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裏側
中に入れルカテ
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王宮にて
兵士に連行され、レイス王の後をついていく。最近はガルに抱えられてばかりだったので、こうやって普通に歩くだけのことがなんだか懐かしく思えてしまう。
「……」
「……」
無言。僕も、王も、兵士も、誰一人喋ることなく、足音だけが王宮に鳴り響く。
気まずくはあるけれども、それだけだ。切っても切り離せなかった王宮での息苦しさを、今の僕は微塵も感じていない。ガルが隣にいないのに、僕はこのレスト国の中でまっすぐに前を見ることができている。
「……」
「……」
広場でのやり取りの後、僕とガルは一度別れることになった。恩赦の手続きがあるからとレイス王に連れられ、この王宮へとやってきた。
ガルと別れたくはなかったけれども、離れることに不安は無かった。だって、今の僕は罪人では無いから。あの広場で、民衆の前で、レイス王から直々に恩赦を宣言されたから。
恩赦を受けたとしても、罪が消えてなくなるわけではない。自らの命で償うことしか考えていなかったので、人を殺してしまった事実とどう向き合えばいいのかはわかっていない。それでも、赦されたという事実が僕の心を軽くしてくれたのは確かだ。
もう独房に監禁されることもない。ガルに会いたければいつでも会いに行ける。だから、一時別れることに寂しさはあっても不安は無かった。夜に開かれる宴席での再会を約束して、笑顔で別れることができた。
「……」
「……」
いつの間にか僕は離宮にあるレスト王のプライベート空間、いわば住居スペースに連れてこられていた。
父様が存命だった頃は、父様に会うためによく来ていた場所。今のレスト王に代替わりしてからは、足を踏み入れることを禁じられた場所。
恩赦の手続きという話だったはずだけれども、こんな場所で行うのだろうか。
「ここでいい。お前らは持ち場に戻れ」
レスト王がそう言うと、兵士は素直に立ち去ってしまった。ついさっきまで罪人であった僕を、人を殺せるほどの毒で満ちている僕を、こうも簡単に王様とふたりきりにするなんて。僕のことを信用しているのか、レスト王のことを信用しているのか。おそらくは後者なのだろうけれども。
「では、中に入れルカテ」
「え……ここですか?」
ここは確か王の私室だったはずだ。忠実な兵士でも入ることはできない部屋であり、家族にしか入室することができない場所。リビングやキッチン、寝室等がある王の家族が生活をするための空間。父様が存命だった頃でも、僕は入ることはできなかった。
僕とレスト王は異母兄弟ではあるが、家族と呼べるほどの関係ではない。それなのになぜ、この部屋に僕を連れてきたのだろうか。
「不服か?」
「いえ、そのようなことは……失礼いたします……」
結局、僕はわけもわからないままに扉を開けて入室した。そして――
「あら、いらっしゃい。可愛いお客さんね?」
「っ!?」
――レイス王の妃である、ティルハ王妃に迎えられた。
兵士に連行され、レイス王の後をついていく。最近はガルに抱えられてばかりだったので、こうやって普通に歩くだけのことがなんだか懐かしく思えてしまう。
「……」
「……」
無言。僕も、王も、兵士も、誰一人喋ることなく、足音だけが王宮に鳴り響く。
気まずくはあるけれども、それだけだ。切っても切り離せなかった王宮での息苦しさを、今の僕は微塵も感じていない。ガルが隣にいないのに、僕はこのレスト国の中でまっすぐに前を見ることができている。
「……」
「……」
広場でのやり取りの後、僕とガルは一度別れることになった。恩赦の手続きがあるからとレイス王に連れられ、この王宮へとやってきた。
ガルと別れたくはなかったけれども、離れることに不安は無かった。だって、今の僕は罪人では無いから。あの広場で、民衆の前で、レイス王から直々に恩赦を宣言されたから。
恩赦を受けたとしても、罪が消えてなくなるわけではない。自らの命で償うことしか考えていなかったので、人を殺してしまった事実とどう向き合えばいいのかはわかっていない。それでも、赦されたという事実が僕の心を軽くしてくれたのは確かだ。
もう独房に監禁されることもない。ガルに会いたければいつでも会いに行ける。だから、一時別れることに寂しさはあっても不安は無かった。夜に開かれる宴席での再会を約束して、笑顔で別れることができた。
「……」
「……」
いつの間にか僕は離宮にあるレスト王のプライベート空間、いわば住居スペースに連れてこられていた。
父様が存命だった頃は、父様に会うためによく来ていた場所。今のレスト王に代替わりしてからは、足を踏み入れることを禁じられた場所。
恩赦の手続きという話だったはずだけれども、こんな場所で行うのだろうか。
「ここでいい。お前らは持ち場に戻れ」
レスト王がそう言うと、兵士は素直に立ち去ってしまった。ついさっきまで罪人であった僕を、人を殺せるほどの毒で満ちている僕を、こうも簡単に王様とふたりきりにするなんて。僕のことを信用しているのか、レスト王のことを信用しているのか。おそらくは後者なのだろうけれども。
「では、中に入れルカテ」
「え……ここですか?」
ここは確か王の私室だったはずだ。忠実な兵士でも入ることはできない部屋であり、家族にしか入室することができない場所。リビングやキッチン、寝室等がある王の家族が生活をするための空間。父様が存命だった頃でも、僕は入ることはできなかった。
僕とレスト王は異母兄弟ではあるが、家族と呼べるほどの関係ではない。それなのになぜ、この部屋に僕を連れてきたのだろうか。
「不服か?」
「いえ、そのようなことは……失礼いたします……」
結局、僕はわけもわからないままに扉を開けて入室した。そして――
「あら、いらっしゃい。可愛いお客さんね?」
「っ!?」
――レイス王の妃である、ティルハ王妃に迎えられた。
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