重槍士は褐色毒ショタに出会う

papporopueeee

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討伐

きっと、強くて優しいハンター様なのでしょうね?

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 森の入口にて

「グリフォンは森にある岩壁に巣を構えているらしい。歩いて一日くらいの距離とのことだから、明日の昼には接敵しそうだな」

「かなり詳しい情報があるんですね」

「兵士に聞いたんだが、派兵して討伐する作戦は立てていたらしい。ただ、グリフォンは飛べるからな。国の近くに現れたところを大勢で襲っても逃げられちまう。そうなるとねぐらを叩きたいところだが、森の真っただ中だからな。兵を割き過ぎれば国の守りも手薄になる。斥候で情報だけ集めて外部に依頼しようとしていたところに、都合よく旅の魔物ハンターが現れたってわけだ」

「ふふ……きっと、強くて優しいハンター様なのでしょうね?」

「聡明で優しい子供に導かれたんだろうな。この道をまっすぐ進めば、岩壁にぶち当たるとは聞いたが……」

 それは確かに道ではあったが、人が歩きやすいように整備された道では無かった。ただ木が伐採されているだけだ。足元が舗装されているわけでもなく、魔物の痕跡がそこら中に落ちている。長物を主武装としている身からすれば木が生えていないだけでもありがたくはあるのだが、人が歩くことを想定されている道ではなかった。

「前後の見晴らしが悪くないのが救いだな。左右にさえ気を配っていれば、不意打ちされることはなさそうだ」

「やっぱり、僕は自分の足で歩いたほうがいいでしょうか?」

「いや、そうでもない。こういう森だと足元の虫や草木も脅威になる可能性があるからな。さすがに、外套と包帯だけでは心許ない。それに、くっついてた方が守りやすいし、いざとなればこのまま撤退できる」

「撤退……グリフォンと戦うよりも前にですか?」

「もちろんだ。少しでも危なくなれば、真っ先に逃亡を考慮する。軍隊とかだと、個人が勝手に逃げ出したら問題になるけどな。今回の依頼であれば、何度やり直したって最終的にはグリフォンを討伐できればいい。もしくは、件のグリフォンが俺個人の手には負えない可能性だってある」

「っ……でも、その場合は……」

「安心しろ。件のグリフォンが特別強い個体だっていうのもレスト国にとっては重要な情報だ。その情報を届けることができれば、俺たちはちゃんと国に貢献したことになる。別の贖罪の機会をいただくための糸口にはなるだろう」

 ルカテには言っていないが、グリフォンを一体討伐したところで王子殺しの罪が帳消しになるとは考えていない。俺の役目はルカテが贖罪するための時間を稼ぐことだ。

 レスト国はルカテへの差別意識が強く、ルカテを一人の人間として見ている者が居ない。そんな中でルカテの善性を訴えても意味は無いだろう。

 まずはルカテを無意識に蔑んでいるその心根に働きかける必要がある。グリフォン討伐はあくまでその一環だ。ルカテは国に利益をもたらす存在だと示せれば見る目も変わるだろう。

 本当は子供であるルカテを利益どうこうで見て欲しくはないが、状況が状況だけにそこは仕方がないと割り切るしかない。

「何にせよ、俺が居る限りルカテを処刑させたりはしない。国の外でも中でも、ちゃんと守ってやるからな」

「……はい。ありがとうございます、ガル」
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