支援を合同訓練の後にやるとは無理だろうと思っていましたから」

ヤマサキ「無理強いしないで済むのはこっちとしてもいいね~」

赤井「いえいえ助かるのはこちらですよ•••話が変わるんですけど、先程筋トレやって晩酌がどうとか宜しければ、、、ご一緒など、、、」

ヤマサキ「あぁ、トレーニングの話よ、お腹板チョコチャレンジ中でさぁ~これでもジムに行って高強度のトレーニングしてるんだ~来るなら来てもいいよ」

赤井「そうでしたか、もしかしてヴァイオレットフィットネスジムですか?」

ヤマサキ「うん、今はそこのブラックなんだよ~」

赤井「ブラックランクは流石に厳ついですよ、ウェイトで計250t、ランニングで計1000kmでしたよね?ご一緒します」

ヤマサキ「わかった~、ってそんなに厳つい?触ってみる?」

赤井「いやいや逆セクハラですやん」

ヤマサキ「言質取ってるけど、というか触って確かめてくんない?自分で観ただけじゃ仕上がりがわからんのよ」

赤井「わかりました、上司の命令として失礼します」

顔を赤くして触る赤井

赤井「すごいです」

ヤマサキ「そお?」

赤井「本当にすごいですよ、でもこんな状況を誰かに見られたら女性同士でもマズイですって」

ヤマサキ「ごめん、迷惑はかけないから」

赤井「すみません、言い過ぎました、流石に警戒しすぎでした」

SE「警報音」

指令1「緊急、博多区中央街、バンクオブウエストステイト武装強盗及び人質立て篭もり殺人事件が発生、STRATの要請あり至急出動せよ」

赤井「休暇中でそれに立て籠り事件に対する人員が1名足りませんよ」

ヤマサキ「じゃあ行くかな」

赤井「ありがとうございます、伝説のヤマサキ警視長となればとても心強いです」

ヤマサキ「へぇ~煽るねぇ~」

笑うヤマサキと赤井

ヤマサキ「じゃあ今回は久々に5.56で行っちゃいますかな~」

端末で武器係に注文する。

ヤマサキ「密着陣形でやるからサプレッサーかマズルブラストシールドでも装着しといてね私と他6人で突入するから」

赤井「かしこまりました」

ヤマサキ「XX29の5.56にマーク6ブラストハイドコンペンセーターにABSサイトとタクティカルスリング、ホワイトレーザーライトを、TX40の9ミリパラにマイクロABSサイトでよろしく」

武器係OFF「かしこまりました」

赤井「M20は使われないんですか?」

ヤマサキ「ヤマトファイアーアームズの人が使って欲しいってわざわざXX番まで実銃評価試験やったみたいで仕方ないなぁ~ってなったからもらったんだぁ~、ほらM20と同じで低銃身軸に特殊な閉鎖機構を組んでいてね、とてもマニアックだったから使ってみたかったんだよ~」

赤井「もしかして次期採用品ですか?」

ヤマサキ「いや、今は仮試験だから、それにXX40E1の9ミリって言うんだよ」

赤井「いまいち試験品とかの名前の付け方がわからないです」

ヤマサキ「じゃあ説明すると、まぁ仮にとあるメーカーがAという銃器の登録名で試作品を作って執行実銃として国防省に評価されたらAが登録名となって~評価で落とされたら今度は改良してBという登録名で評価試験を受けて、受かればBになるんだよ~ヤマトファイアーアームズでXXって言うことは50回くらい評価試験を受けたってことで~英字じゃなくても良くて単に評価試験では同じ登録名が使えないだけなんだよ~それの後に実地評価試験中でE1からE4が付くんだよ~」

