上司に連れられていったオカマバー。唯一の可愛い子がよりにもよって性欲が強い

papporopueeee

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親睦偏

呪文を唱えられました

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 その後もおつまみを追加して、
 お酒をおかわりして、
 他愛のない話をして、
 穏やかに時間は過ぎていった。

 ツキは元の席に戻る気はないようで、今も寄り添うようにして隣に座っている。
 個室だから別にいいのだけれど、時折店員さんに見られると気恥ずかしい。

「アキラさん、良い感じに顔が赤くなってきましたねー♪」
「そう言うツキはあんまり変わってないな」

 ビールばかり飲んでいる翠と、カルーアミルクばかり飲んでいるツキ。

 翠は既に酔いを自覚しているというのに、ツキに酔っぱらっている様子は全く見られない。
 飲み物こそ違えど、ツキは翠よりもたくさん飲んでいるというのに。

 顔色も。
 呂律も。
 テンションも。

 外から判断できる要素は全てが普段と同じままに思える。

「大丈夫ですか? 気持ち悪くなったりはしてないですか?」
「なんだ、心配してくれるのか? てっきりまた酔い潰す気かと思ってたけど……」
「あの時とは飲んでるお店が違いますから。さすがに余所のお店で迷惑はかけられませんよ」
「なるほど……。酔ってはいるけど大丈夫だよ。ペースを抑えれば、まだ全然飲める」

 舌は回っているし、思考も視界もクリアだ。

 それに、会社の飲み会と違って気持ちも楽だし楽しい。
 体調的にも気持ち的にもかなり好調なのが正直なところだった。

「ツキはあのオカマバーでもこれくらい飲むのか?」
「あんまり飲まないですね。そもそもお客さんが少ないですし?」

 そういえばそうだった。
 あの店には2回しか行ったことはないけれど、そのどちらのタイミングでも他のお客は見たことがない。

「それに、お客さんが来たとしても私はあんまりつかないので」
「そうなのか?」
「アキラさんの時もそうだったじゃないですか?」
「……あんまり思い出したくなかったな」

 筋肉ダルマたちに囲まれたあの時間は、ある意味で最も濃密な夜だった。
 二度と経験したくはないけれど。

 顔をしかめたのを見て、ツキはくすりと笑った。

「そういうことです。盛り上げるのも、お話するのも、お酒を飲むのも、全部ちひろさんたちが率先してくれるので。私は偶に可愛く、清楚に、お淑やかに、ちょこんと座って場に花を添えるのが役割なんですよ」
「……確かに、あの演技をされたらツキ目当てで通っちゃう人も出てくるよな」
「アキラさんみたいに?」
「……いや、俺は通ってはないし」
「それじゃあ私が通って欲しいって言ったらどうしますか? 他のお店のキャストと同じように、あのお店でしか私に会えない、話せないってなったら。アキラさんは、私の為にお店に通ってくれますか?」

 そう言ってツキはこちらを見上げてきた。

 瞳を潤ませて。
 いじらしい表情で。

 その顔には『演技中です』とデカデカと書かれている。

「……当たり前だろ」
「えっ!? ほんとですか!?」
「いや、嘘だけど」
「っ……も~~っ!!」

 いつもツキに翻弄されっぱなしなのではったりをかましてみたのだけれど、思ったよりも効いたらしい。
 ツキは翠の服の裾を掴むと、ぐいぐいと引っ張り始めた。

 やはりツキも酔っているのか。
 その仕草は子供っぽくて、猫とじゃれているような悪くない心地だ。

「ツキって案外純情なんだな」
「むーっ……」
「ほら、そうやって頬を膨らませるところが子供っぽ――」
「犯しますよ」
「――え?」
「アキラさんの口をべろべろに犯して、その唇も舌もドロドロに溶けるまで蹂躙して、乳首もビンビンになるまでいじめて、私の香りだけで硬くなるように調教して、私の姿を思い出しただけでちんちん勃起するくらいに教えこんで、トロトロに蕩けるまで寸止めして、私の体液無しじゃ生きられなくなるくらいに注ぎ込んで――」

 ツキの呪文は止まらない。
 止まる様子が見られない。

 子供っぽいだとか、純情だとか。
 そんな表現を使ってツキを煽ったことを心底後悔した。
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