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討伐
恩寵って消耗品なんですね
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グリフォンの巣だった場所にて
「あっ!!」
ガルを回復魔法で治療した後、休憩していた僕の耳にガルの驚愕の声が届いた。討伐の証としてグリフォンの嘴を剥ぎとっていたはずだけれども、何かあったのだろうか。
「ガル……? どうかしたんですか?」
「ああ……火を吐くグリフォンの正体がわかった。こいつのせいだったみたいだ」
「それは……首飾りですか? なんだか、高価そうな代物に見えますが」
「これはロザリオだ。前に恩寵の話をしたのは憶えてるか?」
「はい。ガルはサーメル様という神様を信仰して、悪食の恩寵を授かっているんでしたよね?」
「悪食……まあ、間違ってはいないが。このロザリオは恩寵の依り代だ。神殿で神に祈ることでロザリオに恩寵が宿り、このロザリオを身に着けることで俺たちは恩寵を行使することができるんだ。グリフォンが火を吐いていたところを見るに、これは火の神の恩寵を宿したロザリオなんだろうな」
「魔物も神様に祈るんですか?」
「そうじゃない。おそらく、このグリフォンは神官を襲ったんだろう。その時にこのロザリオを手に入れ、ずっと嘴の中に持っていたんだ。普通は魔物がロザリオを手に入れたところでその恩寵には預かれないんだが、よほど高位の神官を襲ったんだろうな。ロザリオに込められた恩寵が凄まじかったせいで、火炎を吐く能力を手に入れてしまったらしい」
もしその話が真実なのだとすれば、僕たちは余程の不運に見舞われたことになるのだろう。
討伐対象のグリフォンが番で。しかもその内の片方が高位の神官を襲ってロザリオを手に入れていて。そして片方を斃した後にもう一頭からの不意打ちを受けるなんて。
それとも、こんな状況で生き残れたのだから余程の幸運と思うべきなのだろうか。
「そのロザリオがあれば、ガルも炎を吐けるのですか?」
見て見たいような、見たくないような。でもやっぱり、ガルなら炎を吐いていても格好いい気がする。
「できなくはない。ロザリオの中に恩寵が残っている限りは、俺も火の神の奇跡のおこぼれに預かれるはずだ」
「恩寵って消耗品なんですね……」
恩寵について知れば知るほどに、僕の中にある神様の神々しさが失われていく。信仰心が無くても恩寵に預かれる上に、その恩寵もロザリオに溜めておけば魔物でも行使できてしまうなんて、あまりにもシステマチックすぎないだろうか。
「ただ、炎を吐くよりもずっと良い使い方がある。今の俺たちにピッタリのやつだ」
「ピッタリ?」
高位の神官が持っていたとしても、ロザリオが宿しているのは火の神様の恩寵にすぎない。その効果も熱や火に関わるもののはずであり、火を起こすだけなら焚火で済んでしまう。
ガルの言う使い方とはなんなのだろうか。
「近くに川があったから、今日の野営場所はその近くにしよう。今から準備すれば、夜には入れるだろう」
「入れる? 何を準備するのですか?」
「風呂だよ」
「……え?」
「あっ!!」
ガルを回復魔法で治療した後、休憩していた僕の耳にガルの驚愕の声が届いた。討伐の証としてグリフォンの嘴を剥ぎとっていたはずだけれども、何かあったのだろうか。
「ガル……? どうかしたんですか?」
「ああ……火を吐くグリフォンの正体がわかった。こいつのせいだったみたいだ」
「それは……首飾りですか? なんだか、高価そうな代物に見えますが」
「これはロザリオだ。前に恩寵の話をしたのは憶えてるか?」
「はい。ガルはサーメル様という神様を信仰して、悪食の恩寵を授かっているんでしたよね?」
「悪食……まあ、間違ってはいないが。このロザリオは恩寵の依り代だ。神殿で神に祈ることでロザリオに恩寵が宿り、このロザリオを身に着けることで俺たちは恩寵を行使することができるんだ。グリフォンが火を吐いていたところを見るに、これは火の神の恩寵を宿したロザリオなんだろうな」
「魔物も神様に祈るんですか?」
「そうじゃない。おそらく、このグリフォンは神官を襲ったんだろう。その時にこのロザリオを手に入れ、ずっと嘴の中に持っていたんだ。普通は魔物がロザリオを手に入れたところでその恩寵には預かれないんだが、よほど高位の神官を襲ったんだろうな。ロザリオに込められた恩寵が凄まじかったせいで、火炎を吐く能力を手に入れてしまったらしい」
もしその話が真実なのだとすれば、僕たちは余程の不運に見舞われたことになるのだろう。
討伐対象のグリフォンが番で。しかもその内の片方が高位の神官を襲ってロザリオを手に入れていて。そして片方を斃した後にもう一頭からの不意打ちを受けるなんて。
それとも、こんな状況で生き残れたのだから余程の幸運と思うべきなのだろうか。
「そのロザリオがあれば、ガルも炎を吐けるのですか?」
見て見たいような、見たくないような。でもやっぱり、ガルなら炎を吐いていても格好いい気がする。
「できなくはない。ロザリオの中に恩寵が残っている限りは、俺も火の神の奇跡のおこぼれに預かれるはずだ」
「恩寵って消耗品なんですね……」
恩寵について知れば知るほどに、僕の中にある神様の神々しさが失われていく。信仰心が無くても恩寵に預かれる上に、その恩寵もロザリオに溜めておけば魔物でも行使できてしまうなんて、あまりにもシステマチックすぎないだろうか。
「ただ、炎を吐くよりもずっと良い使い方がある。今の俺たちにピッタリのやつだ」
「ピッタリ?」
高位の神官が持っていたとしても、ロザリオが宿しているのは火の神様の恩寵にすぎない。その効果も熱や火に関わるもののはずであり、火を起こすだけなら焚火で済んでしまう。
ガルの言う使い方とはなんなのだろうか。
「近くに川があったから、今日の野営場所はその近くにしよう。今から準備すれば、夜には入れるだろう」
「入れる? 何を準備するのですか?」
「風呂だよ」
「……え?」
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