赤井「なるほどです、わかりやすかったです」

ヤマサキ「わかってくれたらいいわ、さぁ行こ」

◯一階武器庫

武器係「アサルトライフルの方ですが、そろそろ15万発になりますのでお戻り次第アッパーフレームとロアーフレーム以外を交換させていただきます、尚今朝使用されておりましたハンドガンに関しましてはバレルのライフリングが限界まですり減っておりましたのでご報告させていただきます」

ヤマサキ「なぁ~んだ、それじゃぁ~当たらないわけだなぁ~」

箱を差し出す。

武器係「ヤマサキ警視長がこちらです」

ヘルメットを被るヤマサキと赤井。

武器係「正義の」

ヤマサキ「トリガーを」

赤井「トリガーを」

警官7が入ってくる。

警官7「お疲れ様です、奴らとんでもないですよ、お気をつけて」

武器係「破損っすか?」

警官7「スライドに被弾しました」

武器係「ええと、、、」

警官7「対物ライフルは12.7の徹甲弾かもしれないですよ、機動部隊の装甲車を破壊されましたし、」

その場でテイクダウンする。

武器係「あーあポインテッドのAP弾ね骨董品を使っている時点でオワコン犯罪者なんだわ」

警官7「ポインテッドとは何ですか?」

武器係「弾頭の形状で、先端が丸いのはラウンドノーズね、尖ったのはポインテッドまたは単にポイント、スピッツァーとか言われてるね、いわゆるアーマーピアシングね、2つの中間にはセミポイントがあるよね、平らなのはワッドカッターとかフラットノーズね、弾頭を逆に付けたリバースドバレット何かは昔は対戦車用に使われていたんだよ、まぁ、弾頭の後つまりテールにもフラットとボードがあるんよ、メーカーによっても呼び方が違うよね」

警官7「でしたら犯人の中の1人が対物ライフルでリバースドバレットかもしれないです」

武器係「今度、弾とかライフルの分解とか教えてあげるよ、ストラト目指してるんでしょ?たしか」

警官7「はい、お願いします」

ヤマサキ「そっかぁ~頑張って、それにしてもULTVのペラペラ装甲を抜けるなら50口径こリバースドバレットよね~」

武器係「警察が執行実包を無鉛化して民間の標的射撃用のライフル弾をフランジブル弾だけに規制して、狩猟用も同じくスチールペレットにしたせいで、余った鉛弾が闇市に流れて今に至るんですね、迷惑な話ですよ、執行実包の1つにフランジブル弾を加えたのは二次被害がほとんど無いのでいい事だと思います、ただ最近、シュラプネル何ちゃらって言うAP弾とフランジブル弾を合わせたような凶悪な物まで出て来ていますし」

ヤマサキ「まぁストラトでも地下街の摘発を頑張っているんだけどねぇ~中々取り締まれないから、そのうち完全武装で突入して一網打尽にするつもりなんだけどね~」

武器係「取り締まりは存じております」

赤井「たしか熊本市警にホローポイントのリボルバー使ってた警官いましたよね?」

武器係「えぇ、、、朝からガンギマリの移民ヤク中が鉈とか斧振り回しているのにリボルバーの5発じゃ全然対応できませんよ、1発キメてから暴れているんですよ、痛感無効状態ですよ、特に熊本の南側から鹿児島北側は移民街があってそんな連中がわんさか」

ヤマサキ「その警察官は明日定年らしいのに肺をブチ抜かれて運ばれちゃったんだよ~、ちなみに、その一帯も鹿児島の分隊に任せて制圧するつもりなんよ」

赤井「流石に武器持って暴れるヤク中を無警告で射殺できるってのは個人的には賛同できません」

ヤマサキ「暗黙の訓戒って知ってる?」

赤井「えぇ、警官としては是ですが、市民としては非です」

ヤマサキ「それなら安心したよ」

警察7「熊本でも事件ですか、、、」

武器係「無事ならいいんですが」

赤井「あのぉ~チーフそろそろ」

ヤマサキ「あぁごめん、行くわ」

武器係「お気をつけて」

扉を開ける赤井
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