女として兄に尽くすよう育てられた弟は、当たり前のように兄に恋をする

papporopueeee

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兄と弟と弟だった人

夜伽の約束

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「そういえば、前にしてから少し間が空いてるか?」

 最後にしたのは土曜で、初めて媚薬を使った。
 日曜には珠美が来て、その夜は同じ布団で寝たものの夜伽をしたわけではない。
 月曜はキャッチボールをして、夜は玲が臭かった。

 そして今日が、夜伽をしてから3日目の火曜だ。

「……されますか?」
「んー……」
「わっ、私は、一宏様がお望みでしたらいつでも……今すぐにでも……」
「別に溜まってるわけじゃないしな」
「そ、そうですか」
「でも……んー……」
「っ……っ……」

 以前、初めて玲といっしょにお菓子を食った時。
 夜伽は週に1回程度のペースでやっていくのがよいだろうという話をした。
 あまり間を空けすぎると、俺も玲も夜伽が下手になって苦労するから。

 特に問題なのは玲だ。
 間を空けると玲は快感に弱くなりすぎて、奉仕される側であるはずの俺の労力が増える。

 家に珠美も居る現状で、この前のようにあんあんと喘がれては堪ったものではない。

「そろそろしとくか……?」
「っ!」

 玲の体がぴくッと反応した。

 珠美は1日や1週間そこらでこの家からいなくなるわけではない。
 今は俺も平気だが、性欲は発散しなければどんどんと溜まっていく。
 いつかは玲に夜伽をさせる日もくるだろう。

 どうせ珠美が居候している内に夜伽をするのなら、あまり間を空けるのは得策じゃない。
 間を空ければ玲の喘ぎ声が激しくなって、珠美に声を聴かれるリスクが増えるだけだ。

「い、今ですか? でしたら、すぐにでも準備を――」
「いや、今日じゃなくていい。もう寝る気分になってるからな。今からは面倒だ」
「そ、そうですか……」
「夜伽をするのは明日にしよう。玲もそれで問題ないよな?」
「はい、もちろんです。私は何よりも一宏様への奉仕を優先致します」
「よし。ああそれと、夜伽のことは珠美さんには内緒な」

 玲は夜伽の異常性を知らない。
 言っておかなければ珠美に話してしまう可能性もあるだろう。
 なんなら、誇らしげに語る姿が目に浮かんでくるまである。

 本来ならもっと早くに言いつけておくべきだったことだ。
 今日まで玲が珠美の前で夜伽のことを口にしなかったのは幸運だったと思うべきだろう。

 宗田の家での兄弟の在り方なんて、珠美は俺以上に知ってはいるのだろうけれど。
 それでも、俺と玲のことまで知られて平気なわけじゃない。

「っ……私と一宏様の、ふたりだけの秘密……でしょうか?」
「まあ、そんなところだ」
「…………承知致しました」

 俺の言葉を深く噛みしめ、胸の内に刻むように玲は頷いた。
 この様子ならみだりに話したりはしなさそうだ。

「……それでは、今日はどうなされますか?」
「……どうって、何が?」
「あの……私は、どうすれば……」
「? 家事が終わってるなら寝ればいいんじゃないか?」
「っ……ぃっ」
「?」
「ぃっ……ぃっ……っ、しょの……!」
「……?」
「っ……い、いえ……それでは、失礼いたします」
「おう」
「また、明日……!」

 明日という言葉を強調して、玲は部屋から去って行った。
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