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決着
腐った血液が内側から滲み出しているかのように
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「嘘だ……っ、嘘だ嘘だ、嘘だっ……っ!」
その汗も、呼吸も、目も。毒が原因なのだとしたら説明がつく。あのホーデンに毒が入っていたのだとしたら、納得ができてしまう。
だって――僕は――その症状を――見たことが――あるから――
「くびっ……ガルっ、首を見せてっ……っ」
戸惑うガルの返答も待たずに、僕は手を伸ばした。ガルの首を覆う襟を掴み、その素肌を暴いた。
そこには――
「あっ……あぁっ……」
――ドス黒い斑紋が現れていた。僕の褐色肌のような、腐った血液が内側から滲み出しているかのように。あの日、僕の目の前で亡くなった、ドゥノーラ王子と同じように。
「うそっ……こんなの、嘘だっ……なんでっ……どうして……?」
「白々しいな、ルカテよ。お前の謀なのだろう」
「え……僕が……?」
「旅人を蝕んでいるのは間違いなくお前の毒だ。我が息子を殺した毒と同じ物だ。であれば、その犯人はお前以外にあるまいよ」
「違う……僕じゃ、ない……だって、この毒は……」
誰が入れたのかなんて、そんなのわかりきっている。この毒は献上したばかりなのだから。ガルの料理に毒を入れるよう指示できた人物なんて、一人しかいないのだから。
でも、覆せない。僕一人では、王の言葉を覆すことができない。唯一の味方であったガルは、僕の毒のせいで息絶えようとしている。
「わがレスト国にとっての恩人である旅人を、その汚れた毒で殺害しようとは。恩赦などと言い出した私が愚かであった。お前の処刑は予定通り行うこととしよう」
「どうして……? どうして、ガルを……?」
僕を憎んでいるのはいい。最初から僕を赦すつもりもなく、騙していたことはいい。それは、レスト王にとっては当然の権利だから。
でも、ガルは関係無かった。レスト王にとってのガルは間違いなく恩人ではあったはずなのに、どうして殺す必要があったのか。
「それはこちらが聞きたいな、ルカテよ。だがまあ、殺人者であるお前を庇い立てするような人間だ。その内、背中から刺されていたのであろうよ」
「そんな……そんな理由で、ガルをっ……っ!」
ガルはただ優しかっただけなのに。僕のような子供が処刑されることに耐えられないお人よしなだけだったのに。
その善性は疑いようもなく、その強さは多くの人を救うことができるほどだったのに。ただ僕の味方をしていたというだけで、レスト王はその命に毒を垂らしてしまった。
「うぅっ……ううぅ~~っ!!」
憎い。腹の底から怨念と涙が溢れてきて止まらない。
これがレスト王がずっと抱き続けてきた感情なのだろう。ティルハ王妃が苛まれ続けた絶望なのだろう。
王をどうにかして殺してやりたい。苦しみに喘ぐこの心を自らの手で壊したくて仕方がない。でも、まだ……ガルは生きているから――
「っ……ど、どうかっ……どうかガルの命をお救いくださいっ……っ!」
僕は頭を下げた。床に額を擦りつけ、ガルに毒を盛った張本人に懇願した。唯一のガルが助かる道を、諦められなかった。
その汗も、呼吸も、目も。毒が原因なのだとしたら説明がつく。あのホーデンに毒が入っていたのだとしたら、納得ができてしまう。
だって――僕は――その症状を――見たことが――あるから――
「くびっ……ガルっ、首を見せてっ……っ」
戸惑うガルの返答も待たずに、僕は手を伸ばした。ガルの首を覆う襟を掴み、その素肌を暴いた。
そこには――
「あっ……あぁっ……」
――ドス黒い斑紋が現れていた。僕の褐色肌のような、腐った血液が内側から滲み出しているかのように。あの日、僕の目の前で亡くなった、ドゥノーラ王子と同じように。
「うそっ……こんなの、嘘だっ……なんでっ……どうして……?」
「白々しいな、ルカテよ。お前の謀なのだろう」
「え……僕が……?」
「旅人を蝕んでいるのは間違いなくお前の毒だ。我が息子を殺した毒と同じ物だ。であれば、その犯人はお前以外にあるまいよ」
「違う……僕じゃ、ない……だって、この毒は……」
誰が入れたのかなんて、そんなのわかりきっている。この毒は献上したばかりなのだから。ガルの料理に毒を入れるよう指示できた人物なんて、一人しかいないのだから。
でも、覆せない。僕一人では、王の言葉を覆すことができない。唯一の味方であったガルは、僕の毒のせいで息絶えようとしている。
「わがレスト国にとっての恩人である旅人を、その汚れた毒で殺害しようとは。恩赦などと言い出した私が愚かであった。お前の処刑は予定通り行うこととしよう」
「どうして……? どうして、ガルを……?」
僕を憎んでいるのはいい。最初から僕を赦すつもりもなく、騙していたことはいい。それは、レスト王にとっては当然の権利だから。
でも、ガルは関係無かった。レスト王にとってのガルは間違いなく恩人ではあったはずなのに、どうして殺す必要があったのか。
「それはこちらが聞きたいな、ルカテよ。だがまあ、殺人者であるお前を庇い立てするような人間だ。その内、背中から刺されていたのであろうよ」
「そんな……そんな理由で、ガルをっ……っ!」
ガルはただ優しかっただけなのに。僕のような子供が処刑されることに耐えられないお人よしなだけだったのに。
その善性は疑いようもなく、その強さは多くの人を救うことができるほどだったのに。ただ僕の味方をしていたというだけで、レスト王はその命に毒を垂らしてしまった。
「うぅっ……ううぅ~~っ!!」
憎い。腹の底から怨念と涙が溢れてきて止まらない。
これがレスト王がずっと抱き続けてきた感情なのだろう。ティルハ王妃が苛まれ続けた絶望なのだろう。
王をどうにかして殺してやりたい。苦しみに喘ぐこの心を自らの手で壊したくて仕方がない。でも、まだ……ガルは生きているから――
「っ……ど、どうかっ……どうかガルの命をお救いくださいっ……っ!」
僕は頭を下げた。床に額を擦りつけ、ガルに毒を盛った張本人に懇願した。唯一のガルが助かる道を、諦められなかった。
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